2018年12月29日土曜日

おでんパーティ

28日は、俳優さかいしんご君のお店、おでん居酒屋「いっぷく」でとんちピクルスさんのライブとおでんパーティ忘年会。

とんちピクルスさんは福岡在住のミュージシャン。日本全国を飛び回る売れっ子です。小さなところでしかやらないですが、あちこちにファンがいますね。また、サニーデイサービス曽我部恵一さんのRoseレーベルからCDを出していたらしい。メジャーと限りなく近いですね。

ウクレレの弾き語りや自分で作ったトラックに乗せてラップしたりします。
放送できないものもありますが、ライブでは確実に盛り上がるし、おじさんの悲哀を歌ったものなど、いい歌も多いのです。

そんなとんちさんと、2曲、セッションさせてもらいました。
僕が弾いているのはルネサンスギターです。実はウクレレの祖先だと言われている楽器で、調弦はウクレレと同じです。



曲はファンの間ではおなじみの
「遠くでひばりも鳴いている」

「夢の中で泣いた」

こんな嬉しいことないね。いい年末になりました。
それでは、皆さんも、良い年末年始をお過ごしください。

(写真は山田さんのツイッターからお借りしました。)

2018年12月25日火曜日

もろびとこぞりな祭(さい)曲紹介(その2)

さてもろびとこぞりな祭(さい)曲紹介(その2)です。

ここでは用意していたけどボツになった曲を紹介します。
今回使われていないけど、今後も使われないであろう浮かばれない曲たちです。なむなむ。

1、「黒いオートバイ」クレージーケンバンド
これは戦隊モノ登場の曲がほしいと言われて用意していた曲です。クレージーケンバンドの初期の頃の曲ですね。大西ユカリさんの2枚組のライブ盤にも収録されています。これは名盤ですねえ。戦隊モノの曲といえば「カッコイイ(幼稚園児的な意味で)」ものでなければならないのですが、なぜかほとんど短調ですね。「カッコイイ」だけでなく「いろんなものを背負って大変なんだよ」という意味もありそうです。
これ以外に音を取ろうとしていたのは鷹の爪団のデラックスファイター登場の曲。何も背負ってなさそうなデラックスファイター。でもこれも短調。デラックスファイターの声がでかすぎて、途中からメロディが聞き取れなかったのでボツ。

2、「I LOVE YOU」オフコース
小学生のときから聴いているオフコースですが、ちょうどバンド風サウンドで売れたあとに、こんなにバンドっぽくない音でびっくりした曲です。ジョン・レノンの暗殺事件のニュースを間奏にミックスしてたのも、当時としては衝撃でした。その間奏部分がやりたくて練習してたんですが、どこにも使うところがない、提案さえできなかったのでした。

3、「悲しい酒」美空ひばり
ギターのイントロが印象的な曲で、昭和生まれだったら大体の人は知ってる。歌なしのギターのみの編曲を準備していたのですが、あんまり昭和感を推すところが今回はなかったのでボツ。でもどこかでやりたいよな。

もろびとこぞりな祭(さい)曲紹介(その1)

「もろびとこぞりな祭(さい)」に来ていただいた皆様、クリスマスで子供のプレゼントにお金を使いケーキも買わなあかんしお年玉に少し残さなあかんわーってなってるお金のない時にクソ忙しい時にわざわざお金と時間をこちらに提供していただきまして、本当に感謝しております。

会場のラブホテル、ホテル千扇。京橋のど真ん中にあります。最近はホテル営業以外にイベントにも貸し出しをしています。昭和の面影を残す貴重な建物です。

さて、ここからはこのイベントのおまけ(?)的に使われていた音楽の曲紹介です。
まあ、おまけのおまけみたいなもんです。

1、オープニング『クリスマスの前の晩』後は「もろびとこぞりて」です。これはみなさん聞いたことありますよね。戦前の歌集「賛美歌」の歌詞を変えたものだそうです。作曲年代は不明。

2、『てんぐサンタ』での使用曲です。

まずは「お茶碗(O'Carolan's Cup)」。
これは鈴木常吉さんのCD「ぜいご」の最後に入っている曲です。原曲は17、18世紀アイルランドの盲目のパープ弾き、ターロック・オキャロランの「O'Carolan's Cup」です。メロディはだいたい同じですが、コードが暗めになっています。

