2017年10月29日日曜日

古楽講習会 in 新大阪レポート

すっかり古楽から足を洗ったと思われているかもしれませんが、ちゃんとやってるんですよ、古楽。
行ってきました、「古楽講習会 in 新大阪」。講師はおなじみ、竹内太郎先生。
今回はびわ湖ホールが取れなかったので新大阪ココプラザにて開催。いやー、この季節、文化祭や秋のコンサートが多いので、あんまり練習場所が空いていないんですよねー。

今回の受講者は僕を含めて4人。
1人目、Takemotoさん。
 ダル・アクィラとダ・ミラノのリチェルカーレ。どちらも弾いたことがあるので、僕には興味深い選曲。ダ・ミラノの楽譜は右手の運指も書いてある。冒頭部分で2拍目、強拍のはずなのに指定は人差し指。このことによって歌っているようなメロディラインが考えられるとのこと。はー、こんなこと考えてなかったなー。
はじめは硬めだった弾き方が、先生のアドバイスによって、見違えるように変化していく。もともとよく弾ける人なのですが、数年前に聴いたのとは全然違うレベルにいってる。すごくいい演奏でした。

2人目は僕。
ロベール・バラールの1611年の曲集から「Entree」「Ballet」「Volte」「Angelique」の4曲。全部ハ長調に統一しました。音楽の流れから意外に思われるバスが、前の小説の「ド」から繋がってるんやね、って言われたとたんに、こうやったらいけるな、とわかる。そんなに難しくない曲やと、いろいろと自分でやれることがあるけど、的確なアドバイスはさらに向こう側を見せてくれる。

3人目はSakataniさん。
ロビンソンの「メリーメランコリー」と、ナルバエスの「牛を見張れ変奏曲」。ロビンソンのは知らない曲だったけど、いい曲。ちょっと難しいけど、これもはじめは硬めだった演奏が、フレーズとカデンツの整理をしただけで、ものすごくよくなった。この人も聴くたびによくなっていってる。古楽以外の話もできるのでありがたいなー。

ここで、セッションコーナー。
「牛を見張れ変奏曲」のコード進行でインプロして遊ぶ。なかなか、みんないい感じにできるなー。Isohataさんのテオルボの低音ソロがヤバかった。かっこよすぎる!

4人目はそのIsohataさん。
関西古楽界ではおなじみすぎるIsohataさん、ジャーマンテオルボのでかいやつを手に入れてた。「こんなん持ってるの日本であんただけやで」って言われるぐらい珍しい楽器。
普通使われているテオルボは単弦ですが、これは上の方は復弦になってる。歴史的にはこれが正しいらしい。
モンテヴェルディの、聴いたことある曲をやってた。途中からチャコーナ(シャコンヌ)になる。先生の解説によると、チャコーナは戦争の要素があるとのこと。戦意高揚ってことか。なかなかそんな風に聞こえないけど、当時はそういうことが常識だったんですね。
演奏もいい感じ。やっぱり低音があるといいね。

今回も面白くて興味深い講習会になりました。
フレーズの取り方やカデンツでは音を収めること、難しいところでは急がずにテンポを少し緩める、そんなことを実践していくだけで音楽が自然になっていく。
みんな、もともと、そういう感じは知っているので、それを覆っている壁を壊していくだけで良くなっていくんですね。ほんと魔法を見ているようでしたが、誰でもできることなのです。

2017年10月15日日曜日

狂夏の市場

とらのあな杮落とし企画「狂夏の市場 × 怪獣市場」の10月公演「炯々の夏」上映会に呼んでもらいまして、ミニライブをしてきましたよ。最近おなじみの西原希蓉美さんの伴奏です。

「とらのあな」は近くの尼崎toraというライブハウスに出るときに控え室として使ってた場所。尼崎の三和市場にあります。
この場所っていいなーと思うのは、三和商店街の人達のバックアップがしっかりしてるな、ということです。いつも上手くいってるかどうかを気にかけてくれていて、すごくフレンドリーに接してくれます。

