2015年7月21日火曜日

魔人塾とおはなしえん(その2)

19日、おしばい魔人塾のプレイベントとして「ワンコインシアター」がありました。



お昼と夕方と、ほぼ満席の楽しいイベント。
お昼の会では「おしばい魔人塾」の説明会に残った人が誰もいなかったが、夕方の会は説明会ができた。その説明をミツルギさんがしたのだが、これが良かった。

「自分は社会人になってから演劇をはじめたけど、台詞がうまくしゃべれないという弱点をもっている。滑舌が悪いので、いいシーンでもその滑舌の悪い台詞のために台無しになった、などの酷評も受け入れてきた。でも、それをカバーするために、脚本や演出に力を入れてきて、今、自分の劇団を持てて、それを実現してくれるいい劇団員にも恵まれている。無理やなと思ったことも、やりようによってはなんとかなる。それに、自分たちで作るのは何よりも面白い!」

ということを話してたと思う。
説明会はラフな感じかなー、と思って楽器の片付けをやっていたが、意外にも話の内容が良かったので、手をとめて聞き入った。

ホームランはそんなにないけど、クリーンヒットを量産しているミツルギさんは、今、すごくいい状態だと思う。脚本も面白いし、演出で作っていくところで、さらに面白くできている。

今回、朗読と音楽の、ミツかね堂 with バナナ部として参加させてもらったが、予期せぬことに、劇団超人予備校と絡むところがあったのがすごく嬉しかった。

19日は超人予備校の阿保さんが選曲していたのだが、20日の天王寺動物園での「おはなしえん」は阿保さんが来られないので、場面転換のところもバナナ部に任せられた!
(ワンコインシアターでは阿保さんのピアニカと共演。いい感じでした。)

「おおお!ついにきたか!」という感じだった。

19日と20日朝に大体のところを考えていった。それは自分のソロで済まそうとするものだった。
でも、20日の朝、リハーサルの場で、バナナ部部員、清家さんから「この曲いいんちゃう?」という提案で、それをやることに。

いろいろ出来るようになってきたやんか!バナナ部としてのスキルが上がってるぞ!
自分の決めたところに着地させず、結果、面白いことになった。この感じで、もっといけるぞ。

初めて劇団超人予備校と共演できた。
ほんとに音楽をやっていてよかった、と実感した2日間でした。




写真は「おはなしえん」集合写真

2015年7月17日金曜日

南方熊楠

南方熊楠コレクションが河出文庫から発売されている。中沢新一編で、全部で5巻ある。

南方熊楠は明治から昭和の植物学者であると、一応はそういうことになっているが、特に大学で教えたりはしていない。フリーの学者。
しかし和歌山を後にして世界中を渡り歩き、中国の革命前の孫文と友達になったり、大英博物館に勤めたりしていたようだ。その後、和歌山の田辺に帰って、粘菌の研究をしたり、政府の神社合祀令への反対運動を行い、それをやめさせたりしている。

とりあえず「森の思想」と「南方マンダラ」の2冊を買った。


「森の思想」は南方熊楠の粘菌研究について、またそこから発生したであろう考えを中心に文化人類学者の中沢新一氏の論文と南方熊楠の手紙で構成されている。
植物学の分類に対する考え方が、一般の学者と熊楠の間では大きな違いがあることがわかる。

植物をその特徴により分類していくという当時の植物学では分類しきれない、菌類などの隠花植物がある。
熊楠が研究していた粘菌はその中でも特殊な特徴を持っている。キノコなどのように、茎のような棒の上に胞子を入れた袋状のものができる。その中の胞子が飛び去って、別の場所に落ちると、そこで胞子は小さなアメーバ状のものとなる。それが、複数集まって、動物のように動き、食べるようになる。またしばらくすると、胞子を入れた袋をもったキノコ風のものができる。

この動物的な動きをするところに、熊楠は注目していたようだ。皆が、生えてきた(活動している)と思っているときには実は「死」の状態にあり、べっとりして死んだみたいと思われてる状態のときには実は活発に活動している「生」の状態にあるという、不思議な生物(動物)である粘菌。動物の「生」と「死」が観察できる生き物。ここに生命の秘密を見た熊楠は、民俗学や宗教など他分野を巻き込んで、持論を展開する。

「南方マンダラ」では、宗教の観点から、当時、高野山の僧侶であった土宜法竜氏に宛てた手紙を中心に、熊楠の思想が書かれてある。
真言宗の考えを元にそれに批判を加え、また科学の偉さと幼さを考え、ときどきエロ話を挿入しつつ展開される「南方マンダラ」の話は本当に面白い世界観を語っている。

現代に生きる私達は、科学によって数値化されないものはない、と思い込んでる人が多いが、そんなことはない。広大で複雑極まりない世界を表現することは、科学だけでは全然頼りない。「物」と「心」が交わると「事」が起こる。科学は「物」を記述しているにすぎない。世界には「事」が起こり、それが「物」「心」にフィードバックされていくという。
また、仏教でいう「因」と「果」。原因があって結果が起きる。しかし、それらが交わるところを「縁」といい、これも不思議に満ちている。


世界は複雑な関係の中で常に変化を伴いながら動いている。明日のことなど誰もわからない。しかし毎日楽しく過ごしていくことも不可能ではない。いや、面白いことに満ち満ちている。

今年の読書感想文はこれでどうでしょうか?

