2016年4月25日月曜日

EXTRAVAGANZA3!

「ベステンダンク」?「虹の都へ」?どっちだったっけ。よくわからなくなるんです。とにかく90年代の高野寛の曲。
そのどちらかの曲から始まりました。
舞道ダンスシアターの発表会「EXTRAVAGANZA3! ~にじのまち~」。
うーん。発表会では全然ないな。本公演といってもいいでしょうね。

タイトルの通り、「3」なので1と2があったみたいですが、僕にはこれが初めての「EXTRAVAGANZA」です。


期待はしていたけれども、こんなに見応えのあるものになっているとは思いませんでした。
ダンスと芝居が交互にあらわれる形式なのですが、ダンスと芝居もうまく関連付けられていて、ダンスと芝居の受け渡しのタイミングも抜群。一気に2時間駆け抜けました。

芝居の部分は劇団超人予備校によるもの。眠れない女の話。
ん?どこかで観たことあるぞ?そうです、去年の超予備本公演を観た人にはお得感満載のお話でした。

まさか自転車に泣かされるとは思っていなかった。
乗る人が変わると捨てられるというやるせない現実を前に、子供用自転車と三輪車が自分の良さに気付いていく。
また、主人を待ち続ける死んだ犬達の話も、お金がなかったり病弱だったりしたけど、飼われていた時の主人との暖かい関係を思い出し幸せを見つけ出す。

また、天王寺動物園でやってる「おはなしえん」も、少し絡めてあるのは嬉しい。

また、最後の「虹の街」の話に懐かしさでいっぱいにさせられる
子どもの頃お父さんといった虹の街の思い出が語られる。そういえば、難波に虹の街ってあったなあ。今はなんばウォークになってる。子どもの頃、和歌山に住んでいた僕も行くのが楽しみだった。本当に大都会のキラキラしたイメージだけが残ってる。
この話の途中で、三輪車と子供用自転車に乗っていた子供が、この眠れない女(メイという名前)で、飼っていた犬の名前の真相が明らかになって、前の話とつながってゆく。
いつのまにか眠れない女は幸せな眠りについている。

この芝居が舞道ダンスシアターの先生と生徒さん合同のダンスの間に置かれている。
ダンスの生徒さんは、子供から大人まで幅広い年齢層。タップダンスを中心にブレイクダンスなどもある。
ダンスって観てるだけでこっちの気持ちが上がってくるのがわかるな。先生が上手いのはいうまでもなく、生徒にも上手い人が何人かいた。それにしてもマイケルジャクソンのスリラーを今観れるとは!

ミツルギさんの作品は、報われないものや忘れ去られているものを可笑しく描きながら最後には希望を見せてくれる。舞道ダンスシアター主宰のニランジャンさんとアムビカーさんはそういうミツルギ作品が本当に好きなのだろう。ダンスと演劇って別々でも成り立つけど、一緒にやるとそれぞれの良さを高めあって本当に素晴らしいものになる。

公演の最後に、出演者全員のダンスの後、ニランジャンさんとミツルギさんが二人、兄弟のように仲良く舞台奥に入っていく後姿が印象的でした。


公演後は観に来ていたお客さんと飲みに行って、演劇や音楽のこと、また会社でのことなど、いろんな話をした。
いい1日でした。満足。

2016年4月18日月曜日

踊りと演劇と音楽

踊り(ダンス)を観て泣いた経験はありますか?
僕はあります。

数年前、勤めていた会社で、仕事帰りに劇団超人予備校の過去公演のビデオ上映会に行ったことがあります。当時、演劇人って怖いと思っていた僕は行くのをためらっていましたが、誘ってくれた人(ミツルギさんの奥さん)が怖くなかったのと、断る理由がなかったので行ったわけです。

そこで僕はとんでもない体験をしました。
日本橋のインディペンデンスシアター1stです。上映されていたのは劇団超人予備校の「犬公方踊る綱吉くん」でした。関西の小劇団ですが、なんとアメリカ公演もしているとのこと。

天下の悪法とされている「生類憐れみの令」を発令した徳川綱吉と、その恩恵を受けたり、とばっちりを受けたりした犬を扱った物語。人間にとっては悪法でも犬にとってはありがたい法律なのです。そのへんの事をダンス付きの物語に仕上げていました。そう、演劇の中でも僕の最も苦手だったミュージカルだったのです。

しかし、これを観ていると今まで僕を支配していた偏見は霧が晴れるようになくなっていきました。

この舞台のDVD上映会の中でのクライマックス、マイケル・ステューバーさん(現ニランジャンさん)が杉(人間ではなくて植物の杉!)の役で、死んだ綱吉と犬達に対して自分の想いをこめて踊るのですが、それに涙したのです。

