2019年1月22日火曜日

中世リュート

中世リュートを持っているのです。中世いうても15世紀モデルなんでルネサンスのちょい手前な感じ。
ちょうど大阪に住みだした頃に買いました。
中世の音楽は昔から聴いているけど、その頃の音楽の楽譜を売っているのをほとんど見ないし、印刷のない時代だから当然手で書いた本なのだろう、と漠然と思ってたんですよね。

数年前に、即興の団体でちょっと弾いていたことがありました。ダンサーチームと音楽チームがあって、楽譜を使わずに即興でやるのだけど、中世リュートを持って行ったら結構受けた。でも、どんな音楽をやる楽器なのか知ってる人はいなかったのよね。それからすぐ、その団体は音楽チームがなくなった。ちょっと残念。

それからしばらく中世リュートは使わなかったけど、去年の「みつカネかい?のクリスマスかい?」の朗読イベント「もろびとこぞりな祭(さい)」で使う機会が。
「灰かぶりのマーラ」というお話で、マケドニアの民話だということだったので、中世の時代にオリエントから伝わったといわれているリュートがぴったりやろう、と。

今年は年始から中世リュートを出動させました。
中世もろもろの初心者講習のあと、「アルスノヴァ読譜」の講習を受け、最終日には、そこで読んだ楽譜を弾いてみよう、ということなのです。当然、中世リュートを鳥の羽で弾きました。
ちょっと音程が悪かったので、3コース、4コースの弦を張り替えて心機一転。
いつでも使えるぞ!

この2ヶ月でこんなに使い道があるなんて!
買ってから7〜8年寝かせたことになるけど、買っといてよかったな。

2019年1月13日日曜日

マッテオ・ダ・ペルージャ

マッテオ・ダ・ペルージャって誰?
マショーとデュファイの間に北イタリア・ミラノで活躍した作曲家らしい。15世紀初め頃だって。
僕も今日まで知らんかった。
でも、ここ数年CDでお世話になってる、ロンドン中世アンサンブルが出してるんですよっと。

CDを買うお金がなくなってきたので、CDを売ってお金を稼ごうと、梅田というか中崎町というか、にあるディスクユニオン大阪店に売りさばいてきましたよ。うえーん(泣)
でもまあ、最近全然聴いていないCDなのでさっぱりしたものです。
結構な値段のものもあったので、売ってからディスクユニオンで買う余裕まで生まれましたよ。それで購入したのが、

ロンドン中世アンサンブル「マッテオ・ダ・ペルージャ世俗歌曲集」です。

93年にCD化されたようで、2500円で出てたのに誰にも購入されずに、フイルムに包まれたまま、1200円で叩き売りされてたのを僕が救いだしました!
このCDジャケットの画像を取るためにAmazonで検索すると、なんと!19000円の値がついてるではありませんか!!!
誰が買うのかな。。。?

内容は、他のを聴いてると聴く前にもおのずとわかる。名盤といってもいいくらいなのですが、作曲者が超無名。。。
中世好き!って言ってるのにその体たらくはなんや!とお叱りを受けそうですが、僕もこれを買うまで知らなかったのです。。。マッテオ、ごめんよ。。。

ロンドン中世アンサンブルは、このブログではよく出てくるのですが、
「デュファイ世俗音楽全集」

「オケゲム世俗音楽全集」

「悪魔の歌」

を、紹介してますが、80年代のオワゾリールの録音で中世といえばこのグループであったようです。80年をちょっとすぎたぐらいで録音がなくなってしまうのが残念です。もっと聴きたかった。

他にも録音が少しだけあって、「おお、美しきバラよ(15世紀イギリス世俗歌曲集)」「泉のレ、慰めのレ(ギヨーム・ド・マショー)」と、欲しいものばっかりですな。

80年代って古楽の研究(特に中世/ルネサンスの)が進んで、商品として売れるレヴェルのものが出てきた時だったんですかね。60年代終わりから70年代も面白い感じですが、80年代のは今聴いても全然大丈夫。変やなって思うところは全くないですね。

そうそう、マッテオ、写本も調べてみよう。

2019年1月8日火曜日

中世の写本

新春早々、中世音楽の講座を受けてきました。
中世の写本の調べ方から、それを読めるようになろうという講座です。短期集中コースで、お昼過ぎから夜8時頃まで3日間と4日目の楽器を使った実習。

