20代の頃に手に入れた三線。
ニシキヘビの本革のものは鱗がなんとなく気持ち悪くてビニールの偽革のやつ。当時、普通の楽器屋では売っていなくて、わざわざ沖縄まで買いに行った。お土産やさんで売ってる安いやつより1ランク(ぐらい?)上のちゃんとしたやつ。三線屋では一番安かった。(沖縄は普通の楽器屋の他に三線を専門に扱う三線屋がある。それも結構な数ある。)
三線屋さんでお菓子(アメリカのお菓子でした)をいただきながらいろいろと教えてもらっていると、店にはいろんな人が寄っていく。だいたいは地元の人。その日は民謡コンクールの日だったらしく、みんな、誰がよかった、とか、あんまりよくないね、とか批評していく。だいたい最後には「わしの方が上手いわ」っていう。沖縄は芸能がほんとに染み込んでるね。うらやましい。
パッと見はいいんですが、やっぱり本物と比べるとちょっと違う。でも、カン!とくる感じの音は気に入ってる。本革ものはもうちょっとまろやかな音。
沖縄では三線を持って歩いていると、いろんな人が声をかけてくる。
「それ、なんですか?」
「三線です。」
「弾けるんですか?」
「いいえ。さっき手に入れたところなので弾けません。」
「ちょっと見せてください。」
っていうようなやりとりを何回かした。
「それ、なんですか?」って聞いてくるけど、絶対中身は三線だ、って知ってる。なんか喋りたくて仕方ないんでしょうね。こちらもちょっと嬉しい。
ちょっと困ったのは、糸巻きを差し込む穴の開け方がいい加減。神戸に住んでいた頃に新長田に沖縄関連の店が出来た。泡盛やら海ぶどうやら沖縄のものはなんでも手に入る。そこで三線も売ってたので、修理を頼むことにした。しかし、糸巻きが替えられただけで穴はそのまま。まあ、いいか。沖縄やしな。って感じで文句も言わずそのままにしてる。
特に習ったわけでもない三線だけど、なんとなく弾けてる。まあ、弾けてるレベルにはいないのかもしれないけど。
そうそう、沖縄の三線屋さんが言ってた。「こんなん簡単や。誰でも弾けるで!」関西弁ではなかったと思うけど。
三線用の譜面ってのがある。「工工四」と書いて「クンクンシー」と読む。縦書きで、三線の押えるところ(いわゆる勘所ってやつ)を漢字で書いてある。タブ譜みたいなもんかな。一番太い弦の開放(どこも押さえない)が「合」。人差し指で押えるところが「乙」、中指が「老」、真ん中の弦の開放は「四」人差し指が「上」、中指が「中」、小指が「尺」、一番細い弦は開放が「工」、順に「五」、「六」、「七」という感じ。
これがなかなか覚えられないんですよ。
ね?わかりにくでしょ?この漢字の横にカタカナが書かれてるけど、それが歌。メロディはこの楽譜からはわからない。誰かに教えてもらうか、CDを聴くかしかない。
この楽譜の感じって、リュートのドイツタブラチュアに似てる。リュートは和音を弾くからさらに複雑になるね。三線の譜面が読めるようになったら、ドイツタブラチュアもちょっとはやってみるかな。
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