2018年10月29日月曜日

大津古楽講習会

おなじみの大津古楽講習会に行ってきました。講師は竹内太郎さん。
今回の受講生は3人。それとセッションコーナーだけの参加者1人でした。

13時前に集まって、とりあえずセッション。
ベルガマスカをネタにC−F−G−Cのコード進行で即興で1人ずつ弾いていく。その他の人はコードで伴奏する。今回は非和声音をなるべく使わないように心がける。ということは、コードが変わった時はそのコードのルート、3度、5度のどれかの音から始めると上手くいきますよ、ってことなんですね。昔と比べると、だんだんできるようになってきたように思う。

レッスン1人目はSAKATANIさん。
焼け跡から発掘されたようなバロックギターです。サンスのパヴァーヌのラスゲアード版とプンテアード版を受講。もういきなり音が良くなってることに驚く。さては家でめっちゃ弾いてるな。ラスゲアード版とプンテアード版を混ぜたり、ミックスタブラチュアっぽく弾いてみることを提案されていた。それができるようになると即興っぽくなってくるんですよね。もう1曲、誰の作曲か忘れたけど4拍子のトルディオン。これも同じく。
しかし、めっちゃ弾けるようになってるな。すごい!

レッスン2人目はKINOSITAさん。
バロック(風?)バイオリンです。バロックバイオリンを買ったと思ったら、実はモダン仕様に近かったらしい。
メロディ楽器があると華やかになるな。やっぱり。
「ディヴィジョン・バイオリン」の中の「スペインのフォリア」で受講されてました。ちょっと伴奏させてもらったけど、メロディが上手いと断然面白くなる。
バロック奏法は最近始めたばかりということで、まず音が大きすぎる、と先生に言われていた。伴奏の音を聴いて、がんばらずにリラックスして弾くと音がガラッと変わる。まさにミラクルですね。帰りに早速、本当のバロックバイオリンを持って帰ってた。素晴らしいです。

ここでレクチャーコーナー。
「ダブルフレットについて」。
これはリュートやギターのフレットを一重に巻くか、二重に巻くかということで、歴史的には二重巻きが一般的であったらしい。昔の絵に描かれているリュートやギターにダブルフレットのものがよく見られるし、リュートの教本にもそう書かれている。
ダブルフレットにすると、コロンコロンした音にはならず、少しのびりつき音が入る。音響的には結構変わるけど、弦高をギリギリまで低くすることができて弾きやすくなるし、チューニングがしやすくなる。これらは実際に試した人しかわからないと思いますが、実に快適ですよ。みんなもやってみよう!

もう1つのレクチャーは「バイオリンについて」。
チェロっていうのは実は新しい楽器でルネサンス/バロック時代にはバスバイオリンが使われていた、っていうことが僕の中では初めて聞いたことでした。あと、モダンバイオリンとバロックバイオリンの違いなど。

最後のレッスンは私、小松です。
前回に引き続き、ルネサンスギターでモレイユの曲集から5曲。
ルネサンスギターに限らないことですが、シャンソンの編曲ものが結構多い。今回は2曲やったけど、原曲がなかなか手に入らない。音源も楽譜も。現代譜に直して編曲ものと和声など比べてみたらいいとアドバイスをいただく。そうそう、それやってなかった。だいたい一緒やな、と見ていただけ。ちゃんとやってみよう。
あと、音楽の作り方がソフトな感じなのが多いのでちょっとハード目にやってみよう、とか。混ぜてできるようになるのがいいんですよね。自分の引き出しを多くしとかなあかんな。

僕のレッスン終わりで、最後に弾いた曲「Conte Clare」のコード進行(C−C−F−G)で再びセッションコーナー。
楽譜見ながら弾くより数十倍頭を使うように思う。僕は手グセで弾いてしまうけど、できれば頭で思ってるフレーズが弾けるようになりたい。

今回は受講生が少なかったので、セッション多めだったのと、やはりレクチャーがあると面白い。いつもよりちょっと長めでした。セッションはできるようになってくるとどんどん面白くなってくる。

打ち上げは、いつもの膳所駅近くの王将でした。

2018年10月25日木曜日

開演前音楽祭

劇団超人予備校の本公演は開演前に音楽祭があります。ミツルギさんセレクトのミュージシャンを日替わりで聴けるというお得なものです。
今回の第14回本公演「ねこすもす」でもありました。
ちょっといいものを聴けたので、その紹介を。

◎1日目は仲山涼太さん。
なんと、クラシックギターです。僕のはなんちゃってクラシックギターなので、クラシックであーる!とは言えませんが、この人はド直球のクラシックです。この公演の数日前に東京のスペインギターコンクールで優勝してましたね。1位なんてなかなか取れるもんではないですよ。超予備と関わって運が向いてきたのかな。
それに、ジャズやポピュラーもできるという、僕が若かった時代にはなかなかいなかったタイプです。

