2016年12月22日木曜日

みつカネかい?のくりスマスかい?

今年はイベントによく出演した年でした。
音楽だけというのは少なくて、朗読の後ろで楽器を鳴らすというのが多かった。選曲は任せてもらえることが多かったし、月1回はなにかしら出番があったので、楽譜書いたり練習したり、忙しくも楽しい毎日でした。出番が多いと、なんか、なんでも出来るような気がしてくるから不思議です。ありがたや。

さて12月、今年最後のイベントは、3月の「本読みの遠足」の続きのような朗読イベントです。

「みつカネかい?のくりスマスかい?」
日時:2016年12月 24日 (土) 15:00〜/12月 25日 (日) 15:00〜
公演時間:40分程度
料金:投げ銭
会場:やままちギャラリー内 特設和室
〒542-0061 大阪市中央区安堂寺町1-6-16
地下鉄谷町線 谷町六丁目駅6番出口より北東約1分

出演:
魔人ハンターミツルギ(ミツかね堂)
ふくいあかね(ミツかね堂)
甲斐祐子(「本読みの時間」)

演奏:小松一也(バナナ部)
おやつ:イケやん








僕はギターを弾きます。今、猛練習中。
もちろんクリスマスにちなんだ内容です。きっと面白いと思いますよ。
イケやんのおやつも楽しみです! 乞うご期待!!!

2016年12月18日日曜日

デュファイとバンショワ

長年欲しかったけど手に入れられなかったディスクが手に入った。




アンサンブル・ジル・バンショワ
「デュファイ/バンショワ(ブルゴーニュシャンソン集)」








いろいろと古楽のCDを物色していた2000年代に「古楽CD100選」という本で知った、アンサンブル・ジル・バンショワはフランスの合唱グループ。ドミニク・ヴェラールがディレクター。いろいろ聴いてみたところ中世/初期ルネサンスのディスクがとても良い。

このディスクはフランスのハーモニックレコードというマイナーレーベルから出ている。このレーベル、すぐに入手困難となることで有名らしい。倒産したわけではなさそうだ。

このディスクは1987年に出ているようだが僕はCDショップで見たことがない。この前、タワーレコードのホームページでやっと見つけた。なんとCDではなくてCD−R。再プレスするんじゃなくて、ひょっとして社長みずから手焼き?
でも、今買わないとなくなるかもしれないから買っておく。

これはメジャーレーベルから出しても売れますよ。名盤です。
デュファイとバンショワのバラッド、ロンドーなど世俗曲を歌と楽器で。暗くなりがちなこの時代の音楽を、みずみずしい演奏にしている。歌はもちろん良いが、楽器の演奏がいい。フィドル、リコーダー、リュート、ハープが使われている。
80年代の古楽の録音はいいものが多いのかな。録音も綺麗。





アンサンブル・ジル・バンショワ
「ジル・バンショワ シャンソン集」







グループ名にするだけあって、バンショワのシャンソン集も出している。
こちらも好きなCD。寝るときによく聴いている。これはバージンから出ているので、まだ手に入りやすいかな。たまに他のディスクと抱き合わせの2枚組で出てるときもあるから、買うときは気をつけた方がいいですよ。でも買っちゃいますけど。




アンサンブル・ジル・バンショワ
「雉の祝宴」







同じ時代の音楽で、やはりデュファイ/バンショワを中心とした録音で、「雉の祝宴」も名盤。最近(去年か)再発されています。これもよく聴きますね。

ホイジンガの「中世の秋」という本の中に、この雉の祝宴の模様が書かれている。ブルゴーニュの王様(フィリップ善良公)が、十字軍遠征のため「雉の誓い」をたてて、それを祝した大宴会をしたらしい。そのときの音楽を再現したのがこのディスク。僕が持っているのは2枚組になってたやつ(デュファイのミサ曲との抱き合わせでお得なディスクです)なんで、ジャケットが違うし、日本語解説がなかったので、去年再発されたこれも欲しいな。
そういえば、かなり前に「雉の祭典」でブログ書いてました。しょうもないこと書いてるけど怒らないでね。

一時期、よく買ってたアンサンブル・ジル・バンショワですが、なかなかの名盤ぞろいです。

2016年12月17日土曜日

プリンチピ10周年

アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニの結成10周年記念コンサートを聴きに行ってきました。今年はスタッフではなくお客さんで。

メンバーは、
大内山薫(バロックヴァイオリン)
頼田麗(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
野澤知子(チェンバロ)
上野訓子(コルネット)
笠原雅仁(バリトン、テオルボ、バロックギター)

鈴木美登里(ソプラノ)(特別ゲスト)

普通でも豪華なのに、特別ゲストに鈴木美登里さんです。古楽界の大物ですね。
鈴木美登里さんはソロの活動と、声楽アンサンブルで中世からバロックまでの広範囲をカバーできる稀有な存在です。

鈴木美登里さんが入るだけで、ものすごく引き締まった、緊張感のある演奏になっていた。後半2曲目のG.F.サンチェス/「暴君のような恋人は」では、パッサカリアの下降音型に乗っかって自由に歌が展開される。これでもか、というくらいに劇的に。それまでのルネサンス音楽とは違う、人間の感情を直接表現するようなバロック音楽が始まった、って感じです。

その他、初期バロックの世俗歌曲、ヴァイオリン/チェンバロ/ガンバのソロ曲、器楽合奏曲と盛り沢山な内容。

プリンチピの皆様、10周年おめでとうございます。面白いながらも大変な10年だったと思いますが、まわりの者からみると、こんな貴重なアンサンブルは他にはありません。
これからも応援していきますよ。

2016年12月9日金曜日

クリスマス物語

世間はクリスマスに浮き足立っていますね。三角帽かぶって、ネクタイを頭に巻いて、「ガハハ」と笑っていられるようなサラリーマンを一度やってみたかった。「アホ」って素敵。

「16〜17世紀の宗教合唱曲を歌う会」ってのがありまして、プリンチピの笠原さんが指揮、歌や楽器の指導はプリンチピ関係者という、ほんとに素敵なアマチュア団体がありますが、今年は聴けてないんですよね。いつもは受付を手伝っているのですが、「おはなしえん」の前日、それも1回しか全員集まらない稽古だったんで、ごめんなさーい、って感じで欠席しました。
アマチュアって言っても、ソロをとるのは関西のトップ歌手、それぞれのパートのソロも、半分プロみたいな人がオーディション受けて歌ってるんやから、そらしっかりしてますよ。もちろん合唱、楽器の人もオーディション有りです。

今年はシュッツの「クリスマス物語」でした。
この曲、聴いたことがなかったので、買ってきましたよ。


アンドルー・パロット指揮、タヴァナーコンソート、合唱団&プレイヤーズ「シュッツ クリスマス物語」です。80年代の録音。このジャケット、よく見てた気がする。90年代後半に古楽を聴き始めた時によく売ってたように思う。

ソロの歌手が豪華です。ソプラノ(天使役)はエマ・カークビー、テノール(福音史家役)はナイジェル・ロジャース。ナイジェルは笠原さんの先生ですね。
なんとロンドンのアビーロードスタジオ録音です。クラシックファンにはどうでもいいことでしょうが、ビートルズファンには見逃せないところです。

シュッツはバッハより1世紀前にドイツで活躍した音楽家。
この曲は聴きやすいですね。福音史家のレチタティーヴォ(「歌」でなく「語り」の部分)もバッハのように厳しくはないし、全体にやわらかい印象。歌と楽器が溶け合っていい気持ちにさせてくれる。

80年代の録音って、実はあんまり聴いていない。録音レベルが小さいし、2000年0年代以降のポピュラー路線にも乗っかる前なのでわかりやすくない。そんな感じが、ちょっと初心者には買うのをためらわせるようなところがあったかな。ジャケット見ても、売ってやろうって感じがないですね。クラシックファンの中に一定数いる古楽ファンに売れればいいよ、ってことでしょうかね。

でも、売れたい気満々の0年代ポピュラー古楽を聴いた後では、こちらの方が説得力があるように感じられる。そらそうやな。大衆受けを狙わず、ちゃんと楽曲の理解を経たうえで、その時代のトップ奏者がやってるんやからな。でも、0年代のは今のクラシックの売り方ほどひどくないですけどね。ちゃんと知識があって上手い人がやってます。売り方の問題かな?