次に「神田川」。
4畳半フォークといえばこの曲でしょう。貧しいくらしを連想させずにはおきません。

空を飛ぶシーンでは「見上げてごらん夜の星を」。
これも超有名曲ですね。坂本九さんが歌った昭和の名曲。

最後は「ウイスキーブルース」。
これは僕がよくあちこちで使っています。これも鈴木常吉さんの2枚目CD「望郷」に入っている曲です。寂しい歌ですが、寂しい中にウイスキーに酔ってふんわりした感覚が、クリスマス後のちょっとほんわかとした感じに似ているな、と思って使いました。

3、『医者がよい』では、山を2つ越えるところが4回あって、3回目のちょっと楽しげなコードは別に何の曲でもありませんが、カントリー風のスリーフィンガーです。4回目はベースの下降音型のちょっとセンチメンタルなコード進行でした。
最後はマーティンデニーの「ファイヤークラッカー」です。これは70年代にYMOがカバーして有名になりましたね。実はテクノではなく楽園音楽です。中華っぽいような、そうじゃないような。

4、『いたいネズミ』では、ブルース風&現代音楽風インプロでした。

5、エロ回文コーナーでの使用曲は、
「エマニエル夫人」
「星に願いを」
でした。ギターでエロ感を出すのは難しいんですよね。やっぱりテナーサックスのスケベさ、下品さには憧れますね。
最後の回文に行く前の朗読に使ったのは「An Malvina」でした。ヨハン・カスパル・メルツ作曲、クラシックギターでもあんまり有名ではないですね。
最後の回文のときの曲はヘンデル作曲「水上の音楽」でした。

6、『つるとかわせみ』使用曲は変なインプロ(実は「ペンギンは空を目指す 第1話の前田さん登場の曲)と、最後に「クリスマスの夜」を少し。ミゲル・リョベート編曲のものです。クラシックギターを始めたばかりの頃によく聴いていた曲ですが、当時の僕には難しすぎて弾けませんでした。

7、『灰かぶりのマーラ』の使用曲は2つです。
牛が連れて行かれるところは、普通「ドナドナ」でしょう。誰も文句ありませんね。
最後はバルカン半島風の曲をリクエストされてましたが、そんな引き出しは僕にはありません。でも、中世ヨーロッパ風、ちょっとオリエント風(違うかもしれないけど)のモード中心のインプロを中世のリュートで弾いてみました。

そうそう、館内巡回のときに僕が踊り場で弾いていたのも中世ヨーロッパ風のインプロです。よく聴くと、『灰かぶりのマーラ』と同じですね。引き出しが少ないのですよ。とほほ。

8、『Gifts』ではSuperflyの「Gifts」そのままでした。やってみてわかったのですが、結構難しい曲です。テルさんお疲れ様でした!そうそう、テルさん(石井テル子さん)といえば、「てんぐサンタ」でのしげるくん役が好きでした。少年役が結構いい感じ。

9、会の最後はふたたび、『もろびとこぞりて』でした。
別に難しくないのですが、続けてながーく弾いてると、手が痛くなってくるんですよねー。これが一番疲れるところです。

(その2)へつづく

2018年12月18日火曜日

イタリアのルネサンス

ルネサンス期のイタリアを調べようと思ってブルクハルトの「イタリア・ルネサンスの文化」を買ったのは2014年。ちょうど新訳が出ていて少し立った時。何度も読もうと試みたけど、無機質に見える文章を攻略するのは至難の技でした。

それが、4年後の今年の9月から塩野七生さんのルネサンスものがあることに気づいて買ってみたら、これが異常な面白さ。登場人物に感情移入を過剰じゃなくできることで、その時代に興味を持てたのかな。

今まで読んだのは次の本です。

「ルネサンスとは何であったのか」


中世にルネサンス的な考え方をすでにしていた人物の紹介をはじめ、ルネサンス時代に活躍した芸術家や思想家などを広く紹介している。
なんとなく、ルネサンスの概要がつかめた気になります。













「ルネサンスの女たち」

ルネサンス期で有名な女性を通して、その時代の政治的な動きを追っていく。

















「愛の年代記」

短編小説の形をとりながら、歴史的に注目されていない人々に焦点をあてて、ルネサンス時代の社会状況と人々の想いを明らかにしていく。
















「海の都の物語」
ヴェネツィア共和国の建国から、中世/ルネサンス期の貿易で得た富をもとにした繁栄、バロック時代の衰退期、ナポレオン戦争で滅ぼされるまでを描いたもの。
どうしてこんなに長く共和国として続いたのか、当時のヴェネツィア人はどういうことを考え行動したのかがわかる。
 

