音囲炉裏(ねいろり)というイベントがありまして、行ってきました。
音響系の人が自分の作った音楽を演奏というか録音をながす、いや違うな、自分の作った音楽をPCに演奏させる、これがもっとも正しい言い方かもしれません。
始まってから戸惑ったのは、演奏者はいなくて、PCが奏でてる音を、ミキサーでいじるという、どこを見てたらいいのかわからない。でも、スピーカーを複数おいてあって、音が立体的にわかるようになっていました。
チラシの手作り感から、そんなに期待していなかったのですが(失礼!)、これが素晴らしいものでした。1960年代だったら、これをホールで聴かせてたでしょう。今は、コンピューターで作れるようになったので、客が10人未満という演奏会がなりたつのです。
構成は、かつふじたまこさんの曲から始まって、石上和也さん、ここで休憩、2部は、泉川獅道さん、石上さん、かつふじさんの順。
ちょっとびっくりしたのは、泉川さんの尺八。唯一生演奏。どこを見たらいいかわかりました。江戸時代の虚無僧の音楽だそうで、これがすごかった。寝てた人もいたけど、僕の中では、ヤバい音楽。文句無しによかった。
石上さんのも、しっかり作り込んでいて共感がもてた。ちょっとテーマがわかりにくいかな。聴く方では音楽とテーマを飲み込んでいないかも。
かつふじたまこさんの音楽は素晴らしかった。前半の2曲もいい感じだけど、後半の「海よりも空よりも深い青を人は描くことができるんやろうか」という長いタイトルの曲がすごかった。これは「ダブ」ですね。後で本人にそう話したら、「ダブってよくわかんない」らしい。
でも、数年前から聴きこんでいたミニマルダブ、BasicChannelや、DEEPCHORD、Echospaceなどに引けを取らない音楽。ひとついわせてもらうと、タイトルの「できるんやろうか」のところは東京でやるときは「できるのだろうか」に変えた方がいいよ(笑)。
でも大阪、新世界では「できるんやろうか」でよかった。
なかなか聴けない音楽を堪能させてもらいました。でも、これにお金払う人少ないよね。なんとかなりませんか!みなさん。(僕は払いましたよーだ)
ときは21世紀。しかし400年ほど前の音楽を愛する人達がいます。今のクラシック音楽の祖先であり、生命感にあふれ生き生きとしていた頃の音楽。それにからめて演劇や美術や面白いものを書いていきたいと思います。
2014年7月30日水曜日
2014年7月28日月曜日
ペンギンは空をめざす
リチャード・バックの「カモメのジョナサン」の完成版が発売されてるの知ってました?
五木寛之訳で新潮社から出ていたあれ。あれの続きがあったのだ。
「カモメのジョナサン」という本が出ている事を知ったのは、高校の時。同級生で絵のものすごく上手いKSGW君が読んでいた。僕はその頃、本を全くといっていいほど読んでなかったので、半分知らんフリしてた。でも大学受験に失敗したころから本を読むようになり、大学、就職と順調(?)にいってたときに、なぜか、あのとき「カモメのジョナサン」をKSGW君が読んでたなー、と思い返し読んだ。そのとき、あいつは高校でこの境地に達してたのかと地団駄踏んだことを憶えている。
僕はその頃、クラシックギターを弾いていて、技術面と精神面で無理があり、自分の音楽性は、はたしてどうなんやろか?と悩んでいた。そのときにこれを読むと、「よっしゃ、がんばろう!」と思う人と「あー、僕はあかんわー」って思う人とにわかれるような気がする。僕はその時は「がんばろー」の方やったんかな。今思うと。
しかし、読み返してみるとちょっと違っていた。ジョナサンは初めは「飛ぶ」ことを「食う」ことの上位に置く、変わり者のカモメとみられていて、カモメ社会から追放をくらう。しかし、「飛ぶ」ことで天国を知るのか、それを皆に教えるのか、どちらかを選ばなければならなくなり、教える方を選ぶ。そして自分の弟子が増えていき、自分の考えをわかるカモメに後を託して自分は消え、それで物語が終わる。
しかし、その後の稿(第4章)があったのだ。これは宗教やイデオロギーの行き着く先が書かれている。ジョナサンが神格化されるのだ。でも、それとは関係なく自分で、自分のやり方で「飛ぶ」ことを見つけてゆくカモメが現れる。
感動的な物語であるが、少々単純すぎる気がしないでもない。訳者の五木寛之さんは1,974年版のあとがきで違和感があることを書いている。本の中で、ジョナサンは普通のカモメと変わりはない、という事を強調しているが、そんなやつはなかなかいない。
この前、朗読の音楽をやったのだが、それが魔人ハンターミツルギ氏作の童話「ペンギンは空をめざす」。これはまだ完結していないが、もともと空を飛べないはずの天王寺動物園にいるペンギンのテンがサギのハルカにそそのかされてというか、自由の素晴らしさを自慢されて檻を出て飛びにいく、という物語。絶対にできないはずのことをやろうとするテン。果たしてどうなっていくのか?
