2014年1月23日木曜日

新春BIG対談 笠原雅仁 × 小松一也

お正月気分ももう抜けてから大分たちますね。次は節分が楽しみです。(←ホンマか???)
先日、神戸にあるプリンチピのアジトとしてもらっているTDK邸でプリンチピ新年会が盛大に行われ、以下の対談が行われました。その模様をお届けいたします。

●お正月はカフェイン中毒?
小松(以下、小)どうも、明けましておめでとうございます。
笠原(以下、笠)おめでとうございます。
小 お正月どうでしたか?
笠 そうですね。結構忙しかったですよ。13日には博多でチャペルコンサートがありましたし。
小 11日から博多入りだったのですね。屋台とか行きました?
笠 残念ながら行ってないんですよ。行きつけの店(天神ビル前の「みっちゃん」皆さん是非行ってみて下さい!)休みだったんです。でもラーメンともつ鍋は食べに行きました。
小 博多の屋台のあたりの水道からはラーメンのスープが出てくるとよく聞きますね(笑)
笠 うそに決まってますよ。
小 そうですね。その頃、こっちではT先生の講習会がありました。
笠 Tさんお元気でした?英国時代、大変お世話になりました。
小 まあ、いつも通りですが(笑)、なんか「エナジードリンク」を飲み過ぎて中毒になったって言ってました。
笠 僕もコーヒー大好きなので、一日に何杯も飲みますが、本番の日は絶対にカフェインやテインは摂取しません。心拍数が上がって演奏に全く集中出来なくなるんです。
  そうかと思えば、僕の友人などは(特にラテン系の国の人は)エスプレッソやマテなど、キツそうなやつを本番前に飲むと、指が良くまわってディミニューションが冴えまくるっ、て言ってます!
小 お、それはすごいですね。でも大量に摂取するとよくないんですかね。心臓がバクバクするって。そういえばバッハの時代にコーヒー依存症というのがあったということですが本当なのですか?
笠 何かその話し聞いた事がありますね。でも以前タバコをアホみたいに吸っていた頃は、朝食抜きで、寝起きに必ずコーヒーとタバコだったのを思い出しました。血管を拡げたり狭めたり、良くなかったんでしょうね。。。タバコはきっぱりやめましたが、それで浮いたお金が今では高血圧の為の薬代に化けました。。。
小 まあ、薬ということでは似たようなものでしょう(笑)最近、シャキッとさせる栄養ドリンクみたいなのが、結構出てますね。「メガシャキ」とか「眠眠打破」とか。コーヒーより多いカフェインを入れてあるみたいですよ。
笠 あれねぇ、過去に一度同様のドリンクを摂取したあと、高速道路を運転したんですが、(その時は以上なまでに睡眠を我慢した上だったので、普段はそんな事ないはずですが)ひどいめまいに襲われて、平衡感覚が全く無くなって、急に路肩に寄せて、急停車した事があるんです。怖いですね~。
小 でもカフェイン増量ドリンクって増えてるんですね。昔は取ったらあかんものと言われていたような気がするけど、知らないうちに「ええ」ことになってるんですね。
笠 そうですね。脱法ハーブなんて、ハーブって言ってるけど合成麻薬ですからね。
小 ねえ。ハーブが自動販売機で売ってたら、芦屋の御婦人なんか、「あら、今日のスネ肉煮込みに赤ワインと一緒に入れてみようかしら?」なんてなりかねませんよ。それはそれで面白いかもしれませんけれども(笑)
笠 ははは(苦笑)

●ワインと料理美味しいぞ
小 それにしてもこの牡蠣美味しいですね。
笠 最高です。
小 これ僕が殻を剥いたんですよ。
笠 ええ。
小 え、それだけですか。
笠 あ、ご苦労様でした。それにしても美味しいです!
小 そ、そうですね。
笠 これどこから買ったんですか?
都築 坂越(さごし)からインターネットで取り寄せました。
小 そうらしいです。
笠 こんなに大きい牡蠣、なかなか無いですね。
(しばらく夢中で食べる)
山縣 次はいよいよスネ肉ですね。
小 あ、脱法ハーブを入れたやつですね。
全員 入れてないよっ!
小 あ、そうでしたそうでした。芦屋のマダムが入れたら大変って話でしたね。
笠 入れなくてもおかしくなりますよね(笑)