2015年7月15日水曜日

魔人塾とおはなしえん

7月はなんだかいそがしい。

19日は「おしばい魔人塾」の「ワンコインシアター」がありますよ。
お子さんを勉強させてもダメですね。進学塾とかに入れないで魔人塾に入れた方がいいですよ。進学塾に入っていい大学や会社に入ったら幸せから遠ざかりますからね。
もし、いい大学や会社に入れたとしても「かっこいい大人」にはなれませんからね。
ここには「かっこいい大人」がいるかもしれませんよ。目の曇っていない人にはわかるはずです。是非!
(注意:「アンパンマンっぽい人」も若干名いるかもしれませんが、全て人間です。「アンパンマン!」と呼びかけないようにしてください。)

ワンコインシアター
作・演出・構成 魔人ハンターミツルギ
7月19日(日) 13時~ / 16時~
*受付開始・開場は各開演の20分前
*上演時間は約1時間
*要予約
料金:大人 500円、 小中学生 0円
だしもの:
お芝居(劇団 超人予備校)
朗読と演奏(ミツかね堂withバナナ部)
ダンス(舞道ダンスシアター)
予約・問合せ:osibaimajin@gmail.com
*ご来場のお時間、人数、ご連絡先をお知らせください。

それと。まだあるんですよ。
天王寺動物園の「おはなしえん」です。出し物はワンコインシアターとほぼ同じですが、マニアな人達はどちらも見に来てくれるそうです。ありがたいことですよ。
これを見て夏休みの作文とか自由研究とか読書感想文も書けちゃうぞ。

『おはなしえん ~朗読と演奏と動物園と~ 』
7月20日(月)13:30/15:30
8月 2日(日)13:30/15:30
8月29日(土)13:30/15:30
入園料は以下のとおり。
◆大 人   500円
◆小中学生  200円
◆未就学児   無料
※大阪市内在住・在学及び大阪市立(市外含む)の学校に在学の小中学生は無料となりますので、学生証・無料パス(大阪市内及び大阪市立の小中学校に配布しています)・保険証(原本)などの住所・年齢を証明できるものをお持ちください。
※大阪市内在住の65歳以上の方は無料となりますので、免許証などの住所・年齢を証明できるもの(原本)をお持ちください。
※身体障がい者手帳などをお持ちの方は無料となりますので、身体障がい者手帳など(原本)をお持ちください。 





2015年7月10日金曜日

リコーダーアンサンブル

昨日は、大津のリコーダーアンサンブルに参加。

朝からだったので、久しぶりに満員電車に乗った。雨が降るかもしれないので傘を持ってたのだが、リュートを担ぐためにカバンに傘をひっかけておいた。気が付いたら傘がなくなっている!!!
大阪駅のホームでは傘のあることを確認していたのだが、京都線のホームに行くまでに落としたのか???
「とほほ」と思いながら、電車で大津へ。幸い雨はほとんど降ってない。よかった。

練習場についてリュートを調弦したが、すごい湿気。こんな日はなかなか調弦が定まらないね。

パーセルやフックス、プレトリウス、スザートなどをやる。ルネサンスからバロックまで、いろいろと。
みなさん、ちゃんと勉強してる感じ。でも、いい意味で体育会系ではない気持ちのいい人達でした。ここ数年で通奏低音をなんとなく弾けるようになってきたので、まあまあ邪魔せずにすんだかな。
でも、ちょっと気になったのが、現代譜を使っていたので、それの出典が知りたいなー、ということでした。(パーセルのファクシミリ譜を見つけた夢を、昨日見ました。)
おいおい探してみよう。

途中の雑談も面白かった。
リコーダーは吹き込む息を減らすと音程が下がっていくので運指でカバーする、とか。いろいろと考えているのですねー。

何か古楽の本読みましたか?という質問に、もう故人となられた佐々木節夫さんの「古楽の旗手たち」を紹介しました。


昨日はタイトルが思い出せなかったのですが、これです!
リュートを買って、古楽を始めた時に読みました。大体褒めているので、人によっては評論とはいえない、という批判もありますが、これを読むことで自分の中で古楽熱が高まり、その後の古楽CD乱買いにつながってゆくのです。

ちょっと時代遅れ感も今となってはありますが、おすすめです。

帰りに大阪駅の忘れ物コーナーで、傘の件を聞いたら、ありました!よかった〜。
後で考えると、荷物が減って楽チンだったのですよ。二重のラッキー感がありました。

2015年7月8日水曜日

ムジカジャポニカ9周年

ムジカジャポニカ、梅田にあるライブハウスです。9周年らしいです!
今まで行ったことなかったのですが。
現地で劇団超人予備校の看板女優と音響スタッフさんと合流させてもらいました。