全部で3曲弾かれました。
1、愛のロマンス(映画「禁じられた遊び」より)
2、キャッツアイ
3、アストリアス(アルベニス)

愛のロマンスなんて誰でも知ってる曲ですが、それだけに「ええなあ」と思わせるのは至難の技です。今まで聴いた中で一番良かったかなあ。あ、イエペスの次に良かったかな。
キャッツアイは自分の編曲でしょうか?難しそう。こんなんよう弾けるな。
最後のアストリアスはもともとはピアノ曲。近代スペインの名曲です。これも丁寧に弾かれていて感心。
感情がそこかしこに入る。技術がしっかりしてないとこんな弾き方はできないね。上手いだけじゃない、すごくいいものを持ったギタリストです。

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◎2日目1回目はバナナンボです。
今回6曲やりました。

1、アルペジオ(小沢健二)
2、Short Short Story Vol.105
3、横顔しか知らない(ハンバートハンバート)
4、君の犬(キセル)
5、おかえりなさい(ハンバートハンバート)
6、タイムライン(クラムボン)

うーん、我ながらいい選曲です。あ、「Short Short Story Vol.105」は相方のあぼちゃんが見つけてきてくれました。やっぱりソウル大臣です。あぼちゃんはほとんどミスしなかったけど、僕がだいたい本番でミスするのよね。集中力がないのかな。
今回、新曲が「おかえりなさい」。愛人(自分)の家に決まりが悪そうに戻ってくる男を妻の元に返す、という切ない内容です。去年ぐらいからやりたかったんですが、編曲/構成が思いつかず、今回やっとできました。
◎2日目2回目は「夜のおはなしえん 世界トリ会議」です。
もちろん演奏はバナナンボ。
フラミンゴ登場のシーンで「マンボNo.5」を弾くのですが、今までで一番切れていた。おはなしえんなのにシャープな演奏。バナナンボ、結構上手くなってきたぞ。

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◎3日目1回目は、福井和之さんのシタール演奏。
即興です。しびれましたね。1つ1つのフレーズを数回繰り返して次につないでいく。休みなしで20分弾きました。全然退屈しないどころか、もっと聴きたくなる。2時間ぐらいは大丈夫やな。

◎3日目2回目は、西原希蓉美さん。
言わずと知れた関西小劇場界の歌姫です。お芝居もここ最近は主役が多いですね。
伴奏は僕がやりました。今回、希蓉美さんは超多忙で(いつもですが)、練習を1回しかしておりません。でも新曲を入れました。オリジナルを入れて全部で4曲。

1、夜をみてた(ヤスムロコウイチ)
2、ブラザー軒(高田渡)
3、手袋
4、イタミ

「夜をみてた」が初めての曲でしたね。リハでは「青春の曲やな」っていわれましたが、僕のイメージでは恋するおっさんの歌です。おっさん曲は希蓉美さんに合っていると思っています。
ブラザー軒の主人公はもうちょっと若い感じかな。去年からずっとやっています。
あと2曲はおなじみのオリジナル曲ですね。だいたい憶えました。
そうそう、今回はうべんさんのダンスシーンに横で弾くということになっていまして、
2日目1回目はバナンンボで「One More Cup of Coffee」(Bob Dylan)、
2回目は「蜜蜂の唄」(泊)、
3日目2回目は「天城越え」(石川さゆり)でした。
ベリーダンスでやりにくそうな曲ばかりですみませんでした。その分、面白くなったかなーっと。

今回の開演前音楽祭は僕好みですごく楽しめました。こういうのがあってから本編に行くときにお客さんもリラックスできて、すーっと入っていけますね。
これも超人予備校ならではの企画です。呼んでいただいてありがとうございます。

2018年10月24日水曜日

ねこすもす

劇団超人予備校第14回本公演「ねこすもす」、終わりました。
僕は開演前音楽祭と劇中のダンスシーンに音楽で出演しましたよ。
来ていただいたみなさま、本当にありがとうございました。
開演前音楽祭では、土曜日の「バナナンボ」と「夜のおはなしえん」、日曜日の西原希蓉美さんの伴奏で出ました。おはなしえん以外は新曲も入れたのでちょっと緊張のところもあったけど、まあうまくいったかな。いつもミスしないところでミスしたけど。集中力が足らんのやなー。がんばろうっと。

「ねこすもす」は猫のお話。
「あっち」と「こっち」を行ったり来たりできる猫の飼い主が「こっち」の世界に迷い込んでしまう。「あっち」と大体同じような世界だけど、「こっち」では猫はしゃべることができる。というか人間と言葉でコミュニケーションができる。
飼い主は「あっち」の世界に帰るために、今までの行動を追っていく。猫に助けられながら。そうしながら自分の居場所はどこか、ということに気づいていく。

