2018年8月14日火曜日

古楽講習会 in大津

やっと行けました、古楽講習会 in 大津。講師は竹内太郎さんと、ダンスのゲスト講師として東京から谷田さん。
お昼過ぎに集合。ダンスもするということで、初めはストレッチから。ただ肩を回す、足を回すだけやのに結構キツイ。普段どれだけ動いてないかバレるな。

その流れで、セッションに突入。セッションに参加するため名古屋から来たトラヴェルソ奏者さんや山縣くんのコルネットも入る。初めは「カエルのうた」のメロディをカノンで重ねていく。これ、小学校1年生のときにやったやつや。おっさんばっかりで可愛いことやってる。ちょっと引いて見るとかなり笑えますよ。
その後、ベルガマスクで即興をまわしていく。コードはG/C/D/Gの簡単なやつやけど、結構準備していかないとちゃんと弾けない。今回はパターンをたくさん考えてから臨んだけど、なかなかルネサンス風に弾くのは難しい。オルティスの変奏論はこんな時に役立つんですよね。真面目にやらなあかんな。

レッスン1人目はSakataniさん。
なんとバロックギターを購入していて、それもオリジナル!焼け跡から発見されたのかと思うほど渋すぎる外見です。うらやましいな。
演奏の方も良かった。そのギターの助けも借りて、いつもより3割り増しぐらいになっていた。レッスンの中でバテンテ(ラスゲアード)のレクチャーがあって、それを聞いただけで、どんどん弾けるようになっていく。すごいよ。

2人目は僕です。
今回はルネサンスギター。ル・ロワの曲集を中心に。ル・ロワだけでなく、この時代(1550年代)のリュート曲集やギター曲集は他の作曲家の書いた曲をその楽器に移したものが多い。その原曲が何かわかってる場合は、それを調べると面白い。ここ数ヶ月、そんなことをして、ほんまに充実しましたよ。やっと、古楽のやりかたがわかってきた感じ。でも、楽譜だけでなく、論文も読まなあかんのよね。今回はジェームス・タイラーさん著「The Guitar and its Music」のルネサンスギターのところを読みました。英語やけど、欲しい情報は日本語にはなってないのだ。

僕のレッスンの途中から、アルボーのダンス教本「オルケゾグラフィ」に書かれてある、パヴァーヌとガイヤール(ガリアルド)を教えてもらいました。これもルネサンスギター版を作っていきましたよ。こういう準備を結構やって、暗譜もしたはずなのに、当日はダンスを見る余裕がなく残念。まだダンス伴奏の感覚はつかめていないな。

休憩の後、ブランルのステップも教えてもらう。本で読んだのと大体同じだったので安心。まあ、そんなに難しくない。

でも自分で調べるようにすると、ほんとに面白いと思うようになる。前は、講習会にダンスがあるのは好きではなかったけど、今は違う。音楽とダンスと総合的に見ようとするようになる。拍の取り方のイメージが全然違うので、それとちゃんと混ざろうとするっていう感じなのかな。

3人目は奈良から竹本さん。
リュート・アッティオルバートで参加。竹本さんが初めて講習会に来た時を覚えてる。その時は、クラシックギターから転向したばかりで強く弾く癖が抜けていなかったし、とても音楽的には聞こえなかった。それが今は、本当に音楽的に弾けるようになっている。ニコラス・ヴァレーの曲でしたが、フランスバロックが生まれる少し前の、優雅な感じにうっとりする。素晴らしいことですよ!

