2018年7月19日木曜日

オルケゾグラフィの謎

オルケゾグラフィ、ガリアルドのあたりを読んでいるところ。
ガリアルドの前に、トルディオンのメロディが出てくる。

トルディオンとガリアルドの違いがよくわからないけど、このトルディオンは、オルケゾグラフィの注釈(訳者の注釈です)にも書いてある通り、Jacques Moderneの「Musique de Joye」に同じ曲が載っている。
これです。




上からソプラノ、アルト、テナー、バスの順番に並べてみました。オリジナルの譜面はパート譜なので並べてみたくなりますね。ソプラノのメロディがほとんど同じです。

これだけ情報があったら、リュートでもルネサンスギターにでも移せるやん、と思ったけど、読めないところがある。テナーの4つ目と5つ目の音が黒のセミブレヴィスとミニマ。これって「カラレーション」やんな、と思ってウィリー・アーペルの「ポリフォニー音楽の記譜法」を読んでみたけど何書いてるかさっぱりわからない。それまでの流れとちょっと違うリズム感になるよ、ってのはわかるんですが。どうしたもんかね。誰か教えて下さい。

でもバスとメロディとで、なんとなくルネサンスギターのタブ譜を書いてみました。
下の部分がトルディオン(Tordion)ですね。上は次に出てくるガリアルドです。副題「裏切り者のために私は死ぬ」ってどんなタイトルや。007っぽいな。

で、問題はその後なんですよ。
いろいろとややこしいステップの説明があって紹介されるのが、このガリアルド。

これは3拍子じゃないよね。2拍子でもない。7拍子ちゃうか?
本当なのかな?
この本読んで最大のピンチです。助けて!

2018年7月10日火曜日

オルケゾグラフィ

アルボーの「オルケゾグラフィ」を読んでいる。
16世紀フランスで出版されたダンス教本で、曲の音符に一々ステップを書き込んでくれてたりする。この辺を勉強していけば舞曲がわかるようになるかな。
でも英語が得意ではないので全然進まない。フランス語は習ったこともないからさらに読めない。

途中に曲が載っているので、それをリュートに移すことにした。いわゆるインタブラトゥーラってやつかな。

曲はこんな感じ。パヴァーヌです。
一番上の太鼓のパート以外をリュートに移していく。Gmなのでリュートでは得意な調。
こんなになった。数ページにわたるので長いなと思ってたけどリュートのタブ譜にすると4段で全部入る。タブ譜は便利。

気を良くしたので、ルネサンスギターにも移してみよう。
でも、これはなかなかうまくいかない。各声部のつながりが全く考慮されていないものになってしまった。まあ、ジャカ弾き用ってことにしとこうかな。
気が向いたらもう一回考えてみよう。

「オルケゾグラフィ」はステップを絵で教えてくれる。
「休め」?
空中に浮かんでる!
ダンスの一番初め、「ごあいさつ」です
でも、わかるような、わからないような。。。

2018年7月2日月曜日

バスダンス

ル・ロワのルネサンスギター曲集第3集にバスダンスが2曲入ってる。
2曲といっても、同じフレーズの順番を入れ替えただけみたいな感じなので、1曲めばかり弾いてる。
こんな曲。


これが出版された当時(1552年)は、「バスダンス」というのは流行遅れになっていたらしい。次のページにはトルディオンも載っている。「バスダンス」−「トルディオン」という組み合わせは「パヴァーヌ」−「ガリアルド」に似てますね。16世紀中頃からは「パヴァーヌ」−「ガリアルド」が多くなっていくみたい。

この曲は他でも出版されていて、Jacque Modernoの「Musique de joye」という曲集に入っているらしい。
それがこれ。

メロディを追ってみると同じ曲だということがわかる。
さらに、クレマン・ジャヌカンのシャンソン集にも入っているらしい。
それが、こいつ「Il estoit une fillette」。

ちょっとメロディの感じが違うけど大体同じ。っていうかこっちが先なんでしょうけどね。こっちが1540年出版、ル・ロワの第3集は1552年出版です。(Jacque Modernoの「Musique de joye」は出版年が不明です。)