僕はしばらくその涙の意味がわかりませんでした。なんで泣いたのか。それもダンスで。
(その一番いいダンスシーンの途中でDVDが止まりました。なんでやねん!!!これが超人予備校的で後になって笑えるのですが。)

そのシーンの幾つか前に徳川綱吉が亡くなるシーンがあるのですが、そこもウルっときてました。単に人が死ぬ、ということだけでなくて。後から思えばそのシーンにも印象的なダンスがあったのです。ニランジャンさんの日本での弟子の人達によるダンスでした。

人間と犬の対立とその中での愛情、今まで悪人扱いを受けてきた徳川綱吉の苦悩と善行、彼の、人間には誰にも理解されなかった考えをそばで見ていた植物である杉の想い。
僕が観たのは、それらを描いた舞台芸術の傑作だったのです。

それが僕における「ダンス」、「演劇」との出会いでした。両方とも自分の中で距離を置いていた芸術分野の最高峰に、わずか2時間ぐらいで出会ったのでした。

僕は今、音楽をやっています。中学生ぐらいから始めてまだやっています。拙い演奏ですが細々と続けて、面白いので生活の一部になっています。
そうしていたら、数年前に出会った「演劇」と一緒にやることが叶っています。
それをやる場所はニランジャンさんがやっている「舞道ダンスシアター」の会場だったりするのです。

「幸せだなあ」
若大将のつぶやきを声を大にして言いたい気分です。もう若くはないのですがね。

その「舞道ダンスシアター」の発表会があります。
世間でいう「発表会」とは全然違います。
ダンスだけでなく演劇も一緒になって、舞台芸術を作り上げています。
稽古を観たわけではありませんし、内容を知っているわけではありませんが、これは観とかなあかんやろ、と思います。
「キャッツ」や「ライオンキング」もいいですが(僕は観たことありませんが。。。)、こっちの方がいいような気がします。

是非ご覧になってくださいね。4月24日しか観れませんよ。
絶対おすすめです。

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舞道ダンスシアター
『EXTRAVAGANZA 3! ~にじのまち~』

[作・演出] 
魔人ハンターミツルギ(超人予備校)

[振付] 
ニランジャン/白川紀子/山田玲子/MasaYa(以上、舞道ダンスシアター)

[出演]
日枝美香L/尾松由紀/三月/豊田圭/山名伸右/魔人ハンターミツルギ(以上、超人予備校)
ハシグチメグミ(パイのミ)/松本茜(meyou)/奥田さぶりな美樹てぃー(IsLand☆12)
豊原江理佳/北野勇作(虚航船団パラメトリックオーケストラ)/山根基嗣
エル・ニンジャ
ニランジャン
46名の舞道ダンサーズ

[日時] 
2016年 4月24日(日)
13:00 / 17:00
(13時の回は売り切れです。17時の回はまだ入れるようです。)
(チケットは日時指定。受付開始は各開演時刻の40分前、開場は30分前。
全席自由。整理券発行。未就学児入場不可。)

[会場]
一心寺シアター倶楽
http://www.officeb1.net/kura/home.htm 
〒543-0062 大阪市天王寺区逢阪2-6-13
TEL: 06-6774-4002
アクセス: http://www.officeb1.net/kura/map.html
各線天王寺駅から徒歩8分、地下鉄堺筋線恵美須町駅から徒歩8分、
地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅から徒歩8分。

[料金]
前売・当日2500円
学割1000円(小学生~高校生、中学生・高校生は学生証提示要)

[チケット予約] 
https://www.quartet-online.net/ticket/extravaganza3

[スタッフ]
舞台監督:谷本誠(CQ)
照明:溝渕功(Quantum Leap*)
音響:大西博樹
受付:鉾木章浩(尾崎商店)
宣伝美術:ニランジャン、あまぞん
web制作:山名伸右
ソウル大臣:アボンボ
制作:舞道ダンスシアター、超人予備校、ミツかね堂

[問合せ]
●舞道ダンスシアター
 http://budodance.com/
 〒542-0012 大阪市中央区谷町7丁目2-2(B1F)
●天満宮オフィス(超人予備校)
 http://www14.plala.or.jp/choyobi/
 〒534-0026 大阪市都島区網島町1-10-703
 メール cho-jin@hotmail.co.jp