●今年の抱負
小 さて、新春ですから、今年、プリンチピ・ヴェネツィアーニで何をするのかを聞かせてください。
笠 南米ものかリガッティですかね?
小 南米ものは少し聴いた事がありますが、リガッティは知らないです。マニアックにいくか、ちょっと知ってるぞっていう方にいくかですね。
笠 皆、どっちも知らないでしょ。。。全然違うものかもしれません、う~んわからないっ!(笑)
小 とりあえず16世紀か17世紀ですね。やっとここ10年ぐらいでその辺の録音が手に入るようになってきましたね。
笠 そうですね。でもポピュラー路線にいく場合が多いので油断はできません。
小 そうそう、それにからめて何か面白いものをやっていきたいのですが、コンサートのときに売るグッズものなんかどうでしょう?よくあるのが、Tシャツ、ステッカー。何か独自のものがあればいいんですがね。
笠 録音はしたいけど、CDは最近作る気にならないですね。ネット配信、これでいきましょう!それか限定のヴィニール版かソノシートとかね。
  でも必ずCD出してますか?とか、コンサートの後とかに販売して下さい!って言われるので、名詞がわりにでも
  やはり必要なんですかね。。。
小 CDに訓子さんの生写真封入なんてどうでしょう。5パターンぐらい作ってどれがでるかわからないという。
笠 うーん。
小 あ、じゃあ、手ぬぐいは?
笠 永ちゃんのタオルみたいですね。
小 今年は松陰が3月なんですね。僕も参加しようか迷ってるんですが。
(※神戸松陰女子学院大学の公開講座。例年は初秋から練習始めてクリスマスに発表をする。今年はいろいろ大人の事情で3月本番です。)
笠 ぜひ参加してください。
小 でも直前練習の日に別の予定があるんですよ。練習に全部出席できないんです。
笠 そんな事いう人初めてですよ。本番出れない人もいるんですから。
  じゃ、個人レッスンします!
小 ああ、そうですか、その時はよろしくお願いします。

●この戦略でいこう
小 ええと、プリンチピをみんなに知ってもらうにはどうしたらいいか、を考えていきたいと思います。僕は「みうらじゅん作戦」でいこうと思っているんですよ。ゆるキャラブーム、マイブームなど、本当にブームになりましたよね。あれって作戦があって、あらゆるメディアで同じ事を言い続け、書き続けたそうです。それで飲み会などで「最近、これ流行ってるらしいね」「あ、それこないだ見た!」っていう事になって、みんなが流行っていると勘違いするところから、本当に流行る事になっていったらしいです。
笠 詐欺ですね(笑)
小 そうそう。騙すんです。佐野元春も売れていない時、登場するときに「今、一番流行っているこの曲からスタートだっ」て自分でアナウンスしてステージに出てたって。
笠 もっと古楽全体が盛り上がっていかないといけないなって思います。
小 そうですね。コマーシャルとかで使ってくれたらいいんですよね。放出中古車センターのコマーシャルとかだったらインパクトありますよね。
笠 ハナテン中古車センター?
小 あ、近畿だけですかね。夜中の番組なんかみてると、女の人が寝ていて、そこに男が入ってくるんですよ。それで「あなた、いったい誰?」っていって♬ハナテン中古車センーター♪って歌が入る(笑)
笠 下世話な感じですね(笑)でも、放出=「はなてん」最初、全く読めませんでした。。。情報を発信すると言えば、まだ構想練っている段階ですが、以前にもご相談させて頂いた、某ラジオ局から海賊放送的に配信する短い番組「3分古楽」(仮名)を是非、小松さんの司会でやって頂きたいです。
小 そうそう、クレマン・ジャヌカン※なんか使ったらいいんとちゃう?(※ルネサンスの作曲家。エロ歌詞で有名。ちなみに「クレマン・ジャヌカン」を変換しようとしたとき「クレマンじゃ抜かん」になってしまった。どうでもいいことですが。)
笠 そんな事を言う人は即、出入り禁止、放送禁止ですね。