 

 


「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」

法王の息子チェーザレが軍事力を得て、法王の直轄領を取り戻していく。イタリア征服の野心を持った若者の物語。
キリスト教カトリックの総本山といえども、政治力なしには何もできない。キリスト教への見方が180度変わります。













「わが友マキアヴェッリ」
 


16世紀初め、メディチ家が追い出されたあとの混乱期のフェレンツェで官僚を務めたマキアヴェッリが、何を見て、何をして、何を考えたのかが書かれている。
マキアヴェッリって「君主論」で有名ですが、貴族ですらなかったのか。それは意外な事実。














「コンスタンティノープルの陥落」

ここから海戦三部作。
キリスト教の国、ビザンチン帝国(東ローマ帝国)の首都コンスタンティノープルがオスマントルコに攻められ、陥落する様を描く。15世紀の中頃のヨーロッパとトルコの状況がわかる。














「ロードス島攻防記」

コンスタンティノープル陥落後、ロードス島を本拠地としてトルコに対して宗教的な意味で海賊行為を働いていた聖ヨハネ騎士団とオスマントルコの戦いを描く。
手に汗握る展開。
聖ヨハネ騎士団はロードス島陥落後、マルタ島に移りマルタ騎士団と呼ばれるようになる。













「レパントの海戦」

海戦三部作の最後は有名なレパントの海戦。世界史音痴の僕でも名前だけは聞いたことがあった。
もう国力が下り坂のヴェネツィアがキリスト教国を巻き込んでオスマントルコと争って勝った話。壇ノ浦の合戦のように海の上での戦争。
勝ったけど時代の流れには逆らえず、ヴェネツィアとオスマントルコはだんだんと衰退していく。



 











うーん。結構読んだな。
ほとんどがルネサンス期のイタリアの話。ちょっと東地中海のこともある。
そのあたり、世界史でやったのかもしれないけど全然覚えていない。

塩野七生さんの本は、同じ時代の別の場所/人のことを扱ってるので、複数読むといろいろな物事や人物の関連がわかってくる。今までよくわからなかった西洋ルネサンスが今とどう違っていたのか、今とよく似たところはどこかとか、映像で見たみたいに把握できる。

今は「神の代理人」を読んでます。これはローマ法王の物語。

今年は本を読みまくったな。来年読む本がなくなってくる。って、そんなことないか。

2018年11月30日金曜日

クリスマスの準備

11月はなんとなく調子が悪かった。特に朝の調子が悪い。
朝ドラのオープニングの曲とFM COCOLOのマンスリーアーティストのせいやな。たぶん。
そういえば、どちらも大阪弁の曲があって、サブイボでるわ。

そろそろクリスマスの曲を準備せなあかん。
宣伝です。

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みつカネかい?のクリスマスかい?
Vol.3『もろびとこぞりな祭(さい)』

12/24 (月・祝)
 14:00/17:00/20:00
 ※受付開始・開場ともに、各開演の30分前
 ※各回定員15名 要予約

会場 ホテル千扇
大阪市都島区東野田町3-7-4
京阪本線・JR環状線・東西線「京橋」駅より徒歩3分
※公共交通機関のご利用をお願いいたします。
http://hotelchisen.jp/access.html

料金 1600円 (前売・当日とも/お菓子付き)
予約フォーム http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=9b773788f4
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2年前に出させてもらいました。ワンフレーズだけしか使わないのに曲数が多くなって、わりと大変でした。今回はどうなるかな。

今回はたぶんやると思われる曲(みんなわかるよね?)をギターで編曲。キーはCよりGの方が弾きやすいな。メロディの最高音がソまで出てるのでハイポジション使わなくていいし。でも、アンデスとかでやった方が面白いかな。どうしよう。ちょっと悩む。

あと、昔に弾きたかったけど弾けなかった、というか楽譜を読むのがめんどくさかった「La Nit de Nadal」を、楽譜を引っ張り出してきて見ている。「La Nit de Nadal」ってカタロニア語で「クリスマスイブ」だって。ええ感じやん。リョベート先生の編曲はなかなかいいですな。でも、かなり難しい。
まあ、どちらも使われるかどうかはわからないですが。

