2018年5月21日月曜日

デカメロン(上、中)

ボッカッチョの「デカメロン」、ちょっと前から読んでますが、超面白いです。
今の時代、鬱的な人にとっては、カニコーセンのブログが面白いですが、その次ぐらいに面白いです。
 

ペスト大流行の1300年代のフィレンツェで男女10人がちょっと田舎に引き込んで、1日1人1話(合計10話)、10日間に渡って面白い話をしよう、という趣向。全100話が物語られます。

ボッカッチョはダンテファンだったみたいで、この本もダンテの「神曲」100歌にならってかどうかはわからないけど、100話まであります。途中、ダンテの書いたそのままを使ってる場所もあるようです。訳者が注釈でわざわざ書いてたのでボッカッチョは「オレ、ダンテ知ってるで!」っていいたかったんでしょうね。

1日目が始まる時終わった時、2日目、3日目、それぞれにお話が終わった後、食事の後、歌を歌ってダンスをします。リュートを弾きながらってとこもあって結構グッときますね。1300年代は貴族のあいだだけでなく市民へも音楽やダンスが広まってたようです(ここでは貴族の男女ですが)。感慨深いものですよね。

「上」の3日間が終わって、これは好色文学か!?と思ったのもつかの間、次の「中」に入ると、いきなり泣かせる話があって、自分が700年ほど昔のボッカッチョにどれだけ弄ばれてるんだ!って思いますよ。酒飲みながら読みたいね、泣いたり笑ったりしながら。

ボッカッチョってちょっと前は「ボッカチオ」でした。いつからかるーいスナック菓子(パックンチョ)みたいな名前になったんでしょうか。内容と照らし合わせると、それ(かるーい感じの名前)もいいなーって思います。なんか、ヨーロッパ文学の大御所みたいな感じでしたが、全然そんな風に思わず、でも人間の喜怒哀楽が感じられるのがいいな。

今まで読んだ内容では、聖職者の腐敗への罵倒と、不義密通しても男女の愛は高尚というか気持ちいいものである、ということで自然的に高尚なものである、ってことが中心だったかな。偉そうにしている奴には罵声を浴びせるけど、男女の睦言にはおおらか。西鶴みたいな感じなのかな。知ってるものでは落語のエロ話に近い。

この後、どんな話が出てくるのか、ほんとに楽しみ。


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