ホイジンガ「中世の秋」を意識しまくっている、ウイリアム・J・バウズマの「ルネサンスの秋」(みすず書房)読了。320ページ、2段組みという大著です。久々に歴史の本を買ったのですが、かなり面白かったです。
内容は前半、ヨーロッパにおこったルネサンスという文化的運動を前向きなところからとらえていて、ガリレイの地動説や、印刷技術によって本が大量に出版され知識の量が膨大になってきた、など、この時代(1550年〜1640年)に人々の意識がかなり変わっていった事が述べられています。また、演劇がさかんに行われ、それを観に行く人も上流階級から一般人まで様々な人々に影響を与えだしている。
後半は、その前向きな反動として、秩序を乱すような事をやめよう、という運動も同時に起こっていた事も書かれています。
今まで天が動いていると信じていたのに、「地球が回ってるんやで」と云われて、それが「この本に書いてあるから」みたいな時代になってきたって事ですね。情報が大量に手に入るようになってきて、教会や王様のいう事が「ちょっと違ってるやろ!」とつっこみを入れられるようになっていったんです。市民革命に至る考えの変化がこの頃に生まれ始めていました。その反面、規制も厳しくなっていきました。
また、自己とは何か、という事は、今までのように教会のいう事を信じてたらいいと思えなくなり、不安感も増していったそうです。憂鬱(メランコリー)っていうのもこの時代に流行ったんですね。
結構、今とそっくり。
0 件のコメント:
コメントを投稿