2019年2月26日火曜日

中世・ルネサンスの楽器

中世といえばデビッド・マンロウを無視できないね。
普段はあんまり聴いてなかったけど、久しぶりに「INSTRUMENTS OF THE MIDDLE AGES AND RENAISSANCE」の中世の盤を聴いてみたら、これが結構いいやんか。

「INSTRUMENTS OF THE MIDDLE AGES AND RENAISSANCE」

これは、中世盤とルネサンス盤をCD(出た当時はLP)ごとに分けて、楽器別に曲が並んでいる。ほとんどが紹介する楽器のソロかそれに太鼓などの伴奏が入る。

マンロウが主宰するロンドン古楽コンソートは、今では大御所(もう亡くなってる人もいる)になってるビッグネームが多い。鍵盤のところでは故クリストファー・ホグウッド、リュートは、これも故人やけどジェームス・タイラー、今、リュート界の大御所ナイジェル・ノースはルネサンスの盤でヴィオールを弾いている。
そういえば、リューティストのジェームス・タイラーはジューズハープを弾いているのがある。あのど根性ガエルのオープニングの「ビヨ〜ンビヨ〜ン」ってやつね。

このディスク、実はマンロウが書いた同名の本があるらしい。これはLPについていたブックなんかな?形がレコードジャケットの形。

日本版がこれ。

誰か持ってないかな?見せて欲しい。

2019年2月13日水曜日

ルネサンスギターいぢり

いろいろとやらなあかんことがあるのだけど、こんな時にルネサンスギターの弦を変えたくなるんですよね。やっぱりガットにしました。
1コースはナイルガットのまま残して、後の2、3、4コースをガットに。

ナイルガットの時とガットではこんなに違うのか?というほど音が変わりました。
ナイルガットの時もいい音やったけど、ちょっとキンキンした感じがしてたかな。それが全くなくなりましたね。アホほど鳴るような楽器(音がデカい)だと、ガットにした方がたぶん落ち着いた感じがしていいと思います。
音がこもりがちになるかなとの心配は要りませんでしたね。各音はよりはっきりしてるようにも思えます。

4コースのオクターブ高い弦はルネサンスリュート用の0.42mmを張ったけど結構ピンピンなので数日後に切れるかも。大丈夫かな?心配なので、今まで415で調弦してたけど392まで落としました。一般の440Hzより1音ぐらい低い。
なぜかビリつきが少し減りました。なんでやろ。張力が高くなったのかな。

ちょっとしばらく様子をみてみよう。

2019年2月12日火曜日

ビリつき音

また古楽のCD買いたい病が再発してしまった。
いっぱい買わないように我慢しつつ少しづつ買ってる。

昔良く聴いたアンサンブル・オルガヌム、6タイトルが再発らしい。
マショーの「ノートルダム・ミサ」は持っていたけど売ってしまった。再発に気づくとまた欲しくなってくるね。
でも、今回は持ってなかった「聖母マリア降誕ためのミサ曲」。
レオナンとかペロタンが作曲したものを含めた、ノートルダム楽派のもの。
相変わらずすごい声。マルセル・ペレスの美学は天国的ではないな。悪魔的にも思える。でも地に響くものすごい力を感じるな。レオナンとペロタンの印象まで変わる。

もう1枚は、ゴシック・ヴォイセズの「The Dufay Spectacle」。
ゴシック・ヴォイセズは音楽学者クリストファー・ペイジが作った声楽アンサンブル。でもCDにはクリストファー・ペイジの名前は書いてないな。最近はリーダーが変わったのかな?よくわからない。
そういえば、ゴシック・ヴォイセズを買ったのは初めてかも。

デュファイの作った祝祭的な曲を集めたこのCD、ローレンスキングが参加している。
ブレイハープの音が印象的。普通のハープはコロンコロンと純粋な音がするのですが、ブレイハープはサワリが各弦につけてあって「ヴィ〜ン」とビリついた音を出すのです。今まで古楽のCDでこんな音を聴いたことがない。でもデュファイがいた当時のハープはこんなのだったんですよね。ビリつき音は耳障りではなく、もっと聴きたい!って思うほどいい感じに聴こえる。