今のクラシック、特に日本では、どのくらい勉強してるかってとこは、1日どれだけ練習するか、ってことにすり替わっていますね。また、楽器やいろんなものから霊感をもらうことをやたらと口にする。イケメン(男はロン毛も多い)と美人が多いのも特徴。SMR河内さんはそのセオリーを忠実に守っただけなんですよね。
やってる本人はバッハとベートーベンとブラームスがいつの時代かわかってないらしい。。。すみません。それはあんまりですね。言い過ぎました。でも普通、クラシックを聴かない人はそんなもんですよね。そんなもんでも顔が良くて(ここ重要)指が動けば、日本では一時的にスターになれます。あとであの人が千の風になったように、その場に長くいることはできませんけど。僕もロン毛にしようかな。
ああっ、僕としたことが。つい、愚痴と毒を吐いていました。

そういう軽いクラシックもどきなんか聴かずに、70〜80年代録音の古楽を聴いてる方が面白いですよ。でもその頃のディスクってほんまにいいな。こういう演奏、もっと再発してほしいし、日本でもこういう演奏ができる団体が増えてほしい。

2016年12月5日月曜日

ネーデルラント楽派の音楽

またまたデイヴィッド・マンロウのお話です。

「ネーデルラント楽派の音楽」購入。これは昔ヴァージンから出ていたものと同じですね。昔は3枚別々で買えたんですが、今度は3枚組。

実は、3枚目のモテット集以外は20年ぐらい前に買ってたのですが、今見返してみると1枚目は売ってしまった模様。これを買った当時、リュートには興味があったのですが、他の古楽となると、あんまり知らなかったし興味なかったのが思い出されますね。でも、リュート以外も聴いてみよう!という意欲があったことがわかります。

今、20年ぶりに聴き返してみると、宗教曲ももちろんいいのですが、世俗曲でのマンロウの天才ぶりが納得できます。それに、一番いいディスクを売ってしまっていたことに愕然とします。その当時の聴き方は今と全然違っていたということですかねー。とほほ。

今、聴き返してみると、ほんとに名盤だと思う。
歌手陣が充実してるのと、楽器も今、大御所になっている人が多数。今から見るととんでもないオールスター陣営だったことがわかります。
3枚は次のように分類されています。

1、世俗歌曲集
2、器楽合奏曲とミサ曲
3、モテット集

分類されているといっても、歌曲は器楽と一緒に演奏しているし、図鑑のような感じではなくて、その時代の音楽を俯瞰しつつも中にどっぷり入れるようになっている。

吹奏楽器ではビービーという濁った感じの音(クルムホルンなど)がよく出てくる。なにもわからないままで初めに買った当時は、この音が嫌いでした。ルネサンスというと、もっと透き通った音をイメージしていたのです。最近発売されている若手による演奏では、この透き通った音を目指しているように思われます。綺麗なのはいいのですが、今の売れ線をなぞったもののような気もしてしまう。そういう媚びた考えのない、演奏家と研究家のプライドが、マンロウのディスクからは感じられます。

マンロウという大家となると、ちょっと間はあきますが、絶対にディスクの再発があるんですよね。マンロウ以外にも、ヒリアードアンサンブルとか、アントニー・ルーリーのコンソートオブミュージックとか、70年代80年代の録音はわりと再発ありますね。ほんまに嬉しいことです。



2016年12月1日木曜日

マンロウとブリュッヘン

うーん。12月ですねえ。1年はほんとに早いもんです。
この前から書いてるマンロウの続きです。

デイヴィッド・マンロウはリコーダー奏者、という知識が最初にあった。だけどCDを買っていくと、ほとんどリコーダーは出てこない。歌かリコーダー以外の吹奏楽器の録音が多い。リコーダーはそのうちの一つの楽器として出てくるのみ。
一方、同時代のフランス・ブリュッヘンは18世紀オーケストラの指揮をする前はリコーダーとトラヴェルソ(昔のフルート)の奏者だった。

リコーダー奏者としてはブリュッヘンが好き。マンロウはというと、実はリコーダーのディスクを持っていなかった。買ってきたのを最近聴いている。聴いてみるとブリュッヘンもマンロウもどっちも良い。
(デイヴィッド・マンロウ 愛の笛)


でもリコーダー奏者としたらブリュッヘンの方が好きかな、と思う。何故か。ブリュッヘンは若い時はピッチを正確にきちんと吹いていた印象だったけど、途中から吹き方が全然変わってしまう。それはオリジナル楽器(その楽器が使われていた当時に作られた楽器。いわゆる本物。)を手に入れた時からだという。僕は、その変わった後の演奏が好きなのだが、それはその頃のどの録音を聴いても「寂しい」印象をあたえる。自分の芸術が高まっているのに、周りはそれをわからないもどかしさというか、売れてるのに実は誰にもわかってもらえていない寂しさというのか、とにかく孤独な感じがする。当時の音楽にあったかどうかはわからないけど、奏者として、芸術家としての「寂しさ」を感じてしまう。これがブリュッヘンの魅力だと思う。バロック音楽を理論的に突き詰めながらも自分が出てしまう、という。
ブリュッヘンは晩年、リコーダーをやめてしまい、オーケストラ作品の指揮に専念する。この辺のモーツァルトの録音は好きだけど、他は「うーん?」な感じ。でもこれは個人的な意見で、ベートーベンの録音も評価は高い。
しかし、90年代にリコーダーを復活。録音したものが素晴らしい。グロッサレーベルから出た「The Passion of reason」はマショーの時代からバッハまで400年ほどを俯瞰した内容。常に漂う厭世観。
(フランス・ブリュッヘン The Passion of reason)

一方、マンロウはリコーダーの録音もやっぱりいい。「ちょっとマンロウの笛はイマイチかなー」なんて言ってた昔が恥ずかしい。音楽として素晴らしいし「喜び」を感じる。

僕は(というか一般的な見方だと思うが)マンロウはリコーダー奏者ではなくて、中世・ルネサンス音楽のスペシャリストという見方をしていた。これは、当時の演奏習慣を調査・勉強し、それを現代でも聴けるようにいろいろと工夫を凝らしている。それも歴史的に忠実と思われる方法で。バロック期のリコーダーの演奏も達者でいいものやけど、ノートルダム学派(ゴシック期の音楽)とか、デュファイ、バンショワの音楽などの録音が最高。
(デイヴィッド・マンロウ ミサ「私の顔が青ざめているのは」/デュファイ)


若い人が、この頃のマンロウの音楽にしびれて、デュファイの「私の顔が青ざめているのは」によるミサ曲を録音している。それを数年前に買って、長らく愛聴盤だったが、マンロウの同じミサ曲の録音を前にすると、それも廃れて聴こえる。マンロウの録音は70年代、40年ほど昔だが、それが今でも色あせていない。

2016年11月21日月曜日

ヴァン・モリソンとデイヴィッド・マンロウ

ヴァン・モリソン、いいわー。もう毎日聴いちゃう。
最近、うちでかけてるディスクはデイヴィット・マンロウかヴァン・モリソン。イギリス音楽いいねー。この二つを互い違いに聴いてるって感じ。たまにボブ・ディラン。ボブ・ディランといえば、ノーベル賞受賞のときのコメントがしびれますね。「(授賞式は)行けたら行く」。大阪人からしたら「行かない」ってことですね。その後の「先約があるから行かない」ってのは、「ごめーん。その日、法事やねん」っていう大阪風断り方ですな。お互い分かってると角が立たない。きっとノーベル賞選考委員達にも大阪人的な人がいると思いますよ。

って、そんな話はどうでもいいんですよ。今日書きたいのはヴァン・モリソンですわ。
最高傑作といわれている「Astral Weeks」をやっと買いました。
少女漫画を思わせるようなジャケット写真の色男ぶりもこの頃までかな。The Bandの「Last Walts」の時には結構太ってましたね。その後、頭も薄くなって、ハゲ&デブの二重苦ですが、音楽がよければ全然気にならないばかりか、貫禄に見えてしまいます。

いいですねー。世間での評価も割とちゃんとしてるやん、って思いました。これ、もう1つの最高傑作といわれている「Moon Dance」より好きかな。どっちもいいけどね。オシャレ感がこっちにはない分、気に入ってます。

