2018年3月28日水曜日

神曲(煉獄篇)

ダンテの神曲(地獄篇)を読み終わった。
悲惨なことを期待してたけど、案外そうでもなかったかな。まあ、地獄の人は悲惨な目にあってるんはかわりないけど。源信の往生要集の地獄の方が悲惨かもしれない。

ちょっとびっくりしたのは、地獄はエルサレムの地下深く地球の中心にあって、そこまでいくと上と下が入れ替わり、南半球に出て、地獄を脱出したこと。なかなか書いてることが実際的。想像の世界と現実の世界が入り交じってる。

で、次は当然、煉獄篇です。

今日、冒頭の2章まで読んだけど、地獄篇とうって変わって、美しい描写が増える。
今までと全然違います。もう天国に行ったのかなー?って錯覚してしまうくらい違う。今までのいやーな世界からやっと出てきた感じ、よくわかりますよ。僕が脱サラした時の感覚とよく似てる。

サラリーマン世界という名の奴隷世界はいいことなんてないのです。良かれと思ってやったことも誰かの悪いことになってしまう。それがまた自分に対して嫌なことの種になっていく。

そんなところを脱出したときの爽快感っていったらなかったね。そういう爽快感が始めの章で感じられるのです。

天使が船でやってきて、友人が歌を歌う、っていうのもいい感じ。14世紀の歌を想像する。ルネサンスの華やかさまではあとちょっと。

2018年3月17日土曜日

メディチ家の祝祭と虹のまち

飲み会の為、梅田に出たついでにディスクユニオンに行く。
結構、古楽が充実しているな。
で、買ったのは、

「UNA<STRAVAGANZA> DEI MEDICI  Intermedi(1589) per <La pellegrina> 」(メディチ家の祝祭)タヴァナーコンソート/アンドリュー・パロット
帰ってからライナーノーツを読んでみた。
フェルディナンド1世

メディチ家の2度目の繁栄時期です。ロレンツォ・イル・マニフィコの時代から100年ほど後。トスカーナ大公になったフェルディナンド1世がフランスのヴァロア朝のクリスティーヌ・ド・ロレーヌ(カトリーヌ・ド・メディシスの孫)と結婚し、そのお祝いに大宴会を催したらしい。
そのときにお芝居「La pellegrina(ラ・ペレグリーナ」を上演し、幕間に音楽劇(Intermedi)をやった。それがこのCDの中身です。1591年に出版もされているので楽譜も手に入りますよ。スコアになってないのでめちゃめちゃ見にくいですが。

1980年代の録音。ロンドンのアビーロードスタジオだって。





最近、カンフェス(観劇三昧がやってるネットでの劇団東西バトル)に超人予備校が舞道ダンスシアターとのコラボ作品を出していて、そのタイトルが「EXTRAVAGANZA3 にじのまち」。EXTRAVAGANZA、STRAVAGANZAに反応したっちゅうことかな。

「EXTRAVAGANZA3 にじのまち」はニランジャン率いる舞道ダンスシアターの発表会として企画されました。ダンスの間に劇団超人予備校のお芝居が挟まっているというYMOのディスク(サーヴィス)みたいな構成。発表会どころか立派な舞台に仕上がっています。
なんで泣けるのかが、未だにわからないところがあります。最後のシーンなんですが、泣くポイントはないようなのに毎回泣いてしまうのです。
舞道ダンスシアターは今はもうありません。ニランジャンがハワイに移住したので、この公演をもって解散となったのです。
今、観劇三昧の無料会員(ライト会員)になると、タダで観れますよ。3月いっぱい。
観なきゃ損です。僕は4回も観ました。(←暇なんすよ)
超おすすめです。

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2018年3月9日金曜日

宮廷人

「メディチ家」を読み進めてると、カスティリオーネの「宮廷人」(IL LIBRO DEL CORTEGIANO  1528年ヴェネツィアで出版)という本の話が出てきた。その本の中にジュリアーノ(ヌムール公)が完璧な宮廷人として書かれているという。ジュリアーノが亡命中、ウルビーノの宮廷に招かれたことがあって、その時に会っていたらしい。

ジュリアーノはロレンツォ・イル・マニフィコの三男。
かなりの男前ですな。カメラ目線(画家目線か?)。
着てる服も前時代のコジモやロレンツォと違っておしゃれになってる。赤い服はやっぱり着てるけど丸首ではなくてちょっと前が開いている。帽子も斜めにかぶってみたりなんかしちゃったりして。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」を注文したのは彼だと言われている。