今回の場所は京橋のラブホテルなんで、昭和歌謡も入れたいよなー。

なーんて考えてますが、始まると全然違う方向に行くことも考えられるのでなんとも言えませんなー。
まあ、観にきてくださいってことで。

2018年11月25日日曜日

楽譜の読み方

「THE NOTATION OF POLYPHONIC MUSIC 900-1600」を買った。
ウィリー・アーペルさんの集大成。Amazonで調べると、なんと3400円程度。日本語版は定価6000円超えてるのに!せっかくだから注文しました。
なんとこの本、第2次世界大戦中に書かれている。出版年が1942年。 まだ売れ続けてるんですね。まあ他にないもんな。これに頼るしかない。

「ポリフォニー音楽の記譜法 1450-1600」は日本語版だけど、今は中古でしか手に入らない。Amazonで調べると中古で20000円!
昔に買っといてよかったな。買ってから後で知ったことだけど、この本、実は原書を全部訳しているわけではないのだ。
タイトルを見ただけで、日本語版は900年から1449年までが抜けているとわかる。
中身を確認してみると、日本語版ではまるまる抜けている黒符計量記譜法(←たぶん厳密には計量じゃないですね)のところがそれ以外の2倍のページ数になってる。10、11世紀ぐらいの曲もやってみたいけどなかなかハードル高そうやな。楽譜の読み方の本が英語なので、それがなかなか読めないという二重ジレンマ。。。

15世紀ぐらいから使われている白符計量記譜法をちょっと読んだけど(日本語版の方ね)、今の楽譜と全然違う。同じ音符が2拍分やったり3拍分やったり読み替えないといけないし、小節線がない。昔はこれで本当に読めてたのだろうか???

来年1月に中世音楽の講座に行くことにした。中世音楽の基本的な読譜方法からソルミゼーション、ムジカ・フィクタ、対位法、アルス・ノヴァ読譜実践などです。ちょっと楽しみ。


2018年11月15日木曜日

せかいトリかいぎ

この前、今年最後の「おはなしえん」が終わりました。来ていただいた皆さま、ありがとうございました。

今回の夏秋編ですが、7月から始まって、7月、9月、11月(10月は劇団超人予備校本公演の開演前にやりました)と5ヶ月に渡ってやってたのです。

朗読の「ペンギンは空をめざす」が全10話中9話目に差し掛かりました。天王寺動物園で飼われていたペンギンのテンちゃんが空を飛ぶことを目指し、動物園を飛び出して通天閣に登り、さらに高いところ、ハルカスを目指すところで今回は終わったのですが、次回が最終回です。
今回も音楽を担当してたのですが、朗読の最後に「ペンギンは空をめざす!」と、あかねさんが叫ぶところがあって、それを聞いて音楽の音量を上げるのですが、そこでなんか泣けてきて、音量は上がっても音程が超不安定になってましたね。出来ないかもしれないことをやれると信じてやり続けてきた人は普通に泣くと思いますよ。
泣けなかった人は、やれると信じてなかったってことかもしれません。
いや、でもまあ、そういう人もいっぱいいますので落胆せず、第10話を観に来て欲しいです。
人知れず自分のことを頑張ってる人にはグッとくる内容です。

ここで問題作(?)の「世界トリ会議」です。
日本の国鳥であるキジが幹事を務めることになった世界トリ会議。出席者はペンギンとコウノトリ、南米出身っぽいフラミンゴが来ます。
何を決めるかで混乱しますが、ペンギンが「リーダーを決めよう!」と提案します。
みんなは色めき立ちますが、全員自分がリーダーになろうとします。そこに明らかに外から来たやろうとわかる、明らかにトリではないエジプト・ルーセット・オオコウモリが登場。彼は「トリ」ではありませんが、飛べることによって「トリ」だと主張します。
この流れがミツルギさんの真骨頂ですね。深読みしようと思えばいろんな意味にとれます。
僕が初めに思ったのは、今の国会へのあてつけかな、と。構成員のバカさ加減もそっくりで、議題の内容のなさも思い当たることが多い。けど、そういうものでもないのかも。

最後にはどこからきたかわからないオオコウモリは哺乳類だということがわかり、トリでも哺乳類でもないのではない、哺乳類であってさらにトリの能力も持っているエリートだと認識される。目線を変えると邪魔者も成功者に変わるのです。
それで「がんばろう!」といきり立ち、「手のひらを太陽に」を歌って散々盛り上がったあとに「あっ、僕らには手のひらがない!」と気づいて、コウモリは夜行性なので太陽も見れないと指摘され、リーダーは「奇跡のニワトリ、マサヒロくん」に決まったことが告げられ、全員で「シュン」となる、「おはなしえん」には珍しく残念な終わりなのです。
バカバカしい内容でありながら、国の状態と照らし合わせるとなぜか一致してしまう。さらに小さいところでも自分の中身を考えると。。。
笑ってすませればいいですが、本当に大丈夫?っていうことも思ったり思わなかったり。皆さんは大丈夫ですか?