最近買った「Keep me Singing」も毎日のように聴いてるけど、このディスク(Astral Weeks)と聴き比べても、この人の歌い方って昔から変わってないのね。昔のディスクを聴いてても今のとほとんど違わない。今の方がちょっと声が低くなったかな、って思うくらい。
この歌声はロックバンドより、アコースティックの感じが合うと思う。ちょっとびっくりしたのは、ドラムにコニー・ケイのクレジット。モダンジャズカルテットのドラマーですね。このディスクは言われているほどジャズ方面の感じはしないんですけどね。でも一流の人を使ってる。MJQの時より地味に叩いていて本当にドラムがいるのか?というくらい。隠し味的に使ってる?すごい贅沢。

「Astral Weeks」は1968年ですよ。まだビートルズは解散していない。まだ僕は生まれていない。こんなディスクが聴けるなんて感激しますよね。

同じイギリスの音楽家でもう一人、最近よく聴いているデイヴィッド・マンロウ。
再発のCDを買いあさっています。

「ゴシック期の音楽」デイビッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

これは、この前のワーナーからの再発の前に、タワーレコードが夏に発売したもの。
1枚ものの抜粋盤はもっていたけど、2枚組は嬉しいですねえ。LPでは3枚組だったらしい。このへんの音楽は、今の音楽とはかけ離れすぎていて、自分で演奏するのは難しいな。聴いてるのが一番いいです。1975年録音、マンロウが亡くなる少し前の録音です。この時代にこの録音は奇跡みたいなものだったかもしれない。
今年は買うCDも充実しているぞ。

2016年11月14日月曜日

古楽講習会 in 大津

古楽講習会が大津びわ湖ホールで行われました。おなじみ竹内太郎さん主催の講習会。
今回はこれから古楽の泥沼にはまりそうな人をさらに泥沼にはまらせるべく企画されたのではないか???と疑われるような内容。とっても楽しい1日でした。

なんとなく、マギさんが弾くことになってるシンプソンの曲をみんなで弾いてみるところから始まりました。マギさんはまだ来てない時に。コード進行だけやったけどいい曲。そうこうするうちにレッスン始まりました。

1番目は山縣夫妻。リコーダーと通奏低音リュート。
奥さんがリコーダー。なかなかうまい。山縣氏は始め緊張してたのか、あんまりいいとこ見せられなかったけど、2回目ぐらいから「ああ、こう弾いてたんやな」と思える、すごくいいところが聴けました。選曲がいいのと、端正な弾き方で好感度アップを狙ってるな!
あ、作曲者忘れた。なんかあんまり知らないけどほんとにいい曲。後期に入る前のバロックって感じです。和声進行の妙味。

2番目はさかたにさん。
モダンギターでムダーラを弾く。なかなかいい感じ。半分ぐらいレッスンが終わったところで「じゃあ、ビウエラでやってみよう」って流れになり、「おぬし、罠にかかったなー」「あーれー」って心の中で言ったかどうかはわかりませんが、本人もまんざらではなさそう。ビウエラは初めてなのに、発音はかなり上手い。聞くところによると通奏低音も勉強してるとのこと。もう古楽から離れられないね。
こうなることは神様がプログラム済みなので、しばらく古楽にどっぷり浸かってみるがいいさ。あーっはっはっは。
(さかたにさん、すみません。でもクラシックギターと両立も可能だと思いますよ。)

3番目はワタクシ。
今回は今まで避けてきたイギリスもの。イタリア出身だけどイギリスのスパイをやってたというフェッラボスコの「パヴァーヌ」と作者不詳の「John come kiss me now」。難しいと思ってたけど案外弾けることがわかった。でも装飾いれるとかなりの難しさ。
でもがんばる!

4番目はマギさん。
今年1月に知り合って、8月のバナナ部ライブも観に来てもらった、ヴィオラ・ガンバを勉強する若者、ナイスガイです。曲はシンプソンのディヴィジョン・ヴィオリストから。自分で作った変奏も披露してくれた。書いてある変奏を感じを変えて弾くことを要求されてもついていく。見ていてかなり面白いレッスンでした。先生に言われたことが実現されていくのって気持ちいいんです。

5番目は横山さん。
東京からいつも大津くんだりまで、なぜか毎回受けに来ている美人リュート弾き語り。今回はロビンソンのリュート曲。やっぱり上手いし、いい音だしてる。でも先生は厳しく教える。愛情の籠った厳しさなんですね。
後半は、やっぱり歌を歌ってもらう。シェークスピアの劇中で使われていた曲と、もう一つはイタリアもの?
ほんとにいつも素晴らしいパフォーマンスです。太郎先生もリュート伴奏したくてたまらない感じでした。


20時頃に終了。
楽器の写真を撮って、サイゼリア(ぱっとサイデリアではありません)で打ち上げ。
ここのワインはパック酒の鬼ころしより安いので有名。鬼のように飲み食いして帰りましたとさ。

2016年11月11日金曜日

古楽再び

サルロスな毎日ですが、週末は古楽講習会。再び古楽熱を呼び起こすために、竹内太郎師匠のライブを観に行きました。京都丸太町近くのカフェ・モンタージュにて。

今回はイギリスのバロック。バロックギターとイングリッシュギター。
いつものとおりバロックギターはラスゲアードが冴えまくっていました。でもキレキレにはせず、暖かさを持たしてる。もう聴くのは飽きた、って思うグリーンスリーブスも即興で生き返っていました。
それと、びっくりするくらいの美しさだったのがイングリッシュギター。CDでは聴いていたけど、近くで聴くとほんと可愛らしい。弦は金属なんだけど、暖かみのある音。欲しくなってくるな。
(写真はfacebookにあるカフェ・モンタージュ様のをお借りしています)

それと、先日注文しておいたCDが届きました。
デイヴィッド・マンロウ「MASS SE LA FACE AY PALE」と「宮廷の愛」。












これはかなり前にヴァージンから出ていた10枚シリーズのものを部分的にまとめたりして再発されたものです。前回には一部しか買っていなかったので、これの再発売は嬉しい。
「MASS SE LA FACE AY PALE」は「私の顔が青ざめているのは」というシャンソンを元にミサ曲にしたもので、初期ルネサンスの作曲者ギヨーム・デュファイの有名曲。これをある時ラジオで聴いて、モレーツにこのディスクが欲しくなりましたが、とき既に遅し。ヴァージンから出ていたものは手に入らなくなっていました。今回は前回よりも200円ほど安く設定されています。
「宮廷の愛」は中世からデュファイぐらいまでの時代の音楽。3枚組。これはまだ聴いていないけど楽しみ。
マンロウは70年代初めに、これら中世からルネサンスの楽譜の読み解きと楽器の復元、演奏に天才的な能力を発揮した。記譜法も現在とは違うし、使う楽器も違う。それらを録音してくれているのはなんという幸運だろうか。
どのディスクも40年以上経った今でも新鮮に響く。

2016年11月7日月曜日

あしたは全力モンキー

劇団超人予備校「あしたは全力モンキー」、ゲネプロも合わせると、なんと6回も観ました。
今回は開演前音楽祭というのがあって開演前に音楽が聴けるというものです。僕は別グループで3回出してもらいました。ありがたや。

お芝居の方は、今年12周年(干支一回り)という節目の年にもかかわらず、全然重厚感もなく軽ーい内容。でも1時間50分、あっという間に過ぎます。軽くても内容はしっかりとある。


身体能力ずば抜けている猿のハナちゃんと猿回しの太助の場面から始まる。舞台では緊張のため何もできなくなるハナちゃん。妄想の世界では孫悟空になって暴れまわり、三蔵法師の弟子になり天竺を目指す。
一方、並行して雑誌の編集長の話。東京から大阪へ左遷された幸は、大阪で突っ込みの仕方がわからず苦労する。いつしか妄想の中で三蔵法師となっている。
妄想の西遊記は徐々に一人歩きを始め、物語が進んで行く。
2つの妄想と現実が語られるうちに、妄想の中に現実が混じっていき、妄想の物語と現実の2つの物語はピンチを共に乗り越える。それも妄想の中の妄想で。
ハナちゃんは舞台で自分の力を発揮できるようになり、幸は今までの能力を再評価され東京に呼び戻される。妄想の中の三蔵法師一行は再び旅に出る。