でも構造としては「カモメのジョナサン」に似ていなくもない。親から心配されているあたりは同じ。でもテンはペンギンの檻の中で一番高い白い岩山に登るのが好きであるが努力はしないタイプである。ここら辺が共感できるところかな。
天才はそれはそれで大変で貴重なものだけど、凡人は時間をかけてゆっくりと面白いことを見つけていく。ハプニングにも真っ向から対処せず、斜めに曲がってちょっと笑うみたいな、わからないなりの余裕すらあるのである。
僕は凡人でよかったな。
五木寛之訳で新潮社から出ていたあれ。あれの続きがあったのだ。
「カモメのジョナサン」という本が出ている事を知ったのは、高校の時。同級生で絵のものすごく上手いKSGW君が読んでいた。僕はその頃、本を全くといっていいほど読んでなかったので、半分知らんフリしてた。でも大学受験に失敗したころから本を読むようになり、大学、就職と順調(?)にいってたときに、なぜか、あのとき「カモメのジョナサン」をKSGW君が読んでたなー、と思い返し読んだ。そのとき、あいつは高校でこの境地に達してたのかと地団駄踏んだことを憶えている。
僕はその頃、クラシックギターを弾いていて、技術面と精神面で無理があり、自分の音楽性は、はたしてどうなんやろか?と悩んでいた。そのときにこれを読むと、「よっしゃ、がんばろう!」と思う人と「あー、僕はあかんわー」って思う人とにわかれるような気がする。僕はその時は「がんばろー」の方やったんかな。今思うと。
しかし、読み返してみるとちょっと違っていた。ジョナサンは初めは「飛ぶ」ことを「食う」ことの上位に置く、変わり者のカモメとみられていて、カモメ社会から追放をくらう。しかし、「飛ぶ」ことで天国を知るのか、それを皆に教えるのか、どちらかを選ばなければならなくなり、教える方を選ぶ。そして自分の弟子が増えていき、自分の考えをわかるカモメに後を託して自分は消え、それで物語が終わる。
しかし、その後の稿(第4章)があったのだ。これは宗教やイデオロギーの行き着く先が書かれている。ジョナサンが神格化されるのだ。でも、それとは関係なく自分で、自分のやり方で「飛ぶ」ことを見つけてゆくカモメが現れる。
感動的な物語であるが、少々単純すぎる気がしないでもない。訳者の五木寛之さんは1,974年版のあとがきで違和感があることを書いている。本の中で、ジョナサンは普通のカモメと変わりはない、という事を強調しているが、そんなやつはなかなかいない。
この前、朗読の音楽をやったのだが、それが魔人ハンターミツルギ氏作の童話「ペンギンは空をめざす」。これはまだ完結していないが、もともと空を飛べないはずの天王寺動物園にいるペンギンのテンがサギのハルカにそそのかされてというか、自由の素晴らしさを自慢されて檻を出て飛びにいく、という物語。絶対にできないはずのことをやろうとするテン。果たしてどうなっていくのか?