僕も、ルネサンスリュートとルネサンスギターをダブルフレットにして、ビリつき音を出すようにセッティングしている。ルネサンスギターはちょっとビリつきすぎかな?って思ってたけど、このCDを聴くと、これぐらいでも全然大丈夫やなって思うようになるよ。
ビリつき音を採用している楽器は多い。インドのシタールもそうやし、リュートと祖先が同じの琵琶もサワリがあるな。
ビリつき音、悪くないですよ。

2019年2月8日金曜日

インスブルックよ、さようなら

節分も立春も終わって、もう春ですね。
今年も壬生寺さんにお世話になりました。ありがとうございました。なむなむ。

「インスブルックよ、さようなら(Innsbruck, ich muss dich lassen)」という曲、知ってます?タイトルは有名だから聴いたことある人も多いと思います。

僕は、古楽を趣味としながら、それもルネサンス好きを公言しながら、この曲を初めて聴きましたよ。まあ、どこかの演奏会で聴いたことはあるかもしれませんが。
ハインリッヒ・イザークの曲。後にフィレンツェに行って、ロレンツォ・イル・マニフィコの下で音楽活動をする人です。

数日前に、タワーレコードから誕生日月のポイントを15倍にするよーって連絡がありまして、少ない持参金と相談しながら、アーノンクールの「インスブルックよ、さようなら(マクシミリアン1世の宮廷音楽)」というのを1000円で買ったのでした。

なんと録音は1963年。この時代にこういうルネサンス音楽をやってるってのは非常に珍しい存在だったんですよね。マンロウの録音も70年代やし、それより古い。
タワーレコードの企画で、昔の名盤発掘プロジェクトで安く売り出してる。めっちゃ嬉しいけどジャケットを昔のままで出してくれよ。邪魔な装飾はいらんねん。

今では、アーノンクールの演奏は時代錯誤やとか、いろいろ批判の対象になってますが、いいんですよ、これは。まあ、ルネサンスものとして聴こうとすると「???」なところはいっぱいありますが、こういう人が研究を重ねて、昔の演奏とはどういうものだったかを明らかにしてくれていたんです。その時の「これでどうや!」っていう溌剌とした感じが明らかにありますね。現在の古楽とは名ばかりの「楽器だけ古楽器使ってたら仕事あるで的」な演奏ではないでしょう。売れるかどうかもわからん状態なんやし。

もう1枚、この機会(ポイント15倍)に、それも再発盤が10%OFFの機会に買っておいたのが、
「雉の祭典」アンサンブル・ジル・バンショワ

これはもう80年代終わり頃の録音なので、ちゃんと古楽ですよ、って感じです。

「雉の祭典」とは何か。それは1454年にブルゴーニュのフィリップ善良公が、前年のコンスタンチノープル陥落を嘆き、十字軍を派遣することを誓った時の大宴会のことなのです。メインディッシュが雉の肉だったらしい。
大きなパイを作らせ、その中に20人以上の楽隊を入れて演奏させたという記録が残ってる。人間が数十人入れるパイって、どんなの???

でも、肝心の十字軍はうやむやになって行かなかったそうですよ。いつの時代も人間ってええ加減やな。まあ、十字軍なんて行きたないけどな。
有名なホイジンガの「中世の秋」にもこのことは書いてあります。ちょっと読んでみて。

実はこのCD、持ってる。過去に出ていた、デュファイのミサ曲とカップリングの2枚組のうちの1枚。ジャケットも違う。この2枚組のCDを買ってからかなりの時間、この1枚が「雉の祭典」で使われた曲を録音したものだと気づかなかった。日本語の解説欲しさに今回の購入なのです。

どちらのディスクも、中世からルネサンスへの移り変わりの時期の音楽。この辺の音楽ってあんまり知られてないけどいい感じなのですよ。聴いてみて!