尾松さん演じるハナちゃんに共感する人は多いと思う。僕もその一人。家ではできていることが本番ではできない。自分って結構すごいと思うこともあるのに、人前では駄目な人になってしまう。
この物語は、「そこから努力して勝利を勝ち取る」なんてことが全くないのがいいです。
劇団超人予備校の公演にはゲストも含め、上手い人からそうでない人まで、さまざまな役者で成り立っている。上手くない人が駄目かというと全然そうではない。ちゃんとその人しかできない役割が振られているのです。しかも笑いをちゃんととっている。笑いにするための上手い人のサポートもすごい。
それと、スタッフが楽しそうなのもいい印象。会社によくいる「自分はこれだけやってるのに、なぜあなたは出来ないの?」みたいにいう人はいない。
座長のミツルギさんはできなかったことを絶対に責めない。責められても出来ないことがあるのをよく知っているからだ。できることをさらに面白くしていくように見える。だから12年も続いているのだろう。

今回の本公演では、人生の「旅」がいかに面白いかを教えてくれているような気がする。悟空と三蔵が後半に「仲間と旅をするのが面白い」と言っている。最後に美香Lさん演じる幸の言葉がいい。「旅はまだまだ続く」。
「最後に多幸感を感じる」と色々な人が感想で書いていたけど、ほんとにそう思う。泣いてしまうお芝居もいいけど、これは泣くところが無い。笑いすぎて涙が出ることはあるけど。
でも、最後に幸せになってじんわりと泣けるのです。今の自分をしっかりと確認するように。




2016年11月5日土曜日

開演前音楽祭(その3)

劇団超人予備校本公演「あしたは全力モンキー」の開演前音楽祭に3回も呼んでいただきました。ありがたいことです。なむなむ。
3回目は5日(土)の1回目の回、ミツかね堂&バナナンボでした。

さて、恒例のセットリストですよ。

<ペンギンは空をめざす(第2話)>
1、Some Happy Day
オープニングの曲。これは原曲と全然違うイメージになっています。テンポをかなり上げて、途中にハンバートハンバートの「長いこと待っていたんだ」のメロディを挿入しました。結構、気に入っています。今までで一番うまくいったかも。

2、水上の音楽(ヘンデル)
王様登場のちょっと偉そうなシーンです。初のクラシック。あぼさんに吹いてもらいました。この曲であぼさんのスキルの高さが徐々に明らかになりました。

3、ギターを持った渡り鳥
ああいうのを渡り鳥っていうのよ、のセリフに、小林旭のワンフレーズ。ちょっと取ってつけたようになっていますが。

4、王様ペンギンのテーマ
4羽の王様ペンギンが順番にしゃべるシーンで使用。これは初のオリジナルです。4羽を吹き分けるのが難しいぞ。

5、水上の音楽(リプライズ)

6、夕がたフレンド
ムーンライダーズの中高年ソング。中年を迎えた頃に会社からもリストラされたしお金はないし公園をぶらぶらするしかないな、みたいな中高年の悲哀を歌った曲。「庶民の暮らし」を出すために使ったのですが出しすぎてぎこちなくなってるな。メロディはいいです。

7、The Sidewinder
ジャズトランペッターのリー・モーガンの有名曲。8ビートなのでジャズロックの走り、とか言われてますが、ジャズにしか聞こえへん。
ジャズがやりたくてこの曲を選んだけど、なんちゃってジャズ。アンデスでやったけどちょいと難しかったし、どう間違ってもジャズには聞こえないだろう。

8、アパオの海外出張
ペン空第2羽最後の曲は栗コーダーカルテット。ウクレレのジャカ弾きを5カポギターでコピーしました。メロディ部分はピアニカをかぶせています。うきうきした気分になっていい終わり方かな。

<天狗うちわ>
1、ヤツデのはっぱ
練習場所でみんなで作りました。ヤツデのはっぱを見つけた男の子、拾ってからの感情の移り変わり。鉄琴とギターの怪しいからみから、はっぱに目が釘付けになるようなミニマル音形、最後はいいものを手にいれた喜びのスリーフィンガー。

2、小っちゃい天狗
天狗登場をアンデスで。なんとなくメロディをいくつか決めていてその場で選ぶ。

3、ウキウキカサカサ
主人公の全能感。正義の味方になったけど、その裏には悪い心も見える。

4、鳥の死がい
「シクシクカサカサ」からの部分に音をつけていて、メジャーセブンスのコードが割と悲しく聞こえるなーと話してたとこから、あぼさんが「これ、いけるんちゃう?」と持ってきた曲。「さよならcolor」のサントラに収録されている。あぼさんの選曲センスはいい。

5、天狗うちわの唄
ちょっとほっこりした曲が欲しいなー、でも探すの大変やなー、と思って作りました。
結果、寒くなってきたこの季節に合ってますね。作ってから、何かに似てるなー?と思って、いろいろ考えてみると、ハンバートハンバートをほぼパクっている。いい曲はどこかで聴いたことがある事が多い、ということにしてください。

「天狗うちわ」は、9月終わりぐらいにミツかね堂のあかねさんが急に思いついて、やることになった童話。2013年のミツかね堂旗揚げ公演でやったきり、お蔵入りになっていたものを引っ張り出しました。
「内容が音楽的やから、即興的にやったらどうかなー?」って提案されて、正直「なんで今更???」って思いました。でも、落ち着いて考えてみると、いろいろ音楽で盛り上げることのできる内容なのです。あかねさんすごい!
最近気づいたのですがあかねさんのスキルは割と高い。仕事にしてもお芝居にしても、また音楽にも。
そうと思わせないようにしてるのか、使ってないのかはわからないですがねー(笑)

2016年11月3日木曜日

開演前音楽祭(その2)

えー。11月3日も出演させてもらいましたよ。超人予備校本公演「あしたは全力モンキー」の開演前音楽祭。
なんと、僕はバナナ部のくせにジャズです。僕個人はジャズ好きで、バナナ部相方の清家さんも割とジャズの曲を知ってます。いろいろ聴いてるんですが、やるのは初めて。バナナ部でもなんとなく「ジャズ」は取り入れようとしてたんですが、本物の「ジャズ」はできないので、ナンチャッテ的にやってました。あんまり分からなかったとオモイマスが。

で、ほんまにジャズシンガーとやる話がきたのです。はじめは断ろうか、と思いました。でも、せっかく言ってくれてるんやから、一回合わせて出来ないようやったら断ろうと思いました。
今回歌ってくださった仕田原さんは、去年7月のワンコインシアターに来てくれていて、なんとその時、僕は名刺を渡していたのです。なーんや、話したの初めてじゃなかったんやー、と思ったら、なんか出来るような気がしてきました。それで、今回の「仕田原美穂のジャジーな夕べ」になりました。

今日のセットリストと解説(?)です。
誰も求めてないかもしれませんが。

1、All of Me
この曲好きなんですよ。中学生の時にジャズを聴き始めました。その時に、「いつかやりたい!」と思ったことを覚えています。こんなに時が経ってから叶うことってあるんですね。これをできただけで今日満足です。

2、One Note Samba
カルロス・ジョビンといえば「イパネマの娘」ですが、それを選ばずにこれ、ってとこに仕田原さんのセンスを感じます。伴奏者からみると、「レ」の音を上に弾き続けながら、バスは半音で下がっていく、途中から「ソ」を上にバスは半音下降というオサレーなコード進行です。バナナ部でもボッサ風の曲はやっていまして、GONTITIの「Tiny Lips」ですね。覚えてますかー?