いやー、中世の写本って美しいですねー。
現在のインターネット時代、中世の写本がネットで見られるんですよ。

講座で使った楽譜は、まずGB-Lbl Add MS 29987の「Lament di tristano」。

カノニッチ写本(Codex Canonici 213)からFontaine作曲の「Pastourelle en un vergier」。

同じくカノニッチ写本からBinchois作曲の「Triste Plaisir」。

他にも「モンセラートの朱い本」からもあったな。

こいつらをひたすら読んでいきます。今の楽譜に似ているようでちょっと違う。リガトゥーラという連結音符が出てくるとビビってたけど、もう大丈夫(かな?)。でも完全分割(3分割)と不完全分割(2分割)が混ざって出てくるとよくわからないところも出てくる。もうちょっと慣れないとな。

かなり前から15世紀の音楽に興味があったのですが、どうやっていいかわからなかったのです。とりあえず、楽譜と読み方を教わったので、慣れるまでやってみよう。

でも、見てるだけで顔がデレ〜っとなってきますね。
ずっと眺めていたい。キスしたい。抱きしめたい!!!
はっ。これはひょっとして恋では!?

2019年1月3日木曜日

ダブルフレット

久しぶりに紅白歌合戦をほとんど見たような気がする。わりと面白かったな、ってのが感想です。トリの後のサザンオールスターズや凄いバックバンドを従えたユーミンとかが良かったよな。
まだ来てほしくない、って思っててもちゃんと来るぞ。新しい年。今年もちゃんと明けました。
今年もどうぞ、よろしくお願いします。

年始って時間があるから(いつもあるけど)、楽器に手を加えるのをやりたくなってしまうのよね。今年は、正月2日から、前々から気になっていたルネサンスギターをダブルフレット化した。

まず、手持ちのフレットガットを確認。太いのを買いすぎて使ってなかったやつがいっぱいある。1.0mmとか0.9mmとか。0.85mm、0.8mmがあったので、1フレットは0.85mm、2〜3フレットは0.8mm、4フレット以上はルネサンスリュートの古い3弦0.68mmを使うことにする。
張り替えようとして、フレットの張り方を忘れていることに気づく。
仕方なくネットで調べる。そうそう、太郎先生のホームページにあるはず、と思って見てみると、ありましたありました。一度思い出すとスッといけるね。あんまり時間もかからなかった。
8、9フレットは古い弦が足らなくなったので、シングルフレットのまま残すことにした。また、そのうちにダブルに変更しよう。
 前に、ルネサンスリュートをダブルフレット化したときに、「0.85mmは太すぎるよ」と太郎先生に言われました。今回も余ってるので張ったけど、やっぱり太い。太いとフレットを巻きにくいのよね。ダブルフレットとだとなおさら。これも様子を見て細いものに変えようかな。4フレット以上の0.68mmぐらいだと締め上げやすい。

フレットを結んだあとの処理があんまり上手くいってないんですよね。半田ゴテを当ててあまりのガットを切って、切り口を大きくしておくんやけど、その切り口が丸くならない。丸くないと、触ると痛いのよね。これもやり方考えんと。

1弦の10フレットを楊枝を削ってくっ付けてますが、こういうのは16世紀当時にはやってなかったみたい。ビオラ・ダ・ガンバもフレットのないとこも普通に使うもんね。でも、ついてた方が最高音がぼやけないので、僕はつけてる。

モレイユの曲集の扉絵のギターは8フレットまでしかない。
これもそう。
絵は8フレットまでだけど、曲では10フレット使ってる。昔はどうやって弾いてたのかな?

ダブルフレットになると明らかに音響が変わる。
前はコロコロといい声だったけど、地声風な感じに変わる。それって良くないやん、って思われるでしょう?でも、最近は、というかダブルフレットを知ってからは、こっちの方が気持ち良いのです。
コロコロとしたピュアな音は綺麗だけど、あんまり聞こえなかったりもする。
15、16世紀、もともとはダブルフレットが支配的だったけど、だんだんシングルフレットも使われるようになっていく。やっぱり音響の問題かな。ピュアなものに惹かれていったのかも。
クラシック系の楽器というとピュアな音が当然と思っていた僕らの耳には、地声で歌われるような、しゃべるような音も新鮮だし、自然に聞こえる。
古楽仲間のうちでも、そう思っていない人は多いけどね。

弦高ももうちょっとだけ低くできるかなー。今でも十分低いけど。
そうそう、あと、弦をガットにせな!