●日本の音楽教育はくそくらえだ
小 それにしても、日本って音楽や演劇や映画など、どんな芸術でも「売れてる」「有名」じゃないと見向きもしないね。
笠 うんうん。食物偽造が少し前に話題になりましたが、本物と偽物の違いがわからないから、自分では判断出来ないんでしょうね。後は日本の聴衆は作品や作曲家を目当てにするのではなく、演奏者の人となりを見に来る人が多くてビックリします。
   クラシックのレパートリのように何回も何十回も聞いた事のある曲だと、違うソリストやオケなどで聴き比べたくなるんでしょうね。それは自然の事ですね。後期のバロックならおなじみの曲は多いですが、初期バロックのレパートリーはそんなに何回も聞くチャンス、ないですしね。1回きりの演奏でしかも日本初演なんて曲、よくやってますが、いちいちプログラムにも書きませんしね。。。
小 やはり自分から聴きにいくようにならないと善し悪しの判断はできないですね。特にクラシック音楽だと、自分で好きになる確率がすごく低いので、「有名」っていうくくりでしか判断しないのかな。そういえば、インマゼール※のコンサート行った時に隣のおばさんが「この人って上手いの?」って聞いてきました。「聴いたらわかるでしょ?」って言いたかったけど「うん、すごく有名な人ですよ」って答えときました(笑)。おばちゃんは「へええ」って感じでしたけど。(※フォルテピアノ奏者/指揮者。18~19世紀頃の音楽を専門とする。)
笠 日本の音楽大学ではそういった指導をしているんですかね?僕はあまり学校に行っていなかったのでわかりませんが。。。
小 自分で好きになる機会があれば変わってくると思うんですよ。昔、小学校のときに、音楽の時間で一番嬉しかったのはレコードを鑑賞する時でしたね。それで、憶えているのが、シューベルトの魔王を聴いたんです。それが日本語で歌ってる。その後、クラスで大流行しました。魔王とお父さんと子供の役を決めて、3人で歌い上げるという。
笠 3人で歌い分ける。それが本来のやり方ですよ!まるでオペラです。
小 でも、ざじずぜぞは言えません(笑)。
笠 話を戻しましょう。でも自分でどうするか決められないのは、レッスンをしていてもよく感じますね。
小 そうでしょう。講習会に行っても、どうしたいのかわからないんですぅ、みたいな人って結構います。せっかく見てもらえるんだから自分の好きな事をやればいいのに、間違ってるって言われるのが怖いんでしょうね。
笠 そういうのは格好悪いですよね。
小 そうですね。やはり自立した人間を目指すということでしょうか。
笠 自分でいろいろ決めていけるようになる!そうしなければ格好悪いということを広めていきましょう。
小 その通りです。今日はありがとうございました。
笠 ありがとうございました。
笠 ところでこの対談って何がBIGなんですかね?
小 僕らのお腹、いやいやいや、僕らの夢ですかね。
笠 「大きい事はいいことだ~!」とむかしCMで誰か叫んでましたね。
  キタローネも夢も大きい方がいいんです!

2014年1月12日日曜日

古楽講習会 in 大津

11日、大津・びわ湖ホール練習室での古楽講習会に行ってきました。
受講者は僕を含めて6組。
先生がバロックギター/リュートの専門なので、撥弦楽器がどうしても多くなるのですが、昨日はバロックフルート、リコーダーが入って、ちょっと華やかな感じ。ルネサンスリュートもソロあり、通奏低音(伴奏)あり、またバロックギターのラスゲアードありで多様で興味深いものでした。

打上げに向かう途中、通奏低音をした友人Yと「ピアノの発表会ってくだらんな」という話をしました。みんな音楽を聴きにきているのでなく、自分の子供の写真を撮りにくるんですね。で、よその子が弾いたあと「チッ」と舌打ちする親もいるそうです。

先生のいうルネサンス/バロック音楽の考え方と現在の日本の音楽の考え方があまりにもかけ離れていて、なかなか先生のいうところの音楽に持っていくのはとても難しい。現代の日本で楽器を習うと、機械的な練習をやらされて、指がいかに正確に速く動くかということを目指してしまうように思います。まあ、弾けるようになる為には初めはある程度必要なのですが、それだけで終わってしまい、音楽の面白さをわからないうちにしんどくなってやめるんですね。