別に今の日本の政治の状況を反映してるわけではないですが、自分の奥底にあるなにかモヤモヤしたものに気づくかもしれません。
そんなことも笑い飛ばせるような余裕のあるオトナになりたいものですね。

2018年11月3日土曜日

絵本カフェholoholoライブ「音の小箱」

平成最後の11月1日、前から行きたかった絵本カフェholoholoでライブでした。
来ていただいた皆さま、ほんとうにありがとうございました。

絵本カフェというだけあって絵本がいっぱいあります。でも子供向けの店というわけではないようです。ここのライブは結構興味深い人が出てるので、ちょっとした憧れでした。初めての来店が自分のライブってちょっと感動ですよ。
 一緒にライブをしたのは杉山さん。お店との折衝なども全部やっていただきました。ほんと感謝してます。

楽器はスコティッシュ・スモールパイプ。ふいごで空気を送るタイプのバグパイプです。イーリアンパイプとよく似ていますね。音が大きいです。
杉山さんは、普段は、もっと大きい音の出るハイランドパイプというのを吹いています。前に近鉄百貨店の英国フェアで見ましたが、かなりの腕前です。

1年ぐらい前から共演の機会を狙ってました。でも音量の関係でハイランドパイプとギターっていうのは無理やな、となったのです。そこで「スコティッシュ・スモールパイプもあるよ」と楽器を紹介してもらったので、それに変更してもらいました。それでも音量の差は大きく、僕がアンプを使うことにしました。なんとかバランスはとれてたかなと思います。

でも今回苦労したのは、スコティッシュ・スモールパイプの音程。低いところの音は大丈夫なのですが、高い音がどうしても低くなりがちです。セロテープで穴を半分ふさいだりして音程を調整します。
でも、これってスコティッシュ・スモールパイプだけで弾くとそんなに気にならないんですよね。ギターが入って同じ高さの音が聴こえると、その音程差がわかってしまいます。
ちょっと間違えると「僕、いらんのとちゃう?」ってことになりかねないので、こちらの存在感も示しつつ相手を持ち上げる、ということを考えました。僕が高い音を使わなければいいのです。なのでローポジションのコードばかりで弾いて、音の少ないところと多いところを対比させたりしました。
まあ、うまくいったんとちゃうかな、と思っています。

前半で杉山さんのソロ、後半で僕のソロがそれぞれありました。
杉山さんは何曲かをメドレーにして弾いていました。これ全部憶えていて、その場でくっつけることができるんですね。僕も即興でできるようになりたいよな。

僕のソロはルネサンスギターです。
1550年代の曲、モレイユの「Conte Clare」とル・ロワ「CHANSON」の2曲弾きました。曲終わりで、杉山さんの師匠(スコットランド人かな?)から「ナイス!」と言われました。ちょっと嬉しい。
そういえば、ルネサンスギターは高めの音を使うのに、こっちの音はスコティッシュ・スモールパイプと合わせてもなんの問題もなかったのでした。不思議。
緊張しないようにと、開演前に鬼ころしを2パック注入したので、昨日(11/2)は1日中胃の調子が悪かったよ。気をつけよう。

(写真はお客さんの山田さんと尾松さんのツイッターからお借りしています)

2018年10月29日月曜日

大津古楽講習会

おなじみの大津古楽講習会に行ってきました。講師は竹内太郎さん。
今回の受講生は3人。それとセッションコーナーだけの参加者1人でした。

13時前に集まって、とりあえずセッション。
ベルガマスカをネタにC−F−G−Cのコード進行で即興で1人ずつ弾いていく。その他の人はコードで伴奏する。今回は非和声音をなるべく使わないように心がける。ということは、コードが変わった時はそのコードのルート、3度、5度のどれかの音から始めると上手くいきますよ、ってことなんですね。昔と比べると、だんだんできるようになってきたように思う。

レッスン1人目はSAKATANIさん。
焼け跡から発掘されたようなバロックギターです。サンスのパヴァーヌのラスゲアード版とプンテアード版を受講。もういきなり音が良くなってることに驚く。さては家でめっちゃ弾いてるな。ラスゲアード版とプンテアード版を混ぜたり、ミックスタブラチュアっぽく弾いてみることを提案されていた。それができるようになると即興っぽくなってくるんですよね。もう1曲、誰の作曲か忘れたけど4拍子のトルディオン。これも同じく。
しかし、めっちゃ弾けるようになってるな。すごい!