この後、座談会みたいなのがなんとなく始まって、いろいろとディスカッション。
その時の話題に合わせて谷田さんもいろんなダンスをほんとに美しく踊ってくれる。「踊ってる私を見て!」みたいな人ではなく、美と知がちゃんと結びついてる感じ。
僕が弾いた「バス・ダンス」が2拍子だったことを踏まえて、バス・ダンスは3拍子と言われてるけど、16世紀の楽譜(特にアテニャンの)には2拍子系が結構見つかると竹内先生。それを受けて谷田さんが、2拍子系と思われていた曲を3拍子系で読み直すとぴったりいく曲があった、とのこと。それに15世紀の文献にバス・ダンスは3拍子系(というか6/8拍子)という記述もあるらしい。
どっちが正しいかを問うことはナンセンスだけど興味深く聞けた。「誰々先生が言ったから」って理由でそう信じてるって人はこの講習会の中に1人もいない。
終了後は膳所駅近くの王将で打ち上げ。打ち上げが王将って関西小劇場っぽい?


2018年8月12日日曜日

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス」が前作から18年経って、続編が公開されましたね。

7月20日、封切り日と8月1日の映画が安い日にもう一度観に行きました。封切り日はガラガラだったけど、1日は結構座席は埋まってましたね。

前作の内容はよく覚えてないけど、それを観てCDを買ったことを覚えてる。グループのCDだけでなく、イブライム・フェレールのソロまで買った。それはもう売ってしまったけど、グループのやつはまた取り出してきて聴いてる。

キューバの、もう引退したミュージシャンを中心にしてグループを作って録音したことから始まり、ロンドン公演後にCDが爆発的に売れだしたこと、カーネギーホールでの公演、その後、メンバーは活躍するが一人また一人と亡くなってゆく。そら前回の映画上映の時点で80歳、90歳やもんな。最後のコンサートや、キューバ/アメリカ国交回復の時のホワイトハウスコンサートの模様、若いメンバーも入れたこのバンドの本当に最後のコンサートで終わる。ドキュメンタリーやのに泣けてくる。

予告編でもあったけど、コンパイ・セグンドの「僕は遅咲きだったけど、人生の花は誰にでも必ず訪れる」って言葉を噛みしめる。「つぼみがついたときにそれを見逃すな」。

また、このバンドのキューバでの中心メンバー(アメリカ側はライ・クーダー)であるフアン・デ・マルコスの言葉。

「音楽は愛だ。お金のために音楽をやったことはない。無一文の時もあったが、今では誇らしいくらいだ。」

こんなことを堂々と言えるようにやっていこうと思うよ。

2018年8月1日水曜日

Eastern Youth

8月だー。もう8月ってみんなはいうけど、夏は7月で十分味わったよ。もういいです。まだ8月9月があるのかー。とほほ。

ところで、フジロックフェスティバルって富士山の近くで開催されてるのじゃないんですね。知ってました?僕は最近知りました。新潟県の苗場だって。

そんなフジロック、今年は(今年も、かもしれないけど)YouTubeでリアルタイム放送がありましたね。

ボブ・ディランを見ようと思ってたのに、ディランの放送はなし。まあ、そうか。OK出しそうにないな。
でも、土曜日の11時からなんとなく見てたら、どこかで聞いたことあるような名前のバンドが出ていて、なんやったけな?と考えていたら、そうでした!ビューティフル・ハミングバードがカバーしてた曲「夜明けの歌」を歌ってるバンドですよ。
そう、イースタン・ユースでした。ちゃんと聴いたことなかったけど、これは良かったですね。オッサン3人のバンドかと思いきや、ベースは女の子。かなり上手い。最近加入したそうです。

で、YouTubeでいろいろ聴いてます。

オススメはこれ。
「夜明けの歌」。ビューティフルハミングバードがカバーしたやつです。

本家はこれ。無理矢理にでも泣かされてしまう。
それと、「ソンゲントジユウ」

なんと今年でバンドが30周年らしい。こんなバンドが30年続くってすごいよ。

2018年7月19日木曜日

オルケゾグラフィの謎

オルケゾグラフィ、ガリアルドのあたりを読んでいるところ。
ガリアルドの前に、トルディオンのメロディが出てくる。

トルディオンとガリアルドの違いがよくわからないけど、このトルディオンは、オルケゾグラフィの注釈(訳者の注釈です)にも書いてある通り、Jacques Moderneの「Musique de Joye」に同じ曲が載っている。
これです。