3、LOVE
ナタリーコールのお父さん、ナット・キング・コールが歌った名曲。ピアニストとして活動した50年代のあと、歌手として60年代にヒット曲がいっぱいありますねー。ジャズをベースにした歌謡曲っぽいところが好きです。

4、グレープフルーツムーン
今回で、唯一、僕の選曲です。トム・ウェイツが1973年のデビューアルバム「クロージングタイム」に最後の曲の前に収録されている。最後の曲(クロージングタイム)はインスト曲なのでボーカル曲としては最後を飾る曲かな。個人的にはスーマーさんの秀逸な日本語カバーが好き。冒頭ちょっと失敗しましたが、曲の好きさで乗り切ったと思います。

5、Fly Me to the Moon
誰が歌っていたのかはっきりしないけどスタンダード曲として有名。ボッサバージョンもよく聴く。ヘレンメリルの日本録音盤で前田憲男(渡辺貞夫がフルート!)と一緒に出したディスクがあるらしい。聴いてみたいな。

6、テネシーワルツ
ジャズというよりもアメリカの古い歌、と言った方がピンとくる。50年代にアメリカではパティ・ペイジが、日本では江利チエミが歌ってヒットしました。昭和歌謡的な感じが強い名曲です。僕が弾くと昭和感を漂わせられると思うのですがどうですかね。日本の戦前戦後のジャズ(洋楽)的な匂いも感じ取っていただけたらいいな、と思います。でも、この曲で大ミス、途中ギターソロ入れようとしてたのにボロボロ。ごめんなさーい。武道館コンサートの時のジョージハリスンみたいになってしまいました。
え?そんないいもんじゃないって?わかってますよ。
まあ、ここはセリフが入るとこなんで、わざわざギターソロにしなくてもよかったんかも。別のやり方もあったな。反省反省。
今日の僕はこんなモン、でも、あしたは全力モンキー、なのです!

7、モンキーマン
これは仕田原さんの旦那である森嶌正紀さん(今回、沙悟浄役で出てますね!)の選曲。レゲエです。トゥーツ&メイタルズの1970年の曲。ここ数年、レゲエを聴いてきたのにこれは知らなかった。名曲ですよ。森嶌さんはレゲエとかパンクとかハードコアとか、悪そうな音楽に精通している模様。そんな風に見えないのにね。レゲエをいろいろ教えてもらいました。ありがとー。

今回、仕田原さんのバックを務めるという大仕事、できたのかできなかったのか。できなかったとこの方がよく覚えているけど、うまくいったとこもある。
「あしたは全力モンキー」の尾松さん演じるハナちゃんにすごく感情移入してしまう。また、斎藤さんの猿回しの役も。
まあさっきも書きましたが、今日の僕はこんなモン、なのです。でもあしたは。。。!?



開演前音楽祭(その1)

誰も求めていないかもしれませんが、無理やり書いておきます。
何が?って、今日の劇団超人予備校本公演「あしたは全力モンキー」の開演前音楽祭ですよ!
バナナンボのセットリストと解説ですよーだ。

1、バーボンストリートブルース
高田渡とヒルトップストリングスバンドの表題曲です。高田渡はフォークシンガーとして知られているけど、こういうディキシーっぽいやつも得意ですね。本当はバンジョーで弾きたかった。まだ持ってないけど。

2、バナナの涙
80年代といえば、おニャン子クラブ。後ろ指指され組の名曲ですね。冒頭部分に「ばーなーなんーぼー」という歌詞があります。ミツルギさんはここからユニット名をつけてくれました。言われるまですっかり忘れていた曲でしたが、やってみると良い曲ですね。さすが後藤次利。(後藤次利はサディスティックミカバンドのベーシストです。)

3、夜風
今、日本全国を忙しくライブしまくっているとんちピクルスさんの名曲。ライブに行って使用許可をもらってきました。はじめ、スカ風にやろうと思ってましたが、曲がいいので何にも奇をてらったことをしない方がいい、と思い直しました。とんちさんはこの曲をバックにラップも歌っています。かっこう夜風という曲ですが、そちらもおすすめ。

4、横顔しか知らない
ハンバートハンバートの新曲。まだ誰もコピーしていないらしく、ネットにコードの情報が上がっていなかった。原曲のベース進行もコピーしようか迷ったけど、大変な割に聞こえないのでやめた。ハーモニカで感じを出しとこう。あぼさんはこの曲が得意。合わせ始めたときから自然な歌い口。何回でもやりたくなってしまう。
え?聴いてないって?そうなんです。これはリハではやったけど時間の都合でお蔵入りになりました。(この前の神社ではやりましたよ。)非常に残念ですが、機会があれば絶対にぶっ込みます!

5、カントリーロード
ジョンデンバーの超有名曲です。最近ではジブリで使われてましたね。ジブリ版のリュートを弾いているのは僕の師匠です。今回は栗コーダー版にしました。鉄琴とリコーダーが素敵。ちなみに鉄琴は超人予備校の尾松さんからあぼさんへのプレゼント。劇団内の愛情が感じられるいい話ですねー。うう(涙)。

6、ヨロコビノウタ
あぼさん選曲。モンゴル800の曲です。唯一、僕が知らなかった曲でしたが、原曲はレゲエを意識した作りになっています。前半で歌が終わって、後半はダブミックスになっています。なかなかの名曲ですね。これが今回のハイライトになりました。

7、人生はまるで登山列車のようだ
ビューティフルハミングバードと栗コーダーカルテットがやっているのを見て、自分もやりたいっ!と思った曲です。3月の本読みの遠足、8月のバナナ部単独ライブでもやっています。今年、この曲にはお世話になりました。ありがとう!

去年の12月のワンコインシアターや「おはなしえん」で既におなじみですが、改めて「バナナンボ」の名前をもらってみると、これも面白いなー、頑張れるなー、と思っています。なにより相方のあぼさんの、もともと持っていた音楽性と演奏に対する努力によるところが大きいです。ほんとに感謝です!

それと、肝心の本公演「あしたは全力モンキー」ですが、面白いですよ!
現実と妄想が交錯していくのですが、いい感じに力が抜けていて、なんでもない最後、でもみんな思い当たるという、そんなお話です。感動超大作、みたいなことは全然ないですが、思い当たる人は必ず泣くはず。名作ですね。まだやってる人達は気づいてないかもしれないですが。

2016年10月28日金曜日

KEEP ME SINGING

ヴァン・モリソンを聴いている。
存在は知っていたが最近まで聴く機会がなかった。この前9月に新譜「keep me singing」が出たので買った。買ったのはいいけど、地味な感じがしてあんまりパッとしない印象だった。でも、せっかく買ったし毎日聴いていると、なぜかだんだん良くなってくる。「あれ?こんないい曲入ってたっけ???」


そういえば、かなり前に買った「ムーンダンス」もそうだった。これは1回聴いてからしばらくお蔵入りになっていたのだが、何かの拍子に聴いてみると、あれ、いい曲入ってるなー、となり、段々と好きになっていく。こんな調子でファンになり、あれこれとYouTubeを調べたりしている。

ネットで調べると、「ムーンダンス」は代表作だそうな。
この代表作が1970年、その前から売れたらしいので、歌手生活何年になるんやろ?ボブ・ディランやポール・サイモンと同じぐらい?

おじいちゃんになっても「KEEP ME SINGING」な感じなんやろなあ。僕もジジイになってもできるかな。

2016年10月17日月曜日

秋祭り

大正区上の八坂神社の秋祭りにバナナンボで出演しました。

 プログラムは次のとおり。

12:00… フィールダー
13:00… ンリマ♪
14:00… 田中 悟
15:00… KAORI&AI
15:30… あいねこ
16:00… バナナンボ
17:00… Music ACT Performer TAKA’s
18:00くらい日没後…
“ファイヤーパフォーマンス”アセドラ・ohaggi









初めのフィールダーさんだけ見れませんでした。

2番目は「ンリマ♪」。アフリカの弦楽器コラのデュオ。不思議な感覚。やっぱりアフリカっぽい。それ以外に木琴みたいな楽器やジャンベ、それと三線を演奏してました。


3番目は田中悟さん。ギターで弾き語り。しっとりした歌ばかりで神社のゆっくりした時間によくあってました。


4番目はKAORI&AI。ボーカルとピアノ。歌上手い。ピアノも上手い。ちなみにピアノの人はマッサージもやってました。


5番目はあいねこ。主宰の唐鎌さんが歌います。この人も上手いな。選曲は僕好み。


6番目、いよいよバナナンボです。
マイクが多くてセッティングに苦労かけました。すみません。
お客さん少なかったらやりにくいなーと思ってたら超予備応援団が駆けつけてくれました。ありがとうございます!
人数が増えるとテンション上がりますね。風が吹いて楽譜が飛びそうになってちょこちょこ間違ったりしたけど、まあいい出来。
最後に雨に降られましたが、まあギリギリで助かったというところです。

7番目はMusic ACT Performer TAKA's。80年代風の曲。音楽の合間にダンスも入り、舞台慣れしてる感じでした。なにか劇団の人なのかな。


最後は日が暮れてからファイアーパフォーマンス「アセドラ・ohaggi」。なかなか迫力がありました。火のついた棒をくるくると振り回すのですが、熱くないのかな。超予備の鉄平さんに「あちちち!」とか言いながらやってほしいと思いました。


最後に直会(なおらい)。まあ打ち上げです。今までは奉納のためだったので、あちらの世界にいってる。それをこっちの世界に戻さなければならない。それが直会なのです、と「ひょうひょうとした」という言葉がぴったりな宮司さんのお言葉。
ビールやら美味しい料理をいただいて帰りました。

相方のあぼさんは、その後、超予備の稽古に向かいました。ご苦労様です。

(バナナンボの写真は劇団超人予備校の尾松さん撮影の写真をお借りしました)

2016年10月14日金曜日

リュートも弾いてるぞ

この前、コーヒーの日にイベントに出る予定で久しぶりにリュートを練習してたけど、出演者は別の人に決まっていた。残念。わりといい感じになってたのに。
でも、春頃に下火になってたリュート熱がまた燃え上がってきたぞ!