ロレンツォは、長男ピエロは「愚か者」、次男ジョバンニは「賢い」、三男ジュリアーノは「心優しい」と言っていたという。


愚か者のピエロの顔も結構いい感じ。アホっぽい。(失礼!)
まあ、愛嬌のある顔してるよね。冗談ばっかり言いながらも(※知らんけど)権力好きだったみたいです。
(※冗談ばっかり言ってたというのは、このお笑い芸人風の風貌からの僕の想像です。そんなこと書いた本は一切ありません。)

でも政治はあんまり得意ではなかったようで、フィレンツェを追い出されます。





で、フィレンツェを取り戻すのが次男ジョバンニ。やっぱり賢いってことか。
賢いついでにローマ教皇(レオ10世)にまでなっている。

恰幅よさげでちょっと偉そう。













で、カスティリオーネの「宮廷人」、たしかそんなCD持ってたよなー、と思って探してみたところ、ありました。

「CASTIGLIONE  IL LIBRO DEL CORTEGIANO」Doulce Memoire
タイトルもそのまま。
CDジャケットはカメラ目線(画家目線)のカスティリオーネ。
演奏はドゥルス・メモワール。このグループ、全然知らなかったけどルネサンス音楽では有名なのかな?
リュートはパスカル・ボケ。この人はリュート弾きなら知ってる。
「Doulce Memoire」ってピエール・サンドランの「甘い思い出」ですよね。乙女チックなグループ名です。

オッタヴィアーノ・ペトルッチの出版したいろんな曲集からの曲が多い。スピナチーノの「Intabulatura de Lauto Libro Primo」もペトルッチ出版やったんや。

買った時はたぶんピンときてなかったな。知識をちょっとでも入れたら全然聴き方が変わりましたね。今、聴き返してみるとすごくいい感じ。

しばらく寝る時に聴くかな。

2018年3月7日水曜日

神曲(地獄篇)

「カンタベリー物語」が見当たらない。買ってたはずなのに。売ってしもたかな?

カンタベリーの作者、チョーサーはイングランドの詩人。ボッカッチョの「デカメロン」を読んでたという。真面目な騎士道の話とエロ/滑稽話がいっぱい出てくる。割と下世話感満載です。いい話はあんまり覚えてないな。

「デカメロン」が長らく文庫版が売ってなかったけど、最近、河出文庫から新訳が出ている。買ってみようかなー、と思ったけど上中下巻と3冊もあるので、なかなか勇気がいるのです。

同じ河出文庫から数年前にダンテの「神曲」が発売されてた。
それも地獄篇、煉獄篇、天国篇の3冊あるけど、活字ビッシリではないので読みやすい。文章も難解さはなくて、ギリシャ時代の詩人のこととか何も知らなくても注釈がいちいちあるのでわかりやすい。
買うのはとりあえずこっちにしとこう。まだ「メディチ家」の本、読み終わってないけど。興味がわいたら、その辺りの本を買い漁る癖がある。複数同時読み。現在3冊プラス2冊同時進行。うひゃー。読めるのかな。まあ、暇やしな。

ダンテ

ダンテはフィレンツェの詩人・哲学者・政治家。ボッカッチョもフィレンツェの詩人やね。中世といわれている14世紀に書かれた「神曲」は、ギリシア時代の詩人を登場させ人間中心の文化「ルネサンス」の始まりと言われている。

ダンテは「神曲」の中で、天国にいるベアトリーチェから頼まれたウェルギリウスを案内人にして地獄を巡っていく。
ベアトリーチェっていうのは実際にいた人のようで、9歳のダンテは一目惚れしたらしい。でも一緒になることはかなわず、こんなに自分で本にまでしている。結構、未練タラタラやな。

読み進めてみると、これはかなり面白い。地獄の1つ1つで、その地獄に落ちた人達、ダンテが本で読んで知っていた過去の人達に会って話を聞いていく。それにウェルギリウスが解説を加える。キリスト教に則っているフリをしながら、自分の思うことを語っていくようにも思える。

これを読んでて思い出したけど、榎本健一の曲に「ベアトリ姉ちゃん」というのがあった。ベアトリーチェのことか?ちょっと持ってるCDを調べてみると「喜歌劇ボッカチオ」の中の1曲らしい。スッペ作曲って。ネットで調べてみると、ダンテとは関係なかった。なあんだ。