レッスン2人目はKINOSITAさん。
バロック(風?)バイオリンです。バロックバイオリンを買ったと思ったら、実はモダン仕様に近かったらしい。
メロディ楽器があると華やかになるな。やっぱり。
「ディヴィジョン・バイオリン」の中の「スペインのフォリア」で受講されてました。ちょっと伴奏させてもらったけど、メロディが上手いと断然面白くなる。
バロック奏法は最近始めたばかりということで、まず音が大きすぎる、と先生に言われていた。伴奏の音を聴いて、がんばらずにリラックスして弾くと音がガラッと変わる。まさにミラクルですね。帰りに早速、本当のバロックバイオリンを持って帰ってた。素晴らしいです。

ここでレクチャーコーナー。
「ダブルフレットについて」。
これはリュートやギターのフレットを一重に巻くか、二重に巻くかということで、歴史的には二重巻きが一般的であったらしい。昔の絵に描かれているリュートやギターにダブルフレットのものがよく見られるし、リュートの教本にもそう書かれている。
ダブルフレットにすると、コロンコロンした音にはならず、少しのびりつき音が入る。音響的には結構変わるけど、弦高をギリギリまで低くすることができて弾きやすくなるし、チューニングがしやすくなる。これらは実際に試した人しかわからないと思いますが、実に快適ですよ。みんなもやってみよう!

もう1つのレクチャーは「バイオリンについて」。
チェロっていうのは実は新しい楽器でルネサンス/バロック時代にはバスバイオリンが使われていた、っていうことが僕の中では初めて聞いたことでした。あと、モダンバイオリンとバロックバイオリンの違いなど。

最後のレッスンは私、小松です。
前回に引き続き、ルネサンスギターでモレイユの曲集から5曲。
ルネサンスギターに限らないことですが、シャンソンの編曲ものが結構多い。今回は2曲やったけど、原曲がなかなか手に入らない。音源も楽譜も。現代譜に直して編曲ものと和声など比べてみたらいいとアドバイスをいただく。そうそう、それやってなかった。だいたい一緒やな、と見ていただけ。ちゃんとやってみよう。
あと、音楽の作り方がソフトな感じなのが多いのでちょっとハード目にやってみよう、とか。混ぜてできるようになるのがいいんですよね。自分の引き出しを多くしとかなあかんな。

僕のレッスン終わりで、最後に弾いた曲「Conte Clare」のコード進行(C−C−F−G)で再びセッションコーナー。
楽譜見ながら弾くより数十倍頭を使うように思う。僕は手グセで弾いてしまうけど、できれば頭で思ってるフレーズが弾けるようになりたい。

今回は受講生が少なかったので、セッション多めだったのと、やはりレクチャーがあると面白い。いつもよりちょっと長めでした。セッションはできるようになってくるとどんどん面白くなってくる。

打ち上げは、いつもの膳所駅近くの王将でした。

2018年10月25日木曜日

開演前音楽祭

劇団超人予備校の本公演は開演前に音楽祭があります。ミツルギさんセレクトのミュージシャンを日替わりで聴けるというお得なものです。
今回の第14回本公演「ねこすもす」でもありました。
ちょっといいものを聴けたので、その紹介を。

◎1日目は仲山涼太さん。
なんと、クラシックギターです。僕のはなんちゃってクラシックギターなので、クラシックであーる!とは言えませんが、この人はド直球のクラシックです。この公演の数日前に東京のスペインギターコンクールで優勝してましたね。1位なんてなかなか取れるもんではないですよ。超予備と関わって運が向いてきたのかな。
それに、ジャズやポピュラーもできるという、僕が若かった時代にはなかなかいなかったタイプです。

全部で3曲弾かれました。
1、愛のロマンス(映画「禁じられた遊び」より)
2、キャッツアイ
3、アストリアス(アルベニス)