それで、11月の太郎先生の講習会に行きたいなー、と思っています。
とはいうものの、ちゃんと練習してる曲がない。そろそろ探さななーと思い、いろいろ楽譜をめくってみる。
その中で、ロバート・ダウランド(ジョン・ダウランドの息子)の「VARIETIE  of  LUTE  LESSONS」(1610年出版)は前からやりたいな、とは思っていたけど、難しそうなのであんまり見ていなかった。でも、まあまあ出来そうな曲もある。
この前流れたイベントの練習で、共演者のコルネット(ツィンク)奏者がディミニューションを華麗に吹くので、僕もそんなんやってみたい、と思ってた。
この「VARIETIE  of  LUTE  LESSONS」の中には装飾を凝らした華麗な曲が結構ある。
フェッラボスコのパヴァンとダウランド(父の方)のスミスさんのアルメインがいい曲で弾きやすい。この辺を練習しとこうかな。でもこの楽譜、間違い多いな。1曲の中で2〜3箇所は間違っている。

で、次の問題はリュートです。6コースと8コース、どちらにしようかな?
6コースはガット弦にしているので弾きやすいしいい音がする。8コースはナイルガット弦だが、低音弦の一部をガットにしたので使ってみたいし、こちらも好きな音。
ああ、迷うな。

音楽漬けの日々

音楽漬けの毎日です。仕事もしないで。
こんな学園祭の準備みたいな事を1年中しているって大人としてどうなんだろう?と思いつつも充実した日々。

11月の劇団超人予備校の本公演での開演前音楽祭のバナナンボの練習がピークになってきている。こんなん無理かなー?と思ってたことが出来るようになってきた。
あぼさん撮影。あれ?左利き?鏡に映ってるんですね。

今回の相方のあぼさん、実はかなり出来る人かもしれないな、と思ってる。まあ、ある程度大丈夫だろうと思ってお願いしたのだが、思ってた以上に弾ける。音楽の作り方も嫌味なく自然な感じに持っていける人。
上手い人がさらっと上手に弾くのもいいけど、誤魔化しがなく直球な作り方もまたいいのです。最近は自分の意見も言ってくれるようになってきた。僕だけが作ってる感じがなくなって、ユニットとして作ってる感じに。こんなのを待っていたんだよ。

さて、開演前音楽祭の前に、バナナンボは大正区の上の八坂神社のお祭りで演奏します。ヒマな人は是非聴きに来てくださいね。

『上の宮八坂神社』
10月16日は秋祭り!!

【♪パフォーマンスステージのプログラム♪】

11:00~開始の神事を行います。

12:00… フィールダー
13:00… ンリマ♪
14:00… 田中 悟
15:00… KAORI&AI
15:30… あいねこ
16:00… バナナンボ
17:00… Music ACT Performer TAKA’s
18:00くらい日没後…
“ファイヤーパフォーマンス”アセドラ・ohaggi



《投げ銭ライブ形式》
気に入ったアーティストさんには、是非おひねりを!励みになりますm(__)m
ゆるりとお時間許すかぎり、楽しんでください。

また、開始時刻は目安です。
天候などにより多少前後することがあります。
ご了承くださいませ。

2016年10月10日月曜日

10月は観劇三昧

買ったCDのネタを書くとブログの閲覧数が少ない。少なすぎる。僕の音楽の嗜好など誰も興味がないって事か。まあ、そうやな。古楽ネタを書いていないのが悪いのかな。

気をとりなおして、今回は演劇。
10月に入ってから演劇をよく観に行ってる。

まずはニュートラル「カステラ」。
これはよかった。ベテランから若手まで小劇場の俳優を集めて、だいたい名前は聞いた事あるな。いい役者さんばかり。
公園にたむろしているちょっと変わった人達の中に妻に逃げられたサラリーマンが入ってゆく。妻を探すうちに、今までの縛られた生活を守ってゆくという考えが少しずつ変わってゆく。突然周りが森になり、公園の住人達は歌って喜ぶ。その人達のように暮らすのも悪くないな。
でもそれは誰かの妄想で、それが現実でないこともわかっている。前の状態に戻っても、前とは少し違う生き方をしてみるだろう。
今でも思い出すだけでじんわりと幸せになる。


次に、大阪城公園の太陽の広場にテントを張っていた劇団どくんご「愛より速く」。
去年の公演がなかったので、待ちわびた人が多かったのだろう。すぐに売り止めになっていた。これも前回同様、なんのこっちゃわからんが、途中で瞬きすらも惜しまれるほど面白い。
五月うかさんの西洋人コントが哀愁を帯びながらも笑える。ちゃあくんのロボット、2Bさんの哲学的に聞こえるが全然意味のない事をしゃべるのも好きだ。説得力があるようでない。ないようでも目が離せない。
わけがわからないのに終わった後に不思議な多幸感が残る。観る前より幸せになっている。頭のどこかが破壊されたのかもしれないな。


翌日は、パイのミ「デトックスウォーターをがぶ飲みするセンパイ」。千日前味園ビルにて。
これも楽しめた。1時間ほどで5つのコント。宝塚のパロディとか、般若の面を被った女子会とか毒があって面白かった。かなり内容は濃い。濃いけど胸焼けしないいい感じの笑い。もっと毒のきついものも観て見たいと思った。


次に、The Stone Ageヘンドリックスの「ロータスフラワー」。
前説の森世さんの弾け方はやっぱりすごかった。高まる期待。でもこれは期待が高かった分、ちょっと物足りないところがあった。面白いのは面白いんですよ。去年の泣かせまくるやつよりはこっちの方が好きかな。
「離婚」がテーマ。重たいテーマであるが、もうちょっと突っ込んでほしいところがあった。別れる理由がちょっと普通すぎる。まあ理由なんてないのかもしれないけど、こんなに仲良くはないだろう。お互いに顔見るのも嫌なはず。それとチエちゃんのお父さんの事もっと知りたいし、チエちゃんとアキラくん(やったっけ?)の関係もあっさりしてる。まあ、あっさりは嫌いではないけど。この辺がちょっと残念に思ったけど、僕の個人的なモヤモヤにすぎないかな。
子役の3人は素敵だった。どれも難しい役だと思うけど、やりきれない現実を目の前にしたときの家族との間に生まれるしみじみとした静けさを、劇に与えてた。
ラジオにハガキを出して自分の考えを離婚する親に伝えるところは好きな場面。やっぱりカエルの子はカエル。
ピンクの蓮の花が海に漂ってるシーンはチラシの裏に書いてあったことにリンクするのですね。ここも好き。
濃い俳優陣がいるのに熱い空気にならず、あたたかい静謐感が漂ってるのはよかった。
開演前にカールトン&シューズがかかっていてちょっと嬉しくなる。あとZAZEN BOYS、レディオヘッドなども音楽の趣味が面白い。


連休最終日は観劇最終日かな。演劇ではないけど「物語の、うつわ(六)」。朗読です。

いつも感心させられるんですが、期待を見事に裏切る。でも、絶対いい方に。ほんと不思議ですね。僕たちは甲斐さんの手のひらの中で踊っているだけなのだろうか?なんて、いつも思わせてくれます。
今回は「ポップ」がテーマとか、聞いていたように思うのですが、年齢、寿命に絡めたお話でした。「寿命図鑑」という本でおさらいをしてくれるのが素敵でした。
前にも聞いた、ムーンライトセレナーデで踊る老夫婦の話が、着地点が前とは違っていて新鮮。べべちゃんが中心に読むことで感じ変わるんやなあ。今回のも好きです。
それと新人の山口くんの「時計」の話もよかった。バイト君が出会った不思議な話。
もちろん、ベテランの甲斐さん、徳田さんがリードをとる話はどれも引き込まれました。
音楽の池田さんは、選曲が僕の好み。面白い。
観劇最終日(かな?)は、朗読できっちり締めてくれました。べべちゃんのサインも書いてもらったし、満足です!!!