7月7日、七夕ですよ。
出演は、
1、ミクロムス
2、ショピン
3、ザッハトルテ
の3組。

どれも生で聴いたのは初めて。
ミクロムスは、みにまむすのCDを聴いていたのもあって、わりと知ってる感じ。クスミヒデオさんとはこの前、イベントでご一緒しました。

ミクロムス、面白すぎる!
正直、ミクロムスがトリだと思ってたので、初めに出てきてびっくりした。
午前中の労働をモノともせず、テンション高めのテンポ良いステージは楽しかった。

次、ショピン。
これは、YouTubeで予習していたけれども、いまひとつ分からない感じだったのが、ライブでは説得力がある!どうでもいい内容の曲でも「ああ、そうやな♪」って思える、嬉しい感じがあった。ベースは最近解散したSAKEROCKで弾いてた人です。この人の作曲センスは好きですね。

3組目、ザッハトルテ。
これは本当に知らなかった。
ヨーロッパを中心として、その周辺の音楽を取り入れてオリエント風に仕上げてある。チェロとジプシーギターとアコーディオン。これだけだったら、よく知ってる音楽。もちろん全員が上手いが、特に思い入れもない。(ジプシー音楽は結構好きなんですがねー)
しかし!!!
このバンドの凄いところは、いちいち昭和感が漂ようのです。特にギターの人。ジプシーの使うセルマー(かな?)のギターを使いつつも、MCでテンポ感よく行こうとしているが、すべて空回り。好感度大です。こういうの好きなんです。
登場の時もしょぼい手品をやっていた。また、最後の盛り上がりのところで「南京玉すだれ」を披露。このセンス、素晴らしい!

最後に全組出てきてセッション。感動とは無縁であるが、こんなに面白いライブ、初めてだったかも。

いやー、ほんとにいいライブでした。

終演後、眠眠で食事。後で僕が払ったのですが、ちょっとええカッコしよ、と思って「千円でいいよ」と言ったけど、きっちりと割り勘となってしまいました。とほほ。眠眠って安いんですね。全部出すべきだったよね。すみませんね。

これに懲りずにまたご飯付き合ってくださいね。今度はおごってあげられるかも。きっと。いや、たぶん。期待せずにお待ちくだされー。

2015年7月2日木曜日

現代漫才論(祭)

「現代漫才論(祭)」行ってきました。ロフトプラスワンWESTにて。

これは一体何なのか?
「現代漫才論(祭)」とは、弁護士である角田龍平氏が、日本放送から配信している「角田龍平のオールナイトニッポン ポッドキャスト」ではおなじみの、明石家さんま研究家のエムカク氏と放送作家である柳田氏を迎え、「明石家さんまの誕生日を勝手に祝う会」と銘打って、明石家さんまに関わる研究を発表するイベント。去年からやっているとのこと。学生の時からの友人である小野君にこのポッドキャストを教えてもらい、イベントにも行ってみようと思った。

ポッドキャストを入念に聞き込んで、予習は十分。
そのせいかどうかはわからないが、こんなに興奮したことはなかった。19時半〜23時までの3時間半(休憩10分)という長丁場だったが、あっという間だった。トイレに行く時間も惜しいくらい。

テーマは「オレたちひょうきん族」。
ちょうど、小学生から中学生、高校生まで見ていた番組。「8時だヨ!全員集合」を見なくなって「オレたちひょうきん族」に乗り換えた時のことを覚えている。

エムカクさんは、「オレたちひょうきん族」が1981年に始まってから1989年に終わるまでの明石家さんまの活躍ぶりを発表。タケちゃんマンのコーナーを中心に、ブラックデビル、あみだばばあなどの悪役の変遷ぶりと、途中の見どころを紹介。
明石家さんま愛に溢れる内容に、笑いながら涙するぐらい面白い。
濃い2時間でした。

休憩を挟んで、次は柳田さんの発表。
柳田さんは製作の視点からの「オレたちひょうきん族」、または北野武が明石家さんまをどう見ていたのかという内容。当時のディレクターであった三宅氏との3人の関係など、興味深い。それと高校サッカー奈良予選結果の疑惑に終止符が!(これはポッドキャスト140回目をお聞きください。それと東京公演があるみたいなので詳しくは書きません。)

どちらも共通していたのは、明石家さんまが損得なしに人を笑わせることが好きな人だということであり、そのためには全力投球で臨む姿勢を強調していたこと。

それは発表した2人にも同じことがいえる。
それと、この2人を公の場に引っ張り出してくれた角田先生も素晴らしい。
「どうでもいいこと」って、見る角度を変えると素晴らしく素敵なものになる。それを、面白く伝えてくれる。
面白いものは損得勘定ではなく対象への愛によって作られる、ということを強烈に感じることができた。

好きなものを追求していくことって、歳を取るとなかなかやらなくなってくるけど、この人達を見てると自分の甘さを反省もする。

いや、こんなに感動するとは思わなかったな。
すばらしいイベントでした。


写真はお土産。エムカクさん作成の「オレたちひょうきん族年表」と柳田さん作成の「全員集合! VS ひょうきん族 土8戦争」。