Ⅰ巻で面白かったのはデュファイの章。読み進んでわかることなんやけど、小さい時からの記録が残ってるのはデュファイぐらい。他の作曲家は20歳、30歳ぐらいまで何してたのかわからないんですよ。でもデュファイは結構記録が残ってた。聖職者だったし、結構イタリアで活躍してる。そんなん知らんかったなー。結構好きな作曲者です。
興味深いのは、鬱的な音楽を書いた、リュート奏者には超有名なジョン・ダウランド。
本人は国王の宮廷音楽家として採用して欲しくていろいろな手を尽くすけど、いつも脇が甘い。甘すぎる。で、採用されない。ヨーロッパ全体では結構有名人になってたのにな。
自身の宗教観がよくなかった、というかあんまり宗教に興味もってなかったんちゃうかな。他の音楽家と比べたら結構どうでもいいと思ってた感がある。他の人にはどうでもいいこととちゃうかったんやけどね。
まあ、こういう上手くいってない人は僕の興味の対象になるんですよ。僕がうまくいってないからね。(ほっとけや!)
さらに興味を持ったのはカルロ・ジェズアルド。
鬱病だったのはCDなどのライナーノーツから知ってたけど、生立ちなんかをみてると、ナポリの有力貴族だったのに、引きこもり体質だったみたい。
一回目の結婚の後、妻が男と密通してるので、その現場を押さえて、家来に二人を殺害させてる。誰も幸せにならない暗い感じが漂う。後のエピソードと合わせて思うのは、ジェズアルド自身はどうしたらいいかわからなくて、家来が「じゃあ、こうしましょう」と言って二人の殺害計画を立てたんじゃないのかな、と思った。そんなことは書いてないけど。もう、しょっぱなから転落人生やな。
その事件の後、ほとぼりが冷めてから、エステ家のエレオノーラと音楽の最先端の地、フェラーラで2回目の結婚をし、そこで自作の曲の出版を行う。たぶんここが彼の一番幸せだった時代。
結婚式と出版が終わったら、妻のエレオノーラをフェラーラに残して自分だけナポリ近郊のジェズアルドに帰ったりしている。というか引きこもってる。一緒に帰るのはエレオノーラが嫌がったのかもしれないけど、まあ一人で作曲してるのも面白かったんかな。今に通じるオタク体質ですよね。ここでも「一緒にジェズアルドのお城に行って暮らそう!」って、ちゃんと妻に言えてないんじゃないかな。
カルロ「ぼく、ジェズアルドのお城に帰るけど一緒に来る?暑くてジメジメしてるけど。。。」
エレオノーラ「えっ?(怖)」
みたいな。
やっぱりそういう体質から生まれた音楽は鬼気迫る、いや違うな、変にイビツで、でも美しいものがあります。僕は数年前にCDを買って戦慄が走りましたね。美しく響いた和音の後にデカダンスな空気が現れる。全然ハッピーにしてくれないんですよ。でも、それがとてつもなく綺麗なんです。
持ってるCDを推薦しときます。第6集、欲しいな。
カルロ・ジェズアルド(幽霊みたい!) |
ヴェネクシアーナ、マドリガーレ第4集 |
ヴェネクシアーナ、マドリガーレ第5集 |
ラ・コンパーニャ・デル・マドリガーレ、マドリガーレ第3集 |
ほんと死にたくなるね、こんな音楽聴いてると。やばいやばい。
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