2016年10月1日土曜日

メリディアンブラザーズ

最近、南米のコロンビアの音楽、クンビアが流行ってるらしいぞ。アップツーデートなDJ達はこぞってラテンものをかけているらしい。
クンビアってよくわからない。YouTubeなどで探して聞いてみるけど、さらにわからなくなってきた。

そのクンビアなどのリズムの上に変なシンセ音をかぶせたりしてる音楽をやってるのがメリディアンブラザーズ。
つい最近ラジオでかかってるのを聴いてから、なんとなく頭をはなれないし、ネットで探したりしてる。恋に落ちる前のようです。
で、恋に落ちてみようと思って買ってみました「サルバドーラ ロボット」。

1曲目から不思議な感覚。この世はカッコイイものを求めてはいけません。とにかく気持ち良くなるまで聴きなさい、って言われてるのかどうかわかりませんが、次々と変な曲が飛び込んでくる。
一応日本盤で出ていて(輸入したものに日本語ライナーノーツを挟み込んでいる)、予想通り、Pヴァインレコードからです。こんなの誰が見つけてくるんかな。

ライナーノーツに書いてましたが、リズムは本格派だとのこと。まあ違和感はないわな。音がいちいち古くさそうに作られていて、でも今の音楽なんです、って主張があるのかどうかさえ疑いたくなるような変な音。ギターの音はひょっとしてサーフ系?絶対に爽やかにならないように使われている。
あと、笑い声のサンプリング?いや本人の歌の中でもでてくる笑い声がやたら多いような。

それにしてもやたらと頭に残るこの感じ。メロディーが残るのでなくて、酒に酔っ払ったときのあの酩酊感みたいなもんが残るんです。二日酔いが去ったあとでもまだ残ってるあの感じ。アル中になりそうになったことのある人にはわかるでしょう?
夢に出てきそう。

今年買ったディスクのうちで一番良いかもしれない。

2016年9月27日火曜日

シルバーウイーク

シルバーウイーク終わりましたね。ライブやら演奏会やら、2つ観ました。

まずは22日。
「とんちピクルス&カニコーセン」。天満の音凪にて。
最近聴き始めたカニコーセンさん、ちょっと前から名前をよく見てた。CDRを買ってから、これはライブ見とかなあかんな、ということで行ってきました。とんちピクルスさんとツーマンという嬉しい内容。
1番目はカニコーセンさんから。何かに取り憑かれたような集中力を見せる。YouTubeなどで見てたらあんまり歌がうまくいってないときがあるけど、その日は違いました。最近発表したばかりの曲も入れてほぼ50分駆け抜けましたね。やっぱり勢いのある人って見てて面白いです。
休憩を入れて、次にとんちピクルスさん。いつもの通り快調な滑り出し。なんとオープニングにヒット曲(なのかな?)を2曲続ける。明らかにカニコーセンさんの出来の良さを意識している。百戦錬磨のとんちさんにも影響を与えてるぞ!歌詞がはっきりと聞き取れた。こちらもすごい集中力が最後まで続きました。

25日はガラッと変わって「17世紀イタリアの音楽」。六甲のルーテルなんとか教会にて。
これは行こうか行くまいか迷ってたんですが、行って正解でした。
16から17世紀のルネサンス/バロック音楽のスペシャリストである笠原さんの指導を受けたメンバーで、普段は音楽以外のお仕事をされている人も。リコーダーの竹内さんのお仲間です。
音楽の内容はハイレベル。バロックヴァイオリン、リコーダー、バロックギター、歌のそれぞれが主役になる曲を笠原さんのテオルボ伴奏で支える。休憩なしで1時間40分ほどだったかな。途中までも楽しめたけど、最後の歌の2曲は特に凄かった。演劇的な説得力。こんなコンサートが関西でも楽しめるようになってきたんですね。嬉しいことです。

その後、打ち上げにお邪魔して機嫌よく飲んだのですが、ふと気がつくと知らない駅。
あー、また乗り過ごした!泣く泣くタクシーで帰りました。

2016年9月20日火曜日

ジャズとかファンクとか

最近、音楽的に充実した日々。財布の中身は反比例して寂しいことこの上ないんですが。
でも少々心配していたことがあって、それはジャズボーカルの伴奏を頼まれたこと。

リクエストされた曲(有名な曲を選んでくれていたので大体知ってた)のコードを調べて、なんとか弾けるようになってたのですが、実際合わせてみるまでわからないからビクビクしながらリハーサルに。

でも合わせてみて安心しましたー。というか、その人とお話したのが初めてではなかったですね。去年7月のワンコインシアターに来てくれていたのでした。その時にアンデス(楽器です)のお話をして名刺も渡していました。それに8月の楽市楽座さん大阪公演にミツかね堂 with バナナ部で出てたのも目撃してたらしい。

ジャズボーカルの人ってすごいね。こっちがどう弾いても合わせてくる。古楽みたいに一緒に頭から入ってくることはあまりなくて、こっちが入ってから1拍半ぐらいから入ってくる。僕が間違って3拍子の曲を4拍子でやっててもこっちが間違ってるのが気づかないほど。
1回合わせた後は、構成を大体決めてやってみる。なんとかなりそうです。僕のナンチャッテジャズ(全然ジャズじゃないですね)も捨てたもんじゃないですね。とか言ってみたりして。
でもソロとか弾けたらいいなーって思いますね。体型はジャズっぽくなってきてるんですがね。まあ、かっこいいとかは僕の領域じゃないし我慢しよう。

ジャズは昔から聴いてたけど、最近、ファンクが好きになってきた。それもニューオリンズもの。こんなのもやってみたいなーと思ってても僕のもっさりしたコード弾きはなかなか切れてくれない。
で、最近買ってみたCD。


これはミーターズの3枚目のアルバム。ニワトリなジャケット。このころからボーカルが入り始めててソウルフルになっている。人によっては1枚目、2枚目が好きっていう人もいるな。でも3枚目以降が聴きやすいんだと思う。


こっちは前から探してたけど、というかちょっと前まではタワーレコードでも売ってたと思う。在庫がなくなったら全然手に入らない。Dr.ジョンの73年のアルバム。こないだディスクユニオン大阪店で600円ほどで投げ売られていたのを3割引で購入。ケース、ジャケットが汚れてるけど問題なし。これもバックがミーターズ。売れっ子やねえ。

2016年9月14日水曜日

ディミニューション

ディミニューションってなんだ???って普通の人は思いますよね。
これはクラシック音楽がバロックと呼ばれる少し前に流行った、メロディを分割していって変奏していく方法なのですよ。そのやり方を説明した教本が16世紀頃にいっぱい発売されてます。
勘のいいあなたはもうおわかりですね?
そう、昔はクラシックは楽譜どおりに弾いていなかったのです。みんなが知ってるメロディを自分で変奏して「どや?うまいやろ?」って心の中で思って顔には出さなかったんだと思います。

ディミニューションの教本というと、今でいう「あなたも今日からアドリブができる」みたいな本ですかね。少ない音符の間を埋めていくのがディミニューション、全然違うメロディを弾くのがインプロヴィゼーションですね。日本のロック界ではどちらもアドリブでひとくくり。その乱暴な感じが「ロケンロール!」なのですね。

