2019年5月11日土曜日

アルス・スブティリオール

今年の正月から行ってる「アルスノヴァ読譜コース」の講習ですが、もうパートIIIです。まだムジカフィクタが怪しい感じなんですが。

パートIIIだけあって、結構手強いやつも出てきます。
今回の宿題はこれ。

「Inclite flos orti Gebennensis prestantibus roribus immensis」Matheus de Sancto Johanne

3パートあって、それぞれでメンスーラが違います。メンスーラというのは長い音符をどう分割するかの決まりで、現代の楽譜の拍子みたいなもんです。ちょっと違いますがね。
メンスーラがパートによって違うというのは、例えば、カントゥスは4/4拍子、テノールは9/8拍子、コントラテノールは6/8拍子というふうに違うんです。これ聞いただけでめんどくさいでしょ?さらに面倒なことにそれぞれのパートが途中でメンスーラが変更されます。一番音価の短い音符を各パート共通の長さとして、トランスクリプションを作っていきます。
だいたい読みましたが、ずれてます。合わないのかな?ちゃんと同じところで曲が終わってくれません。やっぱり間違ってるのか???

こういうややこしい曲が作曲されたのは、アルスノヴァで記譜がちゃんとできるようになったと思ったら、それをややこしくしてやろう、という連中が現れるんですね。アルス・スブティリオールと呼ばれているものがそれ。14世紀後半から15世紀初め頃に作曲されました。作曲者には、ボード・コルディエ、ジャコブ・ド・サンレーシュ、シュゼ、マッテオ・ダ・ペルージャなどがいる。

マショーが出てきて、100年後ぐらいにデュファイが出てくるまでの間の時代。もう、なんでもありな感じもする。
結構ヤバめな曲もありますよ。「Fumeux fume」という曲(ソラージュ作曲)、邦題「燻った男」は、これらの中でも有名曲らしい(僕は知らなかったけど)。燻った男、要は、”煙を吐く男”は”薬物を吸ってるやつ”っていうことか。アヘンか当麻かわからないけど。
この曲はマンロウの「宮廷の愛」の2枚目に収録されていますよ。
その他の作曲者で僕の手持ちのCDは、この2枚かな。
ロンドン中世アンサンブル「マッテオ・ダ・ペルージャ世俗歌曲集」

 おなじく、ロンドン中世アンサンブル「悪魔の歌」

あと、フィリップ・ピケットのやつを昔持ってたけど、売ってしまった。手放すんじゃなかったな。
興味ある人は聴いてみて!

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