それと並行して犬のおまわりさんのシーンが挟まれるんだけど、これがおかしくて仕方がない。関西でいうと「駐在さん」シリーズみたいな感じといったらいいかな。
犬のおまわりさんのいる交番にへんな猫達が訪ねてくる。関西小劇場界の怪優ばかりを惜しみなく投入した、爆笑必至のシーンでした。セリフを言い出す前に会場から笑いがおこるくらい。

最後に飼い主は、ネコスモスクエア駅からニャートラムに乗って「あっち」の世界に帰っていく。自分の居場所「根っこ」が「あっち」にあると確信しながら。

今回のおはなしはちょっと地味な感じがしたけど、深いところをついてくるお芝居だった。世界はパラレルワールドになっていて、自分が選んだ世界以外にも自分は生きていて、そこでは別の仕事をしていたり違う生き方をしている。
飼い主が貧乏な画家になっている世界があって、「自分が正解だ、と別の世界の自分に言ってくれ」と猫に伝えるシーンが好き。猫は「飼い主もきっとそう言うよ」って返す。いろいろと自分で決めてきた人はここで泣くんじゃないかな。
今の自分を強く肯定してくれてる、って思うよね。
もう一つ、山倉さんと飼い猫のタンゴが最後に仲良くなるシーンも好きやな。

今回は、カーテンコールも最後のダンスも終わった時点で、おまけがあった。蔓谷さん演じる、「野生にもどれ!」と言ってた猫が、画家に飼われに行くというオチがつけてあった。人間も猫も1人(1匹)でも生きていけそうに思うけど、2人(2匹)やったらなお面白いよ、ということかな。
深い内容のところも深刻にはならないんだよね。さらっと流す。
これまでで一番、観終わった後に幸せ感が残るお芝居でした。
1時間50分があっというま。

観た人しかわからないレポートになってしまったけど、楽しかったっていうことです。
見逃した人は来年に来てみたらいいよ。





2018年10月14日日曜日

キューバ音楽(その6)

えーと。「ねこすもす」関連で少し忙しいんですが、そんな時はやっぱりキューバ音楽です。まだまだCD買ってます。

今回は、
アルセニオ・ロドリゲス「ソン・モントゥーノの王様」
やっとたどりつきました。アルセニオですよ!キューバ音楽の神様みたいな人です。

このディスクでは1940年代の一番活躍した、またキューバ音楽の最盛期の録音を中心に集められています。知ってる曲が出てくるとなんか嬉しい。先に買ったオマーラ・ポルトゥオンドのCDにも入ってた。

アルセニオはトレスという3弦ギターを弾いてる。ソロの時は独特のメロディ感やなと思うけど、作曲した曲はどれもダンサブルないい感じ。トランペットを2本使い出したのがアルセニオのバンドだそうで、なかなかの迫力。歌は歌っていない。

ブエナ・ビスタでのピアニスト、ルベーン・ゴンザレスがアルセニオのバンドにいたときがあったみたい。映画で雇われる時のことを語ってた。目の見えないアルセニオに顔を触られて「おまえはハンサムだ」っていわれたとか。

最盛期の録音なので、出世作の「ブルカ・マニグヮ」が入っていないのがちょっと寂しいけど、何もいうことはない、素晴らしい内容。ボレロに名曲が多い。

次は中古CD屋で発掘。なんと350円!
そんなに中古も出回っていないように思えるんですがね。
アフロ・キューバン・オールスターズ「Distinto, diferente」
 前盤の「これがキューバ音楽だ!」より絶対こっちの方がいい。ビッグバンドのタイトさはそのままで、いいノリが出ている。フアン・デ・マルコス・ゴンサレスが作曲と編曲に関わっていて、バンドリーダーとしての彼の良いところが聴けるいいディスクです。

再び、
アルセニオ・ロドリゲス「キンデンボ」。
これは衝撃ですね。キューバ革命の後の録音です。アメリカでの録音なので亡命したのかな。1963年にアメリカで発売されたらしいのですが、もうキューバ音楽をはるかに超えてしまっている。まず、歌は西アフリカのカラバリ族の言語で歌われているし、トランペットを多く使った演奏が有名だったのだが、このディスクではサックスの音が中心になっている。