その中でも有名なのが「オルティス変奏論」。
スペインのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者で作曲家のディエゴ・オルティスが書いたものです。なんと日本語訳があります。(古楽器をやってる人にはおなじみですね。)ガンバ奏者の平尾雅子さん訳なので、現実に沿った内容なのかな。監修はギター/スペイン音楽界では大御所の濱田滋郎さん。この人、あらゆるところで名前をみるな。なんでも人よりよく知ってる(オタクともいいますが。。。)と、いつかは蓮の花と咲く、ってなもんです。


この中に収録されている、ジャック・アルカデルト作曲のマドリガーレ「幸せなわが目よ」による「レセルカーダ 第2番」(オルティスがディミニューションつけたもの)を今度やります。(あくまで予定ですが。。。)
メロディ部分はコルネットで。僕はその伴奏。伴奏といっても4パートあるうちのソプラノ以外のパートをリュートに移し替えて弾くのです。この作業、昔は「面倒くさい」と思ってたけど、この前やってみると、かなり楽しい作業だった。

これを演奏するのが面白くて仕方がない。
今日、ちょっとソプラノのメロディを弾いてみたら、これもほんとに面白い!!!よくできてます。
こんなのが普段の演奏で使えたらなあ、と思いますね。このへんのやり方を講習会などで習ったのですが、なかなか家ではやりません。やったら出来るようになるんやろなー。ラジオやCDの音楽に合わせてインプロする(みんなもよくやると思います)ことはよくあるんですけどね。

まあ、ぼちぼちがんばろう。

2016年9月11日日曜日

此花区とルネサンスLive!

9月10日(〜11日)は此花区の千鳥橋駅付近で「みっけこのはな」の日。前にライブをやらせてもらった「モトタバコヤ」と「PORT」という店を中心に、此花区をまわって、自分の住みたいところを探して歩くらしい。あちこちでなにかいろいろと売ってる。
今年になって知り合ったマギさんもPORTでコーヒーを売ってるので行ってきた。いつも空いているのに、なんと満席だった。相席をお願いして、コーヒーとトーストを注文して待っていると、なんとバロックヴァイオリン奏者の上田さんが来た。マギさんにヴァイオリンを借りにきたということだ。いつ聴いても綺麗な音だな。
店の中で弾きまくる上田氏。後光がさしているぞ。


美味しいコーヒーとトーストをいただいた後、天満に移動。
夕方からは、これも最近知り合った森山君のライブ。森山君はコルネット(ツィンク)奏者。若い人で勉強熱心。
コルネットというのはルネサンス/バロック期に用いられた角笛のような吹奏楽器。ヴァイオリンを多用する前はこの楽器が多く使われている。


場所がわからなくて、近所の茶店に聞いてみると、「たぶん、ここ」と教えてくれるが、またそこも間違っていて、別の場所を教えられる。結局、近所の不動産屋さんに聞いてみたら、さすが不動産屋さん、あたりでした。

でも店の看板がでていない。そーっと扉を開けてみると、管楽器の音がしてたのと森山君を発見。店の中は両横にお酒の棚があって、人一人通れるぐらいの幅しかない。カウンターを抜けて奥に入ると、ちょこっとスペースがあり、そこで管楽器4人編成の演奏を聴いた。


全員若い奏者で、リコーダー/クラリネット、トロンボーン/バリトン(っていってたかな?小さいユーフォニウムみたいな形)、ファゴット、それに森山君のコルネット(ツィンク)。
演奏は、お世辞にも上手いとは言えないけれど、とても楽しめた。でも昔、アンサンブル金沢のニューイヤーコンサート前のロビーコンサートで金管楽器だけのアンサンブルを聞いたが、それよりははるかによかったな。ピッチもよく合わせてた。
プログラムはルネサンスを中心に、現代っ子らしく中世っぽいゲーム音楽などもあって、森山君の解説とともに進む。グリーンスリーブスがよかった。あたりさわりのないようにプログラムを組むときに入れがちなのであるが、今回は下衆ないわれを先に言っておいて、バロック期に出版された「ディヴィジョンフルート」に収録されている版を使ったのが成功か。なかなかのインパクトをもたせてた。こういう事があると俄然、音楽が面白くなるね。上手いとか下手とかどうでもよくなってくるし、このあたりではみんな調子よくなってきている。森山君のリーダーとしての仕事がうまくいってる証拠。



あと、オールスタンディングっていうのもよかった。奏者とすごく近いところで聞くし、聴衆としてお行儀よくしなくてもいい、というのが何より。
また、お酒も飲み放題でこんな嬉しいことはないな。

でも、これは店側の問題もあるんだけど、チャージの払いとドリンクチケット(予約者はドリンク2杯、当日の人はドリンク1杯)が持っている人と持っていない人がいた事や、外に出てる一升瓶は飲み放題となった事によって、飲まない人が2杯目を注文しにくくなってたのが気になったかな。
まあ、あれだけ狭い中ではこの方式は無理ですよね。今度やるときは何か別の方法を考えないといけないと思う。

でも、とにかく楽しめたのは事実。僕らの世代ではなかなかこんな雰囲気に持っていけない。若い人だからできるのか、それとも古楽/クラシックの庶民化が進んでいるのかはわからないけど、この金額でこの感じの古楽/クラシックのライブがあれば、また行ってみたい。

夜は難波に移動して、月1回のおとみバー。こっちもオールスタンディングで人口密度が高かった!やっぱり飲みすぎました。

2016年9月4日日曜日

おはなしえんと彦八まつり

おはなしえん夏編、全日程終了しました。
台風が来るかもしれないうえに蒸し暑すぎる天王寺動物園に来ていただいた皆様、ありがとうございました&お疲れ様でした。

本当に暑かったですねー。チラシ配りながら、意識が遠のいていくのを客観的にみながら、そんな自分を叱咤激励しながらの本番でした。(半分以上は嘘ですけどね)



今回はほんとに、お客さんに助けられました。
初めの回も、後の回も、ほんとに演者と共にお客さんが良かったですね。
それに乗せられたのかもしれません。かなり出来はよかったのではないかな。

クラシックの歌い手なのにコンサートではポップスの曲多すぎる感じの人と柏原市の商店街で模様されてたハロウィンパーティで知り合いましたが、その方が、毎回「おはなしえん」を観に来てくれています。「今回は、今まで一番よかった!、音楽も!」とお褒めをいただきました。
この人、コンサートで喋りが多い。クラシックの歌手なのに(笑)
面白いこと喋れるし、その場を盛り上げれるし、いい感じに持っていける人なのですな。うらやましい。

「おはなしえん」の後は地下鉄で日本橋まで移動して生國魂神社の「彦八まつり」へ。初めての彦八まつり。落語家の月亭文都さんが店を出してる。そこで生ビールとカツサンドをいただきました。
その後、ミツルギさんが直々に神社の中を案内してくれた。落語家の出店やら、いろんな神社の支社やら。メインステージでの地車とお開きを見て解散。
今年は縁日を覗いていなかったので夏祭り感を味わえてよかったな。


2016年8月22日月曜日

荒みストリート

この前からとんちピクルスさんと同じくらい大注目のカニコーセンさんのCDRを注文。
1枚500円なので、買いすぎても懐は痛まない。けど、少なめに注文。

前回注文の「True Blue」は名盤でした。
今回は「荒みストリート」と「Everyday People」の2枚。


カニコーセンさんは加古川在住のフォークシンガーですが、ラジオドラマ的なものも作っています。それが「荒みストリート」。

面白すぎる。菊本っちゃん(58)と鳳さん(58)と江里本っちゃん(52)が繰り広げる、昼飲みや外飲みをするおっさん世界を描く。アホなことばかり言ってるけど、みんな気はやさしい。ロボ田親子に同情して、いろいろと世話を焼いたりする。アホアホな内容やのに、貧乏の悲しさを通り越した楽しさや優しさが垣間見える。哀しさは笑い飛ばしてる。

設定がちょっとわかりにくいので、同封されている登場人物のプロフィールを読むことをお勧めします。

歌のバックにしている音楽がいちいち面白い。だいたい僕の好きな曲。そういうところも嬉しい。
YMOの「増殖」や「SERVICE」に匹敵する名盤ではないか、と思う。


もう1枚の「Everyday People」もいい。


クラリネットが入っていて、緩やかな雰囲気にしてくれる。
「酔いが醒めたらウチにかえろう」はアル中的名曲。涙無しには聴けない。
みんな、注文したほうがいいと思うよ。