2018年6月20日水曜日

晴読雨読

6月はギターを教える事以外、目立った活動をしていない。
だいたい本を読んでた。でも、内容は地味ながらすこぶる面白かった。

まず、ボッカッチョの「デカメロン」読了。
こんな面白いものを読んだのは久しぶり。電車で読んでてて、もう終わりそうになったときは寂しさがこみ上げてくるほど。
上巻と中巻はエロ小説的な内容が多かったけど、下巻の最後の最期、第10日目にいい話を固めてある。なので、結構文学的やなーって勘違いしそうになるけど、そんなことはないよ。ちゃんと覚えてる。

でも、エロ的な内容(官能小説ではないよ)が活き活きとしていて感動すら覚えます。
女嫌いの夫が、妻の連れ込んだ若い男を見つけて激怒するが、妻の方から「あんたが私の相手をしないからだよ」と言い返されて、最後は3人で寝てめでたしめでたし、って話があったけど、こんなの微妙な話やけど面白い。随分と思い切った内容やと思う。
こういう話が多いのに世界的文学作品といわれてるのも痛快な感じがする。

それと並行して読んでたのがカスティリオーネ「宮廷人」。これも読了。
「デカメロン」と違ってお上品な本でした。
 

図書館で借りてきた。書庫から取り出してもらったのだけど、広辞苑かと間違うほどの分厚さに驚愕。おまけに定価(1万6千円)にも驚愕。鬼ころし160パック分。1日3パック飲んでも1ヶ月半ぐらいもつ。胃がもたないかも。
家で寝転がって読むのに苦労した。

すべて宮廷での会話となっている。
第1章では、宮廷人は武人であることが第一であるが、文学や音楽の教養もいるよ、ということが書かれており、気取りと自惚れは慎みなさい、って感じです。「こんなん読んだでー」ってブログなどに書くのはいかがなものか?って言われてるような気がする。
第2章では、ダンスや音楽のこと、会話、話し振りについて議論がされる。自分から「弾かせてー」「歌わせてー」って言うのははしたないので、「やってやって!」っていわれて「しゃあないなあ」って言いながら完璧にやってみせたらかっこいいぞ!っていうことが書かれてあった。そらそうやろ。いつでもそうしたいわ。後半は「笑い」を分析していて興味深い。でもルネサンスギャグは面白いのかどうかよくわからないことも多い。
第3章では、宮廷の女の人の振る舞いについて。メディチ家のジュリアーノ(レオ10世の弟)が語る。ジュリアーノは色男。
第4章は、君主との関係や、どういう風に君主を教育していくか、など。後半はピエトロ・ベンボが、中高年の恋愛について話し始めたら、なぜかヒートアップして、天上の愛について熱く語って終わっている。お前は神か。

分厚いわりになかなかの読みやすさです。ルネサンス時代の宮廷の様子がよくわかりますよ。皆様もいかがですか?

そうそう、ルネサンスダンスについても調べている。16世紀のダンス指南書、トワノ・アルボー著「オルケゾグラフィ」は原典はダウンロードで持ってるけど、フランス語は読めない。
それで英語版を入手して読んでる。実際に踊るわけじゃないけど、ダンスの内容は知っておきたいもんね。でもこれが手強い。英語に弱いということもあるけど、わからないことだらけです。いつなったら読み終えられるのやら。

ルネサンスのリュート曲など、舞曲がいっぱいあるけど、いまいち、どこに気をつければいいかわからない。テンポをどうするかとか、ほんとにこんな難しい曲で踊ってたの?とか。
古典ダンスの研究者に聞いたり、いろいろな本を読んで知ったけど、16世紀初頭に楽譜出版ブームが起こり、シャンソンの譜面がいっぱい出版されている。その旋律で舞曲にしているものも結構あるとのこと。楽譜としては旋律だけだったりしてもある楽器で即興で合わせてたらしい。うーん。そんなことが可能なのかな。今の僕ではできないけど、できるようになりたいのですよ。