愛のロマンスなんて誰でも知ってる曲ですが、それだけに「ええなあ」と思わせるのは至難の技です。今まで聴いた中で一番良かったかなあ。あ、イエペスの次に良かったかな。
キャッツアイは自分の編曲でしょうか?難しそう。こんなんよう弾けるな。
最後のアストリアスはもともとはピアノ曲。近代スペインの名曲です。これも丁寧に弾かれていて感心。
感情がそこかしこに入る。技術がしっかりしてないとこんな弾き方はできないね。上手いだけじゃない、すごくいいものを持ったギタリストです。

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◎2日目1回目はバナナンボです。
今回6曲やりました。

1、アルペジオ(小沢健二)
2、Short Short Story Vol.105
3、横顔しか知らない(ハンバートハンバート)
4、君の犬(キセル)
5、おかえりなさい(ハンバートハンバート)
6、タイムライン(クラムボン)

うーん、我ながらいい選曲です。あ、「Short Short Story Vol.105」は相方のあぼちゃんが見つけてきてくれました。やっぱりソウル大臣です。あぼちゃんはほとんどミスしなかったけど、僕がだいたい本番でミスするのよね。集中力がないのかな。
今回、新曲が「おかえりなさい」。愛人(自分)の家に決まりが悪そうに戻ってくる男を妻の元に返す、という切ない内容です。去年ぐらいからやりたかったんですが、編曲/構成が思いつかず、今回やっとできました。
◎2日目2回目は「夜のおはなしえん 世界トリ会議」です。
もちろん演奏はバナナンボ。
フラミンゴ登場のシーンで「マンボNo.5」を弾くのですが、今までで一番切れていた。おはなしえんなのにシャープな演奏。バナナンボ、結構上手くなってきたぞ。

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◎3日目1回目は、福井和之さんのシタール演奏。
即興です。しびれましたね。1つ1つのフレーズを数回繰り返して次につないでいく。休みなしで20分弾きました。全然退屈しないどころか、もっと聴きたくなる。2時間ぐらいは大丈夫やな。

◎3日目2回目は、西原希蓉美さん。
言わずと知れた関西小劇場界の歌姫です。お芝居もここ最近は主役が多いですね。
伴奏は僕がやりました。今回、希蓉美さんは超多忙で(いつもですが)、練習を1回しかしておりません。でも新曲を入れました。オリジナルを入れて全部で4曲。

1、夜をみてた(ヤスムロコウイチ)
2、ブラザー軒(高田渡)
3、手袋
4、イタミ

「夜をみてた」が初めての曲でしたね。リハでは「青春の曲やな」っていわれましたが、僕のイメージでは恋するおっさんの歌です。おっさん曲は希蓉美さんに合っていると思っています。
ブラザー軒の主人公はもうちょっと若い感じかな。去年からずっとやっています。
あと2曲はおなじみのオリジナル曲ですね。だいたい憶えました。
そうそう、今回はうべんさんのダンスシーンに横で弾くということになっていまして、
2日目1回目はバナンンボで「One More Cup of Coffee」(Bob Dylan)、
2回目は「蜜蜂の唄」(泊)、
3日目2回目は「天城越え」(石川さゆり)でした。
ベリーダンスでやりにくそうな曲ばかりですみませんでした。その分、面白くなったかなーっと。

今回の開演前音楽祭は僕好みですごく楽しめました。こういうのがあってから本編に行くときにお客さんもリラックスできて、すーっと入っていけますね。
これも超人予備校ならではの企画です。呼んでいただいてありがとうございます。

2018年10月24日水曜日

ねこすもす

劇団超人予備校第14回本公演「ねこすもす」、終わりました。
僕は開演前音楽祭と劇中のダンスシーンに音楽で出演しましたよ。
来ていただいたみなさま、本当にありがとうございました。
開演前音楽祭では、土曜日の「バナナンボ」と「夜のおはなしえん」、日曜日の西原希蓉美さんの伴奏で出ました。おはなしえん以外は新曲も入れたのでちょっと緊張のところもあったけど、まあうまくいったかな。いつもミスしないところでミスしたけど。集中力が足らんのやなー。がんばろうっと。

「ねこすもす」は猫のお話。
「あっち」と「こっち」を行ったり来たりできる猫の飼い主が「こっち」の世界に迷い込んでしまう。「あっち」と大体同じような世界だけど、「こっち」では猫はしゃべることができる。というか人間と言葉でコミュニケーションができる。
飼い主は「あっち」の世界に帰るために、今までの行動を追っていく。猫に助けられながら。そうしながら自分の居場所はどこか、ということに気づいていく。

