2014年10月19日日曜日

骨せつサンバ

劇団「超人予備校」本公演『骨せつサンバ』観てきました。
よかったですよー。初日と千秋楽の最後。文都さんと田口さんがダブルキャストだったので、2回、観とかなあかんでしょう。


コメディやのに泣けるとこ多い。
骨折して走れなくなった絶望した人間が見る3つの物語を、それぞれ進んでゆく。

連敗記録更新中の競争馬と連勝記録更新中の競走馬。
お父さんロバとお母さん馬とその息子である騾馬。
神話に出てくる半獣人とその兄弟。

そこに馬の先祖アケボノ馬が現れて、「本能を取り戻すレースを開こう!」と宣言する。それぞれを巻き込んで、レースは展開してゆく。

2匹の会話で進行していく、連勝記録をもった馬と連敗記録更新中の馬の話。表面上は見やすく、泣き所もあるが、語られてる内容は馬からみれば不条理、残酷。連勝記録更新中の馬は骨折のため安楽死させられるが、認められなかった死を認め、あの世から連敗中の馬をはげます。最後のレースで優勝した連敗記録の馬は、勝ったのに罵声をあびる。が、自分の走りに満足する。

ロバのお父さんはブレーメンの音楽隊に参加した、というか何となくついていって、人生を華やかなものに出来なかったという過去を引きずりながらも、レースに出ることで自分の尊厳をとりもどしてゆく。

レースでの、妹馬との首位争いで、今迄のすべてを思い出した半獣人は人間として生きる事を選ぶ。そのために捨てなければならなかった馬の体。後で人間に戻ったとき、喪失感をかかえながらも普通の人間として、生きている実感を得る。

また、骨折して走れなくなった人間も、歩くという行為でレースに出る。
最後に、人間の骨折は左手の小指ということがわかる。人間の傲慢さや度を超した心配性ゆえの不幸と、それを普通に受け入れて本能を取り戻す動物。
これら人間と動物の非対称性をテーマにした、宮沢賢治的な理解と、アイヌなどの#$%&"$##)(&%'$$&%&”#)!6645#&,、・・・って、そんな事は全くないけど、とにかく面白いのです。

どの話にも共感できるところと自分の嫌なところが含まれている。泣いているのに笑ってる、笑ってるのに泣いている、みたいな状態になって、自分の感情が押さえきれない。

個人的には、美香Lさんのケンタウロスに共感。演技もよかった。尾松さんの負け続ける馬の最後の言葉「もう、レースはおしまい。」に涙。暑くるしい演技で定評のある鉄平さんの声だけのシーンにも涙(笑)。(←ちょっとくやしい!)

田口さんは面白すぎる。文都さんのちゃんとした内容をふまえて観ると、さらに面白い。文都さんはくやしいやろなー。
ハンス役のニランジャンと、ポニーテールズのダンスも素晴しい!これは超人予備校の強みにもなってる。

あと、音響の阿保さんデザインの馬Tシャツ、グッジョブ!


馬愛がありますね。

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