でも構造としては「カモメのジョナサン」に似ていなくもない。親から心配されているあたりは同じ。でもテンはペンギンの檻の中で一番高い白い岩山に登るのが好きであるが努力はしないタイプである。ここら辺が共感できるところかな。
天才はそれはそれで大変で貴重なものだけど、凡人は時間をかけてゆっくりと面白いことを見つけていく。ハプニングにも真っ向から対処せず、斜めに曲がってちょっと笑うみたいな、わからないなりの余裕すらあるのである。
僕は凡人でよかったな。
2014年7月27日日曜日
海の日終わりました
海の日の「ハッピーマンデー」終わりました。
来てくれたお客様、スタッフの皆さん、Aggiさん、出演者の皆様、ありがとうございました。なんか夏の前半に面白い事がありすぎて、後は宿題せなあかん!みたいな気分になっています。夏はこれからなのに。
演劇の現場に初めてご一緒させてもらいました。役者ってすごいですね。台本ができてからそんなに経っていなかったのに、セリフを憶えられるのだ。特にハッピーマンの豊田くんなんか直前っていっていいくらい。
今でも「ハッピーマン」の熱さや迷惑さを思い出して笑っています。それいらんやろってとこで登場させるミツルギ氏のセンスはすごい。
「海姉妹」はいい話でした。お父さんの納骨のために田舎に来た姉妹が、昔、海にきた事とか、お父さんは泳げなかった事とかを話しているうちに、喧嘩したり仲直りしたり。前半はそんな姉妹の家庭環境をにおわす感じでしんみりと進む。
後半は一転、話しながら海に出た姉妹が「海だー!」といってはしゃぐ。一気に場面が明るくなる。そこに、嫌いなおじいちゃんとか、お父さんとかが登場、竹の棒でつついてくるお父さんを海に落とす。現実と妄想が交錯する。(ここら辺がミツルギ作品の面白いところ)
でもお父さんが泳げない事を知って、またもとのしんみりした状態にもどる。
最後はお互いを「海姉妹」と言って笑い合い、「私達、海が好きだー!」と叫んで終わる。
この何でも無いところに、共感できるところが多分に含まれていて、涙腺の緩んだ40歳超えの人達は涙するだろう。もちろん爽やかな涙。
あと、W2さんのボサノバ風松崎しげるとか、アンパンマンマーチとかもいい感じ。W2さん、実は楽譜やコードネームは苦手らしいけど、誰もコピーできない達者ぶり。
もちろん「ミツかね堂&バナナ部」も面白かった。朗読のある部分に音楽をピッタリはめ込むのに苦労しました。10連作にするとかいってたけど音楽が追いつかないー。
でも皆さんホンマに真面目に取り組んでるんですね。これからもよろしくお願いします!