上からソプラノ、アルト、テナー、バスの順番に並べてみました。オリジナルの譜面はパート譜なので並べてみたくなりますね。ソプラノのメロディがほとんど同じです。

これだけ情報があったら、リュートでもルネサンスギターにでも移せるやん、と思ったけど、読めないところがある。テナーの4つ目と5つ目の音が黒のセミブレヴィスとミニマ。これって「カラレーション」やんな、と思ってウィリー・アーペルの「ポリフォニー音楽の記譜法」を読んでみたけど何書いてるかさっぱりわからない。それまでの流れとちょっと違うリズム感になるよ、ってのはわかるんですが。どうしたもんかね。誰か教えて下さい。

でもバスとメロディとで、なんとなくルネサンスギターのタブ譜を書いてみました。
下の部分がトルディオン(Tordion)ですね。上は次に出てくるガリアルドです。副題「裏切り者のために私は死ぬ」ってどんなタイトルや。007っぽいな。

で、問題はその後なんですよ。
いろいろとややこしいステップの説明があって紹介されるのが、このガリアルド。

これは3拍子じゃないよね。2拍子でもない。7拍子ちゃうか?
本当なのかな?
この本読んで最大のピンチです。助けて!

2018年7月10日火曜日

オルケゾグラフィ

アルボーの「オルケゾグラフィ」を読んでいる。
16世紀フランスで出版されたダンス教本で、曲の音符に一々ステップを書き込んでくれてたりする。この辺を勉強していけば舞曲がわかるようになるかな。
でも英語が得意ではないので全然進まない。フランス語は習ったこともないからさらに読めない。

途中に曲が載っているので、それをリュートに移すことにした。いわゆるインタブラトゥーラってやつかな。

曲はこんな感じ。パヴァーヌです。
一番上の太鼓のパート以外をリュートに移していく。Gmなのでリュートでは得意な調。
こんなになった。数ページにわたるので長いなと思ってたけどリュートのタブ譜にすると4段で全部入る。タブ譜は便利。

気を良くしたので、ルネサンスギターにも移してみよう。
でも、これはなかなかうまくいかない。各声部のつながりが全く考慮されていないものになってしまった。まあ、ジャカ弾き用ってことにしとこうかな。
気が向いたらもう一回考えてみよう。

「オルケゾグラフィ」はステップを絵で教えてくれる。
「休め」?
空中に浮かんでる!
ダンスの一番初め、「ごあいさつ」です
でも、わかるような、わからないような。。。

2018年7月2日月曜日

バスダンス

ル・ロワのルネサンスギター曲集第3集にバスダンスが2曲入ってる。
2曲といっても、同じフレーズの順番を入れ替えただけみたいな感じなので、1曲めばかり弾いてる。
こんな曲。


これが出版された当時(1552年)は、「バスダンス」というのは流行遅れになっていたらしい。次のページにはトルディオンも載っている。「バスダンス」−「トルディオン」という組み合わせは「パヴァーヌ」−「ガリアルド」に似てますね。16世紀中頃からは「パヴァーヌ」−「ガリアルド」が多くなっていくみたい。

この曲は他でも出版されていて、Jacque Modernoの「Musique de joye」という曲集に入っているらしい。
それがこれ。

メロディを追ってみると同じ曲だということがわかる。
さらに、クレマン・ジャヌカンのシャンソン集にも入っているらしい。
それが、こいつ「Il estoit une fillette」。

ちょっとメロディの感じが違うけど大体同じ。っていうかこっちが先なんでしょうけどね。こっちが1540年出版、ル・ロワの第3集は1552年出版です。(Jacque Modernoの「Musique de joye」は出版年が不明です。)

CD持ってないかなーと思って探してみると、「鳥の歌」(クレマン・ジャヌカン・アンサンブル)に収録されてました。
1分ちょっとの短い曲。でしたが、皆さんご想像のとおり、やっぱり桃色歌詞でした。歌詞の内容は、『昔、女の子に「ええこと教えてあげる」といって教えたら、「もう1回!もう1回!」って言われ続けて「もう無理!」って言った。。。』とかなんとか。