「狂夏の市場」とは仏団観音びらき(劇団です)に所属している岩切千穂さんの一人ユニット。関西小劇場の売れっ子の俳優さんを招いて、毎月公演を「とらのあな」でやっています。なかなか気合入っていますよ。毎月するなんて。僕は7月の「鳥女」を観たのですが、かなりの面白さ。定員30人の2回公演ですが毎回満席になるぐらい。

で、今回は映画「炯々の夏」上映会。いつもの雰囲気とは違います。お客さんも少なめ。
ちょっと映画に興味持ってもらうのは難しいやろなー。僕も正直、期待はしていなかった。
映画「炯々の夏」は、監督は高木佑也さん。全編東広島の豊栄ロケで、地元の高校生やそこに住んでいる人たちで映画を作るという企画で、地元の人たちを中心に、俳優の滝沢悠平さん、西原希蓉美さん、岩切千穂さんも出演している。地元の人たちは、もともと役者じゃないので、棒読み的なところはあったけどこれがなかなか面白かった。

豊栄から大阪に帰るという滝川先生(西原さん)を引き止めるために、高校生3人が活躍するというお話し。生物担当の成田先生(滝沢さん)が滝川先生が好きだということで、2人をくっつけて引き止める作戦で、イケていない成田先生の改造をいろいろとするが、うまくいかない。滝川先生が出発してから、成田先生の想いを伝えるために、を滝川先生に会わせようとみんなで力を合わせる。

この辺から映画が断然面白くなってきて、最後に泣けるシーンが!
途中で滝川先生が蛇の脱皮と蝉の脱皮を見物するシーンがあるけど、いろんなことからの脱皮をテーマの1つにしているのかな。見終わった後の感じは爽やかなものでしたよ。

その後は、西原 with 小松でライブ。セットリストは次のとおり。

1、アカシアの雨がやむとき
2、月かくれんぼ(13日のみ)
3、わたしの未来(映画オープニング曲)
4、プカプカ
5、手ぶくろ
6、イタミ
1日目はプカプカのスキャットのあたりで崩壊寸前。お互いが相手の間違いにつられてふにゃふにゃになるという。いけませんね。伴奏はもっとしっかりしないと。
2日目は「わたしの未来」でちょっとウロウロしたけどそれ以外はいい感じ。ピシッと締まった「イタミ」を聴いてもらうことができました。「月かくれんぼ」もよい出来でした。こんな感じでこれからもやりたいですね。

2017年10月5日木曜日

CD買ってしまうな

ちょっと梅田近辺に出かけたらタワーレコードに寄り道。
やっぱりCDを買ってしまう。

1枚目はヴァン・モリソンの新譜「roll with the punches」。

そういえば去年も今頃だったかな、新譜が出たの。ヴァン・モリソンっていくつや?もう70超えてるんとちゃうかな。それなのに新譜をいっぱい出してるな。デビューしたての人みたいに精力的。
今回はリズム&ブルース色が濃い。共演者も豪華。なんとジェフ・ベックがギター弾いてる。ジェフ・ベックのフージョンっぽいやつはあんまり好きじゃないけど、こういうブルースものはかっこいい。
もう毎日聴いてる。

2枚目はボブ・ディラン「BLONDE ON BLONDE」。

これは昔持ってたけど、あんまり聴かなかったので売ってしまった。でも、また聴きたくなって買ってしまった。まあ、1000円やしな。
1000円なので意外な感じがするけど、LPで売り出された当時は2枚組だったらしい。60年代のディランは攻めてますねー。2作目ぐらいから出すたびにヒット、それからエレキギターに持ち替えて「追憶のハイウエイ」の「Like a Rolling Stone」が大ヒット、これはその後のアルバムでディラン最高傑作といわれているらしい。昔にピンときてなかったので「ほんと?」って感じだったけど、聴いてみて納得。昔の僕を叱ってやりたいわ。
そういえば、吉田拓郎の「春だったね」はディランの「メンフィス ブルース アゲイン」を基にしているらしい。コード進行がそっくりです。それに歌い方も、フレーズの最後を下げ気味に歌うなど、ディランの真似をしているみたいですね。当時に聴いた時には気がつかなかったけど。
とにかく、わかりやすいメロディが多くて、ヒットを狙ってるぞ、というようなものもあるし、いつものディランのようなのもあるし、聴き飽きない。

