音楽家は本を読まない、と思っていた。
クラシックギターをやってた時はほんまに読まんかった。というか、お金が無かったし(それは今も同じか。。。)、そんな読んでる時間があるなら練習したいと思っていた。
リュートを手に入れてから徐々に変わっていったかな。
まず、楽譜を買わないといけないのだけど、これがやたらと値段が高い。クラシックギターやったら1000円から2000円ぐらいやのに、5000円から10000円はする。
でも、よーく考えたら30〜50曲ぐらい入ってんのよね。それなら結構安いか。今はネットでヨーロッパの図書館や楽譜画像共有サイトなどで無料で手に入る。いい時代やな。
古楽って結構わからんこと多いんよね。
海外ではいろいろと本が出ているみたいだけど、日本ではまだまだ。演奏者のエッセイ的なものばかり。最初のうちは読んでたけどアホらしくなってきた。知りたいことは何も言ってくれていない。
中世/ルネサンスになるとさらに数が減る。でもいくつかのいい本もあって、中世音楽の概要はだいたいわかる。細かいことになると研究者の本でないと書いていない。90年代に中世音楽をやる機会があって、それを調べようとしたけど、どうやっていいかわからない。トゥルバドールなども、聴く機会はあったけど、それについては何を調べればいいのやら。
それが、2005年ぐらいから古楽器の講習会に行くようになって、やっと最近、調べ方がわかりました。なんのことはない。図書館に行って音楽辞典を調べればだいたいのことは載っている。その項目の最後には参考文献まで載せてくれている。こういうことって大学で気づくべきやったんかな。勉強しなかったから仕方ないか。。。
日本語訳はほとんどないので英語かどうか調べて、研究書を買うようにしている。だいたい知りたいことはそこに書いてあることが多い。それでもわからないことも多いけど。でもちょっとはマシになってきたってことだよね。
日本って本や文書を保存することや、学問や芸術についてのリスペクトが無さすぎるように思う。図書館が立て替えた新しい場所に本が入りきらないから、入らない分を燃やしちゃったりしてる。ヨーロッパでは古代ギリシャの文化が復興(ルネサンスです)したのは、古代の本が保存されてたからですね。あ、イスラム経由のものも多いそうですが。
日本ではそんなこと起こりそうにないな。
で、最近読んでる本。
「Voices and Instruments of The Middle Ages」Christopher Page
12世紀から13世紀のフランスあたりでの音楽はどんなものだったか、を研究した本です。トゥルバドール、トゥルヴェールなど、歌に伴奏を入れていたか、伴奏する楽器のことなどが書かれています。英語なので本当に読みきれるのか不安ですが、今のところ順調。
「もうひとつの中世のために(西洋における時間、労働、そして文化)」ジャック・ル・ゴフ
5世紀ぐらいから労働って軽蔑されていた。それがどう変わっていったか、の観点で書かれた論文集。ちょっと読み応えありすぎる。長い。。。
「オスマン帝国」鈴木薫
ルネサンス期の西洋を恐怖に陥れたオスマン帝国とはどんな社会だったか。当時の西洋諸国よりはるかに進んだ国だった。
「パイドン(魂について)」プラトン
ギリシャ時代の本が文庫で売ってる時代ですよ。これは岩波じゃなくて光文社。なんとなく読めそうな気がする装丁です。死んだらどうなるのかを死刑前のソクラテス先生に聞いてみる。
まさかの4冊平行読み。実はもう1冊あるけど、最近読むのをやめている。
がんばろうっと。
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