それと並行して犬のおまわりさんのシーンが挟まれるんだけど、これがおかしくて仕方がない。関西でいうと「駐在さん」シリーズみたいな感じといったらいいかな。
犬のおまわりさんのいる交番にへんな猫達が訪ねてくる。関西小劇場界の怪優ばかりを惜しみなく投入した、爆笑必至のシーンでした。セリフを言い出す前に会場から笑いがおこるくらい。

最後に飼い主は、ネコスモスクエア駅からニャートラムに乗って「あっち」の世界に帰っていく。自分の居場所「根っこ」が「あっち」にあると確信しながら。

今回のおはなしはちょっと地味な感じがしたけど、深いところをついてくるお芝居だった。世界はパラレルワールドになっていて、自分が選んだ世界以外にも自分は生きていて、そこでは別の仕事をしていたり違う生き方をしている。
飼い主が貧乏な画家になっている世界があって、「自分が正解だ、と別の世界の自分に言ってくれ」と猫に伝えるシーンが好き。猫は「飼い主もきっとそう言うよ」って返す。いろいろと自分で決めてきた人はここで泣くんじゃないかな。
今の自分を強く肯定してくれてる、って思うよね。
もう一つ、山倉さんと飼い猫のタンゴが最後に仲良くなるシーンも好きやな。

今回は、カーテンコールも最後のダンスも終わった時点で、おまけがあった。蔓谷さん演じる、「野生にもどれ!」と言ってた猫が、画家に飼われに行くというオチがつけてあった。人間も猫も1人(1匹)でも生きていけそうに思うけど、2人(2匹)やったらなお面白いよ、ということかな。
深い内容のところも深刻にはならないんだよね。さらっと流す。
これまでで一番、観終わった後に幸せ感が残るお芝居でした。
1時間50分があっというま。

観た人しかわからないレポートになってしまったけど、楽しかったっていうことです。
見逃した人は来年に来てみたらいいよ。





2018年10月14日日曜日

キューバ音楽(その6)

えーと。「ねこすもす」関連で少し忙しいんですが、そんな時はやっぱりキューバ音楽です。まだまだCD買ってます。

今回は、
アルセニオ・ロドリゲス「ソン・モントゥーノの王様」
やっとたどりつきました。アルセニオですよ!キューバ音楽の神様みたいな人です。

このディスクでは1940年代の一番活躍した、またキューバ音楽の最盛期の録音を中心に集められています。知ってる曲が出てくるとなんか嬉しい。先に買ったオマーラ・ポルトゥオンドのCDにも入ってた。

アルセニオはトレスという3弦ギターを弾いてる。ソロの時は独特のメロディ感やなと思うけど、作曲した曲はどれもダンサブルないい感じ。トランペットを2本使い出したのがアルセニオのバンドだそうで、なかなかの迫力。歌は歌っていない。

ブエナ・ビスタでのピアニスト、ルベーン・ゴンザレスがアルセニオのバンドにいたときがあったみたい。映画で雇われる時のことを語ってた。目の見えないアルセニオに顔を触られて「おまえはハンサムだ」っていわれたとか。

最盛期の録音なので、出世作の「ブルカ・マニグヮ」が入っていないのがちょっと寂しいけど、何もいうことはない、素晴らしい内容。ボレロに名曲が多い。

次は中古CD屋で発掘。なんと350円!
そんなに中古も出回っていないように思えるんですがね。
アフロ・キューバン・オールスターズ「Distinto, diferente」
 前盤の「これがキューバ音楽だ!」より絶対こっちの方がいい。ビッグバンドのタイトさはそのままで、いいノリが出ている。フアン・デ・マルコス・ゴンサレスが作曲と編曲に関わっていて、バンドリーダーとしての彼の良いところが聴けるいいディスクです。

再び、
アルセニオ・ロドリゲス「キンデンボ」。
これは衝撃ですね。キューバ革命の後の録音です。アメリカでの録音なので亡命したのかな。1963年にアメリカで発売されたらしいのですが、もうキューバ音楽をはるかに超えてしまっている。まず、歌は西アフリカのカラバリ族の言語で歌われているし、トランペットを多く使った演奏が有名だったのだが、このディスクではサックスの音が中心になっている。

今年は結構CDを買ってるな。その分、処分もいっぱいしてるけど。
あと、中村とうよう編集の「キューバ音楽の真実」が欲しい。