講習会では、それと真逆の事をします。楽しむにはどうするのか。
1、楽器の持ち方は楽な方が良い
2、楽器は弾いていて楽なものを選ぶ
3、曲のどこがカデンツになってるか、曲の構成はどうなってるか
4、合わせるときは初めにカウントをとらなくても合う
5、目標となる完成形があるのではなく、その場で起こった事に反応できるようにする
などなど。
5番など、完成形をやはり決めてしまって、それから外れたら「おまえ、間違った!」って避難されるんですが、完成形を決めなければ、外れても間違いじゃないんですよ。音間違っても「前衛的な和音やな」って事になります。(笑)

昔は音楽って人に聴かせるものではなくて自分達で合わせたり、ソロ弾いたりして楽しむものだったんですね。それがいつからか人に聴かせるものになっています。
今のアマチュアミュージシャン(僕を含め)達は、人にカッコよく聴かせなければ!という呪縛からそろそろ逃れることを考えた方がよさそうです。

2014年1月10日金曜日

SNSS

facebookって、リア充のネタしかない、とよく言われています。そう思ってみていると、あるわあるわ。

今日、こんなもの食べました!っていうのが多いね。そのキモチはわかるけど、ちょっと豪華すぎへんか?豪華すぎたからfacebookに載せるんか?そのへんわからないけど、ちょっと嬉しいこと、例えば、立ち飲み屋でホッと一息な時に出てきた日本酒と肴など、写真に撮ってしまいますね。

ということは、豪華な料理を載せてる人は、普段から結構良いもの食べてて、久しぶりに超豪華!!!なものを食べたから載せるんやろうか。いやいや、いつもこんな生活やで、ってみせびらかしたいのか。人のネタには「おはようございます」って挨拶だけしとけば、なんとかなるやろ、的な。

お前ら、どんだけHappyやねん。なんかイライラするわ。

これが、SNS(ソーシャルネットワークサービス)ストレスか。略してSNSS。僕にもようやくわかったわ。要するに低所得層のやっかみやな。

そういうワタクシも、自分のHappyだった事を載せ続けてます。

今日は、明日の講習会でのセッションのお題が出てるので、そのネタを考えて、これはいけるやろ!というのがいくつか考えだせたのだ。もう、面白いギャグを思いついた時のようにうれしいねえ。面白い冗談を、最高のタイミングで言えたときってのが一番嬉しいですね。あ、いやいや、リュートを上手く弾けた時が一番ウレシい。って、もう説得力なくなってますな。

でも、自分をお金持ちに見せたい人から見たらショボい楽しみなんやろな。まあ、せいぜい楽しみますわ。ぐわっはっはっは。

2014年1月1日水曜日

Luzzasco Luzzaschi

ルッツァスコ・ルッツァスキ。言いにくい。
ルッツァスコ・ルッツァスキルッツァスコ・ルッツァスキルッツァスコ・ルッツァスキ。
3回言ってみたけど言いにくい。

まあ、そんなことは置いといて。

みなさま、明けましておめでとうございます。
昨日は、無事、借金取りから逃れられた事と思います。


年末のくそ忙しいときに呑みに行くアホもおらんやろと思いつつ、飲めるところを探した31日。ありましたありました。裏なんば「兵吾」さん。風の森・純米秋津穂、口当たりがよすぎ。途中から芸人さんらしき人が入ってくる。ナオユキさんでした。ぜんぜん知らなかったのですが、R1グランプリの決勝に出てたらしい。しばし、芸談。こちらの話もいろいろ聞いてくださって有難うございました。お若く見えるが、僕よりいくつか上でした。失礼ツカマツりました。

そうそう、ルッツァスコ・ルッツァスキの話でした。
マドリガーレ集第5巻 演奏ラ・ヴェネクシアーナです。最近、16世紀終わりから17世紀初めにかけてのマドリガーレにぐぐっと惹かれるものがあるのですが、何とも華やかな感じがします。この期間だけにあって、18世紀になるともうこんな感じの曲は無くなってしまうのです。ミサ曲みたいに荘厳でもなく、カンタータみたいに俗っぽくもなく、いい感じにバランスがとれています。

この辺の音楽、もっと聴きたい。今年はこのあたりの音楽に市民権をあたえてみたいな。「○○○アンサンブルのはいいけど△△アンサンブルはもう1つやな」とか、そんな偉そうなことを言ってみたいよ!