来てくれたお客様、スタッフの皆さん、Aggiさん、出演者の皆様、ありがとうございました。なんか夏の前半に面白い事がありすぎて、後は宿題せなあかん!みたいな気分になっています。夏はこれからなのに。
演劇の現場に初めてご一緒させてもらいました。役者ってすごいですね。台本ができてからそんなに経っていなかったのに、セリフを憶えられるのだ。特にハッピーマンの豊田くんなんか直前っていっていいくらい。
今でも「ハッピーマン」の熱さや迷惑さを思い出して笑っています。それいらんやろってとこで登場させるミツルギ氏のセンスはすごい。
「海姉妹」はいい話でした。お父さんの納骨のために田舎に来た姉妹が、昔、海にきた事とか、お父さんは泳げなかった事とかを話しているうちに、喧嘩したり仲直りしたり。前半はそんな姉妹の家庭環境をにおわす感じでしんみりと進む。
後半は一転、話しながら海に出た姉妹が「海だー!」といってはしゃぐ。一気に場面が明るくなる。そこに、嫌いなおじいちゃんとか、お父さんとかが登場、竹の棒でつついてくるお父さんを海に落とす。現実と妄想が交錯する。(ここら辺がミツルギ作品の面白いところ)
でもお父さんが泳げない事を知って、またもとのしんみりした状態にもどる。
最後はお互いを「海姉妹」と言って笑い合い、「私達、海が好きだー!」と叫んで終わる。
この何でも無いところに、共感できるところが多分に含まれていて、涙腺の緩んだ40歳超えの人達は涙するだろう。もちろん爽やかな涙。
あと、W2さんのボサノバ風松崎しげるとか、アンパンマンマーチとかもいい感じ。W2さん、実は楽譜やコードネームは苦手らしいけど、誰もコピーできない達者ぶり。
もちろん「ミツかね堂&バナナ部」も面白かった。朗読のある部分に音楽をピッタリはめ込むのに苦労しました。10連作にするとかいってたけど音楽が追いつかないー。
でも皆さんホンマに真面目に取り組んでるんですね。これからもよろしくお願いします!
2014年7月10日木曜日
ハッピーマンデー!
7月21日海の日、おまもりともこプレゼンツ「ハッピーマンデー」に出演します。
僕はその中の「ミツかね堂」の朗読の伴奏です。
「ミツかね堂」は魔人ハンターミツルギさんの書く童話を奥さんのふくいあかねさんが読む、今回は魔人ハンターも読む、という朗読ユニットです。
で、ワタクシは、「バナナ部」という音楽ユニットを率い、朗読の後ろでピーヒャララーと演奏するのであります。
先々月ぐらいから、選曲と演奏の練習をしてたけど、やっぱり合わしてみるまでわからないですねー。だいたい決まってきたけど、まだまだ迷ってるとこがあります。
朗読の邪魔にならず、盛り上げていくにはどうするか???
昔のシェークスピアの演劇の音楽をやるぞ!みたいな気分です。
みんな、来てねー。
2014年7月1日火曜日
レヴィ・ストロース
最近、レヴィ・ストロースがトレンド。僕の中で。かなり前から本は買っていたんやけど読めなかったね。唯一、最後まで読んだのは「サンタクロースの秘密」(中沢新一訳)。サンタクロースが焼かれたという事以外、頭に入ってきていない。
でも、ちょっと方向変えて、「初めての構造主義」(橋爪大三廊)、「遠近の回想」(竹内信夫訳)を読んだ。「初めての構造主義」は構造主義とはどういう事かというのをわかりやすく解説してくれています。それと、「遠近の回想」はレヴィ・ストロースにディディエ・エリボンがいろいろ聞いた内容を書いている対談集です。ディディエ・エリボンさん、何者か知らないのですが、20世紀初頭の思想界や文化人類学や哲学に通じている人らしく、面白い質問をしていて、それに対するレヴィ・ストロースの回答が興味深く見られるとともに、読んでいる自分の考え方にもいろいろ修正をくわえていけるという興味深いものです。
僕は初めに「野生の思考」「やきもち焼きの土器つくり」を買いました。でもわかりやすい物から読むべきだったのですね。。。
ちょっとがんばって「野生の思考」「やきもち焼きの土器つくり」も続けて読んでみよう。
マルチェロ
マルチェロの通奏低音弾くつもり。
今、練習してる。
なかなか初見で出来ない。けど、だんだんわかってきた。
短い曲だけど、後半、7thの連続、やるせない和音が続く良い曲です。思わず顔を作ってしまう(笑)
面白く弾けるかな?心配。
今はこんな感じ。何事も修行でござる。
今、練習してる。
なかなか初見で出来ない。けど、だんだんわかってきた。
短い曲だけど、後半、7thの連続、やるせない和音が続く良い曲です。思わず顔を作ってしまう(笑)
面白く弾けるかな?心配。
今はこんな感じ。何事も修行でござる。
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