でも大正時代に中世/ルネサンス時代を扱った舞台を日本で上演してたんやな。エノケンが出てるんやから喜劇か。
そういえば「神曲」ってう偉そうな日本語タイトルは森鴎外がつけたタイトルらしい。ダンテ自身は「喜劇」って言ってたそう。「悲劇」じゃないし読みやすいよ、っていうことみたい。
「神曲」、全然堅苦しくないし、お薦めです!(まだ全部読んでないけど)

2018年3月5日月曜日

メディチ家

「おはなしえん」の台本をまだもらってない。なんか気ばかり焦るけど、その間に好きな曲の音を取ったり編曲したりするのは楽しいのですよ。束の間の幸せ。

「メディチ家」という本を読んでいる。森田義之著。


音楽の15世紀、16世紀は好んでよく聴いてるけど、その時代のことって全然知らんなー、と思ったのが発端でいろいろ買ってみようと。
この本はタイトル通り、メディチ家の起源、どこのあたりの出身と考えられるのか、とか、紋章の由来は?などから始まって、15〜16世紀の「黄金時代」、その後の衰退と滅亡まで(18世紀)までが書かれている。

今、途中まで読んでるけど、かなり面白い。

どうも先祖は医者か薬屋だったのではないか、というのが定説らしいです。それで紋章には丸薬が描かれているとか。

なんか毒々しい色ですね。
かなり危険な薬???

13、14世紀のフィレンツェは、なんと自由都市だったのですね。初めて知った!貴族や王が統治するのでなく、一般市民が中心となって政治を取り仕切っていたとのこと。日本では16世紀の堺が近い状態なのかな。




そんなフィレンツェで銀行(まあ、高利貸しです)をしていたジョバンニ・デ・ビッチ(1360-1429)(写真左)が政治に関わるようになってきます。
ジョバンニは敵を作らない実直な性格の銀行家であったので、味方を多く作ることができたようです。

この絵は人相は良くないですね。
宮沢賢治の銀河鉄道の夜に出てくるジョバンニとは違いますね。絶対。







その息子、コジモ・イル・ヴェッキオ(1434-64)(写真右)。
彼の時代にメディチ家のフィレンツェ支配が確立します。選挙を操作したりして親メディチ家の者が実権を握るように仕向け、政敵を追い出し、メディチ家の覇権が確立。
ずばぬけた政治的才覚を持つコジモは、高い人文学的教養をも持っていた。
この頃からメディチ家の精力的なパトロン活動が行われて、今までのパトロネージから少し変わって、建築以外にも、写本を収集して図書館を作ったりします。


コジモの孫、ロレンツォ・イル・マニフィコ(1449-92)の時代には、ミケランジェロ、ボッティチェリ、ダ・ヴィンチなど絵画・彫刻の分野にもお金を注ぎ込みます。
あ、いや、この時代には実はお金はあんまり残っていなかったようで、制作を依頼したけど未払いになっているものが大量にあったそうです。もう銀行業はうまくいってなかったのですね。

詩人でもあったロレンツォは自分で詩を書き、歌っていたらしい。
この本には音楽のことは少ししか書かれていないけど、オルガン奏者アントニオ・スクァルチャルーピ(デュファイの同僚だったとwikiに書いてある!)から音楽を習っていたとのこと。この人の名前、知らんかった。

あと、ハインリヒ・イザークも1484年頃フィレンツェに来て、ロレンツォに仕え、ロレンツォの息子に音楽を教えたり、祭礼の為の曲を多数書いたという。(マンロウ「ネーデルラント楽派の音楽」ライナーノーツより)

(東方三博士の旅/ベノッツォ・ゴッツォリ作 メディチ家の人々が描かれている)

フィレンツェでのメディチ家の黄金時代といわれてるロレンツォの時代は15世紀だったんですね。音楽で15世紀というとデュファイとバンショワが浮かぶけど、ジョスカンやイザーク、オケゲムはちょっとだけ後の15世紀後半ぐらいなんやね。

本を読んだことで歴史認識がちょっと修正されました。
日本の古楽愛好家に足りないのは世界史の認識具合ですな。まあ詳しい人もいますけどね。学者さんとか。僕みたいなへなちょこギタリストはもうちょっと本読まなあかんな。