ジャヌカンは聖職者だったらしいけど、こんな曲書いてて大丈夫やったんかな。でもパリでは大流行してたらしいし。

そんな桃色シャンソンが、なぜか偉そうに「バスダンス」になってるのも面白いですね。だからルネサンスはやめられない。

この流れでいうのもなんなんですが、トリつながりで、ここから宣伝です。
(注意:ファミリー向けなのでお色気内容ではありません)

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「おはなしえん」夏・秋編


場所:天王寺動物園・レクチャールーム
   入場無料
  (動物園への入場料¥500は必要です)
日時:7月8日(日)
   1回目:13時30分〜/
   2回目:15時30分〜

朗読:「ペンギンは空をめざす第9話 ペンギン」
    ミツかね堂/バナナンボ
お芝居:「世界トリ会議」劇団超人予備校

2018年7月1日日曜日

またまたライ・クーダー

なにかを好きになると、もうそればっかりになったりする。
カレー美味しいなーって思ったら1週間それだけでもいける。インド人になってもいい。いや、暑いのはいややけど。

で、ライ・クーダーなんすよ。
もう、やめられなくなってる。
やっぱりファーストアルバムを買いました。
かっこいいジャケットですね。これぞアメリカ!って感じ。かっこいいジャケットはこのアルバムだけのような気がする。まあ「ブエナビスタ」は良かったかな。レーベル違うし。
このファーストアルバム、発売は1970年ですが、もうそれまでにスタジオミュージシャンとして有名になってました。60年代はタジマハールと一緒にバンドやったりしてましたね。

内容は申し分なし。デビューアルバムがこのクオリティだったらすごいね。録音も悪くないし。あ、これはリマスター盤やったかな。最後の曲(DARK IS THE NIGHT)がスライドギターのソロ。しびれますねえ。

あと、古楽友達のSakataniさんお薦めの「GET RHYTHM」「PARIS, TEXAS」も買いました。
 

「GET RHYTHM」は中古で650円、「PARIS, TEXAS」は新品で800円でした。「ファースト」も中古(新品同様)で1300円。
ライ・クーダーはコストパフォーマンスが今、最高にいい!売れないのか?

「GET RHYTHM」は「Doing Back to OKINAWA」が入ってました。この曲、知ってる!
「PARIS, TEXAS」は、この写真とは違うジャケットだったけど、アコースティックのスライドギターが堪能できます。最後の曲「Dark was the Night」はファーストの最後の曲と同じ曲なのかな?ちゃんと聴いてないからわからないけど、ISとWASの違い。

それと5枚目のリリース「CHICKEN SKIN MUSIC」。
テックスメックスって何?ってとこからなんやけど、メキシコ風な音楽をテキサス風にやった音楽らしい。メキシコ風ってよくわからんけど、アコーディオンが入ってるので、あーなるほど!って思う。中米的かもって。この辺からアメリカルーツだけには飽き足らず、アメリカ周辺の音楽を漁っていくことになるんやねえ。ハワイアンの曲もあって、それらが、アルバム内で異色にはならず、うまく溶け込んでいるのが不思議。マジックやね。

それとサードアルバム「BOOMER'S STORY(流れ者の物語)」。
初期3部作の最後のアルバム。アメリカのルーツミュージックをライ・クーダー風にやったもの。もう、泣かせるよね。ライが弾いてる方がなんかルーツミュージック風に聞こえたりするけど、これがライの芸風なんですね。70年代ってこんな感じのアルバムが多い。イーグルスだってこんな感じのバンドだった。これも名作ぞろいの72年発表。

なんでライ・クーダーがいいと思えるのか?
おそらく古楽的なアプローチのミュージシャンだからだろう。このへんになると調べる内容も録音が残ってたりしてるので、当時のそのままってことにはならないけど、精神的にそのまま感を出してるってとこなんでしょうかね。尊敬する音楽家です。