CD持ってないかなーと思って探してみると、「鳥の歌」(クレマン・ジャヌカン・アンサンブル)に収録されてました。
1分ちょっとの短い曲。でしたが、皆さんご想像のとおり、やっぱり桃色歌詞でした。歌詞の内容は、『昔、女の子に「ええこと教えてあげる」といって教えたら、「もう1回!もう1回!」って言われ続けて「もう無理!」って言った。。。』とかなんとか。

ジャヌカンは聖職者だったらしいけど、こんな曲書いてて大丈夫やったんかな。でもパリでは大流行してたらしいし。

そんな桃色シャンソンが、なぜか偉そうに「バスダンス」になってるのも面白いですね。だからルネサンスはやめられない。

この流れでいうのもなんなんですが、トリつながりで、ここから宣伝です。
(注意:ファミリー向けなのでお色気内容ではありません)

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「おはなしえん」夏・秋編


場所:天王寺動物園・レクチャールーム
   入場無料
  (動物園への入場料¥500は必要です)
日時:7月8日(日)
   1回目:13時30分〜/
   2回目:15時30分〜

朗読:「ペンギンは空をめざす第9話 ペンギン」
    ミツかね堂/バナナンボ
お芝居:「世界トリ会議」劇団超人予備校

2018年7月1日日曜日

またまたライ・クーダー

なにかを好きになると、もうそればっかりになったりする。
カレー美味しいなーって思ったら1週間それだけでもいける。インド人になってもいい。いや、暑いのはいややけど。

で、ライ・クーダーなんすよ。
もう、やめられなくなってる。
やっぱりファーストアルバムを買いました。
かっこいいジャケットですね。これぞアメリカ!って感じ。かっこいいジャケットはこのアルバムだけのような気がする。まあ「ブエナビスタ」は良かったかな。レーベル違うし。
このファーストアルバム、発売は1970年ですが、もうそれまでにスタジオミュージシャンとして有名になってました。60年代はタジマハールと一緒にバンドやったりしてましたね。

内容は申し分なし。デビューアルバムがこのクオリティだったらすごいね。録音も悪くないし。あ、これはリマスター盤やったかな。最後の曲(DARK IS THE NIGHT)がスライドギターのソロ。しびれますねえ。

あと、古楽友達のSakataniさんお薦めの「GET RHYTHM」「PARIS, TEXAS」も買いました。
 

「GET RHYTHM」は中古で650円、「PARIS, TEXAS」は新品で800円でした。「ファースト」も中古(新品同様)で1300円。
ライ・クーダーはコストパフォーマンスが今、最高にいい!売れないのか?

「GET RHYTHM」は「Doing Back to OKINAWA」が入ってました。この曲、知ってる!
「PARIS, TEXAS」は、この写真とは違うジャケットだったけど、アコースティックのスライドギターが堪能できます。最後の曲「Dark was the Night」はファーストの最後の曲と同じ曲なのかな?ちゃんと聴いてないからわからないけど、ISとWASの違い。

それと5枚目のリリース「CHICKEN SKIN MUSIC」。
テックスメックスって何?ってとこからなんやけど、メキシコ風な音楽をテキサス風にやった音楽らしい。メキシコ風ってよくわからんけど、アコーディオンが入ってるので、あーなるほど!って思う。中米的かもって。この辺からアメリカルーツだけには飽き足らず、アメリカ周辺の音楽を漁っていくことになるんやねえ。ハワイアンの曲もあって、それらが、アルバム内で異色にはならず、うまく溶け込んでいるのが不思議。マジックやね。

それとサードアルバム「BOOMER'S STORY(流れ者の物語)」。
初期3部作の最後のアルバム。アメリカのルーツミュージックをライ・クーダー風にやったもの。もう、泣かせるよね。ライが弾いてる方がなんかルーツミュージック風に聞こえたりするけど、これがライの芸風なんですね。70年代ってこんな感じのアルバムが多い。イーグルスだってこんな感じのバンドだった。これも名作ぞろいの72年発表。

なんでライ・クーダーがいいと思えるのか?
おそらく古楽的なアプローチのミュージシャンだからだろう。このへんになると調べる内容も録音が残ってたりしてるので、当時のそのままってことにはならないけど、精神的にそのまま感を出してるってとこなんでしょうかね。尊敬する音楽家です。