インディペンデントシアター1st が新しくなりました。場所はインディペンデントシアター2nd よりちょっと北側です。
6月4日に杮落とし公演「火曜日のゲキジョウ 30×30」に早速行ってきましたよ。
「火曜日のゲキジョウ 30×30」とは2劇団を30分ずつ交互に上演して、入場のタイミングによって2劇団を鑑賞することができるという企画です。お客さんの投票と劇場からの推薦で「30GP」への出場権を得ます。それは勝ち抜き戦で、グランプリになった劇団には、賞金と副賞として劇場をタダで使える権利が与えられるのです。
僕は18時30分から観たので、初めは「三等フランソワーズ」です。なんと去年の「30GP」の覇者です。今回の演目「Birthday」は、小さい頃に父と別れた少女が、1枚の写真を頼りに、クリスマスに父を探しにくる物語です。その父は女装しておかまバーで働いています。
始まってすぐに、観たことあるやつや、とわかりました。3年前の「30GP」で観ました。そのときはあんまりピンときてなかったので、ああまたか、という感じだったのですが、途中からどんどん引き込まれて、最後に泣かされてしまいました。めちゃめちゃ良くなってるじゃないですか!さすが、去年のグランプリです。役者がみんな上手い。今、絶好調の「三等フランソワーズ」、もっと観てみたい。
いきなりすごいものを観てしまったので、後の「超人予備校」は苦戦するやろなー、と思いましたが、全然そんなことなかったですね。暖かい空気の漂ってるなかで、一瞬で空気を変えてしまいました。
「超人予備校」の演目は「デザート砂漠」。いつものとおりダジャレっぽいタイトルです。紅の豚風の主人公が飛行機を操縦していると、飛行機の調子が悪くなって砂漠に墜落してしまうところから始まります。でもその砂漠は「砂」ではなくて「きな粉」で出来ているという、頭の中からうどんが出てきそうな設定です。そこにラクダが通りかかり、一緒に水を探しにいきます。一方、砂漠の中には白玉がいて、きな粉にまみれて黄色くなっている白玉と白いままの白玉が、生きることとは何か、みたいな話をしています。
紅の豚とラクダと白玉たちはいずれ出会い、世界の果てを見に行くが、それは病院で甘いものを禁じられている紅の豚の夢であるという。
全編ムダだらけな内容の中で、ムダのないセリフと構成。内容が哲学的になりそうになると、それを一瞬で打ち消す。難しいことを考えて偉そうにしていると、一瞬で足元をすくわれる。内容がすごくありそうやけど、ない。なさそうやけど、やっぱりあるのか。作者の魔人ハンターミツルギさんの頭の中はどうなってるのか?
終演後の打ち上げで、「人生でこんなにムダな30分はなかった」とミツルギさんや劇団員に伝えました。いや、誉めてるんですよ。
意味のない内側はどこかで外側とつながって裏表なんてなくなる。形になるとなにか意味がありそうに思えてきて誰かが意味を考え出す。それは、時間が経つと権威付いてくるけど、実は何もないところから生まれた。僕はいったい何を書いているのか?
ひょっとしたら超人予備校のベストを観てしまったのかもしれない。こんな超予備を見たかったのです。
人生に意味なんてないんだよ、と言われている気がした。
笑うときは全力で笑おうという気になるな。
「火曜日のゲキジョウ 30×30」杮落とし公演、2劇団とも本当に素晴らしかったです。
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