今年は結構CDを買ってるな。その分、処分もいっぱいしてるけど。
あと、中村とうよう編集の「キューバ音楽の真実」が欲しい。

2018年10月2日火曜日

10月の予定は「ねこすもす」

10月は一昨年、去年に引き続いて、劇団超人予備校本公演の開演前音楽祭にでますよ。
以下、公演の詳細です。

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超人予備校本公演「ねこすもす」

【日時】
2018年
10 月19 日 (金) 19:30
10 月20 日 (土) 14:30 / 19:30
10 月21 日 (日) 11:00 / 15:30
受付開始、開場は開演の40分前。
全席自由席。(当日受付順での入場)
未就学児の入場はご遠慮願います。
【会場】
in→dependent theatre 1st
〔劇場問合せ先〕
住   所:
  〒556-0005 大阪府大阪市浪速区日本橋5丁目12-4
電   話:06-6635-1777
  (11:00~20:00、基本水曜定休)
【作・演出】
  魔人ハンターミツルギ



【キャスト】
尾松由紀 / 山名伸右 / 魔人ハンターミツルギ
白木原一仁 (プロデュースユニットななめ45°)
うべん / 萬谷真之 / 中村美咲
古場町茉美 (Zsystem) / 殿村ゆたか (Melon Allstars)
北野勇作 (劇団★虚航船団パラメトリックオーケストラ)
森世まゆみ / 月亭文都 / 田口哲
【振付】
白川紀子 / 山田玲子
【スタッフ】
舞台監督:青野守浩 / 照明:葛西健一 / 音響:大西博樹
受付:鉾木章浩 / 撮影:森達行(もみあげフラメンコ)
宣伝美術:阿保知子、まゆぽん / ソウル大臣:アボンボ
web制作:山名伸右 / 制作:超人予備校

♪開演前音楽祭開催♪
(開演前音楽祭の開始時間は開演20分前です。)

19日(金) 19:30…魅惑のギターライブ「仲山涼太」(ギター)
20日(土) 14:30…のほほ~ん音楽隊「バナナンボ」(アコースティックデュオ)
20日(土) 19:30…よるのおはなしえん「せかいトリかいぎ」(お芝居)
21日(日) 11:00…朝からシタール「福井和之」(シタール)
21日(日) 15:30…歌声につつまれて「西原希蓉美 (満月動物園)」(シンガー)

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以上です。

僕が出るのは、
20日(土) 14:30…のほほ~ん音楽隊「バナナンボ」(アコースティックデュオ)
20日(土) 19:30…よるのおはなしえん「せかいトリかいぎ」(お芝居)
21日(日) 15:30…歌声につつまれて「西原希蓉美 (満月動物園)」(シンガー)
の3回です。
ここから予約できますよ。↓↓↓
http://ticket.corich.jp/apply/93835/

僕に言ってくれても大丈夫です。

あ、ちなみに今回のチラシの表紙はバナナンボの相方であり、超予備ではソウル大臣担当のあぼともこさんが描きました。毎回「おはなしえん」の黒板アートを描いているのも彼女です。素敵な鍵盤ハーモニカの音色を聴きに来てください!

予約してねー!

2018年10月1日月曜日

キューバ音楽(その5)

もう10月だー!
またか!と思われるかもしれませんがキューバ音楽です。もうやめられない!

ライスレコードというレーベルがありまして、決定版をいっぱいリリースしてくれています。前回紹介した「アフロ・キューバンの魔術師」ミゲリート・バルデースもライスレコードから出ていました。あ、ライスレコードは日本のレーベルですよ。過去のワールドミュージックに強いのです。

今回は、これだ!
「オリエンテの吟遊詩人たち」トリオ・マタモロス。(ライスレコード)
いかにもラテンです、といたようなジャケットですねえ。ライスレコードのジャケットはどれも、ダサさが粋な感じに見えるようになってますね。見た初めは笑ってしまうようなジャケットなのに、見慣れてくるとカッコイイと思うようになって、思わず買ってしまうのですよ。

内容は、これまたいいですよ。戦前の1928年から1950年代までの録音をほぼ年代順に収録してある。前半の録音はクラシックギターとクラーベの伴奏で歌ってます。だんだんとサポートメンバーを入れての録音が増えて行く。どれも素朴な印象を受けますが、歌は2声になってて歌の合間にはギターソロの部分もあったりして、実はなかなかの洗練具合。アメリカと仲よかった時代にはニューヨーク録音なんてのもある。
見つけたら「買い」です。

それと、ちょっと前に見つけてた激安CD。
「RELAXIN' CUBA  CUBA MUSIC THE MASTER」
これは2枚組で1200円。いろんなミュージシャンの曲がごちゃまぜに入れてある。コンパイ・セグンド、コンパイ、ロス・コンパドレス、アルセニオ・ロドリゲス、ペレス・プラード、ベニー・モレ、それにミゲリート・バルデースも居る!他にも知らないけど有名っぽい人がたくさん。
本屋の前で売ってる類のものかなと思ったけど中身は結構いいです。これも見つけたら「買い」ですが、ミュージシャンや曲の説明は一切ありません。音源は誰かのレコードやと思います。途中で針飛びしているのをそのまま収録してるのもありました。
南国風のカフェでかかっててほしい。