買うときにレジで、「クーポン見せてくれたらポイント10倍になります」って言われたけど、携帯変えててクーポン見れない。カード見せてるのにクーポン見せる必要あるか?それとキャンペーン外の土日とかで「1万円以上買ったらポイント15倍」ってハードル高すぎないかな。僕、結構タワーで買ってると思うけど、そんなに買えない。
お得感が全くないんやけど。どうにかして。

2017年10月2日月曜日

秋は観たいお芝居やライブが多いな

東京から帰ってきて遊びまくってる。
秋は観たいお芝居やライブが多いな。それも9月後半から10月初めにかたまってる。

9月28日は劇団どこんご「愛より速く FINAL」。今年は大阪城公園ではなく扇町公園。
今年もどくんごの季節かー、と季節を感じるまでになっているな。お芝居の内容は全然季節感ないんですけどね。毎年の通り面白かった。今年は特にオープニングからのスピード感が増しているように思う。そうそう、そんな感じで観たかったのよ、っていうね。
30日は劇団セルフキートン旗揚げ21周年「HALF BOILED」。
「友よ、あばよ」と「Aプロジェクト」の二本立てです。セルフキートンは観るの初めてだったけど、40歳〜50歳ぐらいの人は非常に楽しめたんじゃないかな。わかりにくいギャグもあったけど、ジャッキーチェンの映画とか、よくテレビでやってた。そう、テレビ世代向け。でもアクションなんかちゃんとやってて、それがあるからギャグが面白いのかな。個人的には「友よ、あばよ」の山さんのシーンが好き。
セルフキートン観てからKING&HEAVYを当日券で行こかなと思ってたけど、アフターイベントまで見たんで時間がなくなった。それで急遽、天満宮近くの音凪でのライブを観に行った。
「トラディショナルの夕べ」。
出演はアコーディオンの吉田さん、ギター、マンドリン、バグパイプの原口さん、歌の津山さんの3人。ややこしくて速いメロディーを簡単そうに弾いてた。
吉田さん、原口さんはアイリッシュ系トラッドを日本で最初にやり始めた人達です。まだインターネットなんかない時代。アイルランドまで出かけて、雑誌とレコード買って調べていたそうです。すごいですね。津山さんだけトラッド系の人ではないけど、2人との相性は抜群。場の盛り上げ方とか心得てる。
あー、いいもの聴いたな。
さて10月の初めはKING&HEAVY「バグリンファイブ」。
去年、超予備が12周年記念公演をやった、HEPホールです。
これはもうお見事!というしかないな。こんなに騙されて嬉しいのは演劇ならではなんですかねー。宇宙船の中で2人が目覚めて、どちらかが殺人犯で、どちらかが護送中の刑事。二人とも記憶を失ってて、どっちがどっちかわからない、ってとんでもない設定から始まるのですが、途中で「あれ?今のお芝居?」って感じになって、劇中劇がそこから展開される。そのあたりから畳み掛けるように笑いが続く。
引きこもりの息子と、その親の物語だと気づくまでどんだけ引っ張ってんやろう。最後にカーテンコール的な(そこも劇中劇の中)ところがあって、おじおじする父に代わって息子が客席に向かって「ありがとうございました!」とはっきり言う。なんとそこで初めて泣けるのである。そこで初めて希望が感じられるようになっている。こんなん初めてやー。
このお芝居の脚本と演出とお父さん役の川下大洋さん、おじおじするお父さんの役がすごく良かったし、最後のカーテンコールの時に言ってたのですが、こんなところに着地するってのは最後までわからなかった、って。稽古場では役者の意見をいろいろ聞いていたそう。いい現場だと、そういう、みんなで作ってる感じになるんですかね。
ほんと、脇役も西原希蓉美さんはじめ、いい役者ばかり。

10月の初めはいいスタートになりました。