世間はクリスマスに浮き足立っていますね。三角帽かぶって、ネクタイを頭に巻いて、「ガハハ」と笑っていられるようなサラリーマンを一度やってみたかった。「アホ」って素敵。
「16〜17世紀の宗教合唱曲を歌う会」ってのがありまして、プリンチピの笠原さんが指揮、歌や楽器の指導はプリンチピ関係者という、ほんとに素敵なアマチュア団体がありますが、今年は聴けてないんですよね。いつもは受付を手伝っているのですが、「おはなしえん」の前日、それも1回しか全員集まらない稽古だったんで、ごめんなさーい、って感じで欠席しました。
アマチュアって言っても、ソロをとるのは関西のトップ歌手、それぞれのパートのソロも、半分プロみたいな人がオーディション受けて歌ってるんやから、そらしっかりしてますよ。もちろん合唱、楽器の人もオーディション有りです。
今年はシュッツの「クリスマス物語」でした。
この曲、聴いたことがなかったので、買ってきましたよ。
アンドルー・パロット指揮、タヴァナーコンソート、合唱団&プレイヤーズ「シュッツ クリスマス物語」です。80年代の録音。このジャケット、よく見てた気がする。90年代後半に古楽を聴き始めた時によく売ってたように思う。
ソロの歌手が豪華です。ソプラノ(天使役)はエマ・カークビー、テノール(福音史家役)はナイジェル・ロジャース。ナイジェルは笠原さんの先生ですね。
なんとロンドンのアビーロードスタジオ録音です。クラシックファンにはどうでもいいことでしょうが、ビートルズファンには見逃せないところです。
シュッツはバッハより1世紀前にドイツで活躍した音楽家。
この曲は聴きやすいですね。福音史家のレチタティーヴォ(「歌」でなく「語り」の部分)もバッハのように厳しくはないし、全体にやわらかい印象。歌と楽器が溶け合っていい気持ちにさせてくれる。
80年代の録音って、実はあんまり聴いていない。録音レベルが小さいし、2000年0年代以降のポピュラー路線にも乗っかる前なのでわかりやすくない。そんな感じが、ちょっと初心者には買うのをためらわせるようなところがあったかな。ジャケット見ても、売ってやろうって感じがないですね。クラシックファンの中に一定数いる古楽ファンに売れればいいよ、ってことでしょうかね。
でも、売れたい気満々の0年代ポピュラー古楽を聴いた後では、こちらの方が説得力があるように感じられる。そらそうやな。大衆受けを狙わず、ちゃんと楽曲の理解を経たうえで、その時代のトップ奏者がやってるんやからな。でも、0年代のは今のクラシックの売り方ほどひどくないですけどね。ちゃんと知識があって上手い人がやってます。売り方の問題かな?
今のクラシック、特に日本では、どのくらい勉強してるかってとこは、1日どれだけ練習するか、ってことにすり替わっていますね。また、楽器やいろんなものから霊感をもらうことをやたらと口にする。イケメン(男はロン毛も多い)と美人が多いのも特徴。SMR河内さんはそのセオリーを忠実に守っただけなんですよね。
やってる本人はバッハとベートーベンとブラームスがいつの時代かわかってないらしい。。。すみません。それはあんまりですね。言い過ぎました。でも普通、クラシックを聴かない人はそんなもんですよね。そんなもんでも顔が良くて(ここ重要)指が動けば、日本では一時的にスターになれます。あとであの人が千の風になったように、その場に長くいることはできませんけど。僕もロン毛にしようかな。
ああっ、僕としたことが。つい、愚痴と毒を吐いていました。
そういう軽いクラシックもどきなんか聴かずに、70〜80年代録音の古楽を聴いてる方が面白いですよ。でもその頃のディスクってほんまにいいな。こういう演奏、もっと再発してほしいし、日本でもこういう演奏ができる団体が増えてほしい。
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