2018年6月15日金曜日

再びライ・クーダー

CDを買いに外へでる。

この前から気になってるライ・クーダー。
ネットでいろいろ調べてみるとデビューからの3作がいいらしい。アメリカの昔の曲を調べて録音してるって。お金がないので中古レコード屋で探す。
今回手に入れたのは2作目「Into The Purple Valley(紫の峡谷)」。
ヘビィメタルかなと思う「紫の・・・」タイトルですが、全然そんなことなかったです。カントリーブルース的な曲ばかり。ウディ・ガスリーの曲もやってる。地味やけどこんなCDが欲しかったんです!みんな知ってたら教えて。
聴き進むといい曲ばかり。アルバムとしての統一感もある。名盤ですな。
この前、新譜「The Prodigal Son」買ったときにヴァン・ダイク・パークスを思い出してた。ちょっと違うけどどちらもアメリカの昔の音楽に詳しいんやなー、と。って思ってたら、「Into The Purple Valley」にはピアノでヴァン・ダイク・パークスが参加してる。あーつながったなーって思いましたね。

前期昔のアメリカ三部作の中で、なんでこのCDを買ったかっていうと1972年リリースは名盤が多いんですよ。
ちょっと調べても、ディープパープル「Machine Head」、ドクタージョン「Gumbo」、ダニーハサウェイ「LIVE!」、マイルスデイヴィス「On The Corner」、グラントグリーン「Live at the Lighthouse」、スティービーワンダー「Talking book」といくらでも出てくる。
じゃあ、買ってしまおうと。中古やけどな。

11枚組のBOXセットもあって4千円ちょっとなんで、それもええなーと思ったけど、1枚ずつ買い揃えるウキウキ感もいいんですよね。

このブーム、しばらく続くかな。

2018年6月5日火曜日

ライ・クーダー

ライ・クーダーの新譜がいい。
「The Prodigal Son」。日本語にすると放蕩息子?
とても他人事とは思えなくて買った。←ウソです。
ライ・クーダーを買ったのはほんと久しぶり。
前に買ったのは「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」。
結構昔ですね。90年代終わり頃かな。キューバとアメリカが国交断絶してた頃に、キューバの超ベテランミュージシャンとのセッションを記録した映画のサントラですね
(これ、間違ってました。レコード/CDの方が先で、映画が後でした。)
当時で90歳の人とかいたから、もうこの世にいないかも。
サルサぐらいしか知らなかったキューバ音楽を全世界に紹介したことで世俗音楽ファンには重要なアルバムでした。

今回の新譜「The Prodigal Son」は、ドラマーである息子との共同プロデュース。
全体にわたってカントリー/ブルース風な曲が多いかな。派手な曲はないけど、真ん中ぐらいから得意のスライドギターを存分に堪能できる。中盤から静かな感じになってくる印象を受ける。聴きどころがこの辺か。

まだ、1曲1曲はよく聴きこまないとわからないけど「You must unload」が好き。F調のフォークブルース。
年を経てくるとこういうCDが有り難いと思うようになるんですよね。
もうちょっと聴き込もう。

2018年6月1日金曜日

シャンソン

ルネサンス時代、ダンス音楽は、シャンソンのメロディに即興で伴奏つけて弾いたそうである。そんなことすぐにできるのかな。曲を知ってたらなんとなくできる時もあるか。「もしもしカメよ」とか「ももたろう」とかやったら出来るかも。

そういえば、ル・ロワのルネサンスギターの曲集の第2集がそれに近いことやってる。
シャンソンのメロディが左ページに載ってて、それのルネサンスギターの伴奏(というか編曲)が右ページに載ってる。
ジェームズ・タイラーさんの書いた「The Guitar and its Music」によると、この曲集のほとんどはル・ロワが書いた曲らしい。この曲もそうなのかな。でも単旋律?
(後で気づいたのだが、The Guitar and its Musicにこの曲が例で載っていて、セルトンの書いたシャンソンだ、ということでした。2018/6/29)

例えば、これ。

メロディがわかりやすい。「ドーラシ、ドドレード、シドラー、シーー」みたいな。

ルネサンスギターの伴奏はこう。

パヴァーヌってかいてある。
はじめに弾いた時、「ドーラシ」が1小節目だとなんとなく思ってたけど、それだとコードが合わない。よくみると「ドーラシ」で2小節使ってるね。1小節目のコードはC。2小節目はF−G。これならメロディと一致する。

でも、これのテンポはどうとったらいいのだろう?
「ドーラシ」をゆっくり目にとっても伴奏は結構テンポ速くなってしまう。チャンチャチャ/チャチャチャチャみたいになってまうよ。ん?なに言ってるかわからんって?

ギター伴奏を「チャーーン、チャン、チャン/チャン、チャン、チャン、チャン」ってパヴァーヌ風にゆっくりとると、歌がめちゃくちゃゆっくりになるけどええんかな。

ギターだけやったら、迷わずそうするところやけど。