2016年4月14日木曜日

おはなしえんとバナナ部

天王寺動物園の100周年企画「おはなしえん」。もう行きましたか?
100周年目をこえてるのに、まだまだやっていますよ。
春編は3月6日に1回目がありました。もうすぐ2回目の4月17日ですね。
みなさん、お待ちしています。

音楽担当のバナナ部は相方の清家さんが超多忙のため出演できず(部長の僕は暇なのに。。。)、急遽、劇団超人予備校のあぼともこさんにサポートをお願いしました。
あぼさんはピアニカ担当ですが、絵を描いたり、いろいろなことができます。「ペンギンはそらをめざす 第1話」の絵はあぼさんが描いたものです。
今回、あぼさんの提案で、バナナ部初のリコーダーが登場しますよ。お楽しみに!


私事ですが、最近、ギター教室もゆるーく開始中。初心者大歓迎です。というか上手い人は来ないでください。(問い合わせはcphmn700@hct.zaq.ne.jpまで)
でも、上手い人が来てもいい先生紹介しますので安心してくださいね。古楽界ではいきなり世界レベルの人に習えます。某近畿の大学と同じく「いきなり世界戦」です。

そういえば劇団超人予備校もアメリカ公演やってますね。世界戦は得意みたいです。


以下、「おはなしえん」の情報です。
4月17日はいつもと違い「展示室」です。お間違えなく。
みなさん、お待ちしていますよーっと。

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  • 天王寺動物園100周年企画「おはなしえん」

  • 作・演出・構成:魔人ハンターミツルギ
  • 日にち:
    • 2016年4月17日()
    • 2016年5月29日()
  • 時間:(各日)1回目…13:30、2回目…15:30
  • 上演時間:約1時間
  • 料金:天王寺動物園入園料のみ(大人 500円、小中学生 200円、未就学児 無料)
  • 会場:天王寺動物園内
    • 5/29()…レクチャールーム
    • 4/17()…展示室
  • だしもの:
    • ミツかね堂 with バナナ部…お話と音楽『ペンギンは空をめざす』第3話
    • (第1話はYouTubeで視聴できます)
    • https://www.youtube.com/watch?v=kfanS1qaZ70
    • 劇団超人予備校…短編お芝居『もしもしウサちゃん』


2016年4月3日日曜日

「偉大なる復活」と「激しい雨」

「偉大なる復活」といえばボブ・ディランですが、古楽のCDよりボブ・ディランをよく聴いているワタシです。
そういえばもうすぐボブ・ディラン来日、大阪でもコンサートがあるようです。でも高すぎるんですなー。なんとかなりませんか?

で、そんなモヤモヤを払拭しようとボブ・ディランの「偉大なる復活」というアルバム、ライブ盤で2枚組、購入。1974年のコンサートツアーの模様を収めたもの。


1966年のバイク事故後、デビューからの活躍が嘘のように影を潜め、また迷走していたディランでしたが、このライブ盤で完全復活!ということだったようです。当時人気のあったザ・バンドをバックバンドに従えて、かなり元気です。

なんと、内容の1/3はザ・バンドのみの演奏も聴けるという超お得盤。
「I shall released」「Old Dixie Down」「The Weight」などが聴けます。

ライブ盤ではスタジオ録音盤とは歌い方が全く違いますねー。ジョン・レノンが「ボブ・ディランは歌い方が最高だ!」と言ったとおり、歌い方が面白いのですよ。あまりに変わりすぎて「何ていう曲やったかな???」ってなります。有名曲でも、です。「Like A Rolling Stone」もイントロから違う。

そうそう、ブートレグシリーズでこの曲(Like A Rolling Stone)のバージョン違いが入ってるってのでラジオでかかってたのを聴いたんですが、なんと3拍子バージョンとかがある!シングルカットされたバージョンはたまたまそうなっただけであって、本当は全然どうなるかわからなかったらしい。

この後に発売されるライブ盤、前回の復活から一転、「激しい雨」。
1曲目から何の曲か全くわかりませんが、狂気を感じます。歌詞を聞いてやっと「マギーズファーム」だとわかります。それに、表題曲「激しい雨」は収録されていません。


「マギーの農場ではもう働かへんわ!」っていう激しい叫びはメロディーすら変えてしまいます。3年前、会社を辞めたことを思い出しますね。でもディランは会社勤めはしていません。たぶん。

いやー、ボブ・ディランのライブ盤、いいですね。
どっちも名盤やけど、僕は「激しい雨」の方が好きかな。もう狂ってるとしか思えないボブ・ディランが聴けますよ。

だから聴きにいきたいんやけどなー。なんとかなりませんか?